【中学受験・読書】トレンドはこれだ! 2024年中学入試で出た、おススメしたら生徒が読んでくれた本TOP5
最近の国語の入試傾向は、ここ2.3年以内に出版したものから出題されるというのがトレンド。
2024年の入試に出た作品の中から、個人的にお気に入りの作品で、生徒におススメしたら反応が良かった作品を5つご紹介したいと思います。
1.成瀬は天下を取りにいく
2024年本屋大賞 いまいちばん話題になっている本
2024年に本屋大賞受賞。
(本屋大賞、マンガ大賞は基本ハズレがないです)。
街の本屋さんに行けば、一番目立つところに平置きされているので、見たことがある人も多いでしょう。
続編『成瀬は信じた道を行く』も、同じくらいおもしろい。
成瀬の強烈な個性に、読むとスカッとします。
本作は小学4年生から6年生まで一番人気で、女子だけじゃなく男子まで、幅広く読んでくれました。
いちばん反応が多かった作品です。
実際売れすぎて、来年以降入試で出るかはわかりませんが、単純におもしろいですし、子どもたちの見識も拡がるでしょう。
読書慣れしている子も、馴染みのない子も、全学年全員におすすめできます。
また、大人からするとヒヤヒヤするような描写も特にないので、子どもたちに安心して読んでもらえるところも良いですね。
ちなみに、宮島さん、京都大学文学部出身。才女!
(リアル成瀬か~!?)
2.きみの話を聞かせてくれよ
読んで絶対後悔しない、2024年入試の最多出題作!
児童文学のため、年齢を問わずさくさく読め、読書初心者にも上級者まで、誰にでも無条件でおすすめできます。
多くの中学校の先生たちに選ばれたのがわかる、大傑作。
読後感が最高です!
これは、本当に読んでほしい。
多様性についても学べます。
中学生たちの話なのに、なぜか4年生のクラスで女子たちに人気がありました。
やっぱり女子は小4でも大人びてますね。
3.きみの鐘が鳴る
受験勉強や学校生活に悩んでいるきみに読んでほしい
特に、いま人間関係などで悩んでいる子たちには、福音になるかもしれません。
この本に関連して、思い出深いエピソードがあります。
オンラインの家庭教師として担当していた私の教え子で、小学校でのクラスの女子同士の人間関係で悩んでいた女の子がいました。
3,4年生のころは仲良くしていた子が、5年生になると急によそよそしくなる。
クラスが離れれば問題なかったのに、よりによって6年生も同じクラスに。
6年生になると、その子が自分の仲間グループの女子たちを使っていやがらせをしてくるまでになった。
学校の先生は止めてくれない。
あの子と同じ中学校には絶対行きたくない。
引っ越しも視野に入れ、私立の中学校に進学するため、小6の5月から、一度中断していた中学受験の勉強を再開を決意した。
まさに主人公のつむぎと、似たような状況でした。
お母さまからメールでご事情を打ち明けてもらい、そのときにこの本を紹介しました。
お母さまはその日に本を書店で買ってくれ、その子に渡しました。
その日の授業で、「状況が被りすぎて、やばい! でも一気に読みました」と言ってくれました。
その子は、第二、三志望は不合格と、苦しい2月を過ごしましたが、第一志望から繰り上げで合格をもらい、進学を機に都内に引っ越し、新生活をはじめています。
この本は、塾では5年生の揺れ動く女子たちに受けが良かったです。
4. 給食アンサンブル1・2
今年もやっぱり出た! 1,2とも広く出題
続編『給食アンサンブル2』も入試によく出題されます。
今年も良く出ましたね。
いろいろなタイプの子が登場するアンソロジーのような短編集で、森絵都の『クラスメイツ』や重松清の『小学5年生』にも通じるものがあるかなと思います。
(これらの作品も、読書入門用としてもおすすめ)
令和時代の「とりあえず、読んでおけ」的な作品ではないでしょうか。
5. この夏の星を見る
入試に出ないはずがない本命作
風化させてはいけない私たちの世代の教訓
いま、一番入試で出る作家のひとり、辻村深月のコロナ渦を題材にした本作が、入試に出ないわけがない!
2020年、もう4年も前になるのですね。
いまの4,5年生の子たちに聞いても、あのときのことを「そんな覚えていない」と言う子も、ちらほら出てきました。
だからこそ、コロナ渦の窮屈でつらかったときのことを思い出す、風化させてはいけない私たちの世代の教訓になるのではないでしょうか。
同作者には素晴らしい作品が他にもあります。
入試問題でも、本当によく登場しますね。
昨年アニメ映画にもなった『かがみの孤城』も、とくに女子生徒から人気があります。
こちらも超おすすめ。
わたしも昨年、一気読みしたあと、映画も見に行きました。
以上となります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
いまご紹介したなかから、1冊でもお子さまが興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください。
子どもが読みたいと思ったときが、本を与えるベストタイミングです。
できれば、お父さま、お母さまもいっしょに読んで、お子さんと感想などを話し合っていただければと思います。
親子で読書体験を共有するなんてとても素敵なことですよね。
数多くある記事のなかから、この記事を読んでいただきありがとうございます。
ひとつでも参考になれば幸いです。
次の記事で、またあなたをお待ちしております。