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カフェタイム | 詩


鍵の数だけ
ドアを無くした
浮かんだメロディーは
現実を生きるには
不確かなもので

猫が鳴く声に
気を取られていたら
ぺしゃん、と忘れて
後に考えたのは昼ご飯の事


ゆらゆら揺れる
思考が、弾む


アクリルキーホルダーに
反射する光に目眩がした
一辺倒な世間の思考に
飽きたのはこれで108回目

あの時ああしとけばよかった!
なんて思考とは
海月がぷかぷか泳いでる姿を
眺めているうちに
疎遠になってしまった

遠い遠い昔のこと
過去の嘘偽りない記憶
あの時育てた観葉植物
憧れた透明の口紅

流れと逆に泳ぐのは愚策か
カフェタイムの時に
ゆっくり考えよう

誰にも邪魔されない
路地裏のあの場所で
白い息を吐いて
アイスティーでも飲みながら



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