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レジ無しコンビニ「Amazon GO」で未来の買物体験!

今年シアトルに1号店をオープンしたレジ無しコンビニ「Amazon GO」

今年の1月にAmazonの本社があるシアトルに1号店をオープンした、レジ無しコンビニ「Amazon GO」

オープン時には多くのお客さんが集まり、話題となりました。

現在は、シアトルの他、シカゴとサンフランシスコにもお店をオープンさせています。

今話題の「Amazon GO」を体験すべく、先月23日にオープンしたばかりのAmazon Go サンフランシスコ店を訪れてみました。

いざ潜入!

Amazon GOで買い物するための条件は、アメリカのAmazonのアカウントを持っていて、スマートフォンにAmazon GOのアプリを入れていること。

お店の入口にある駅の改札機のようなゲートに、アプリを通じて表示されるQRコードをタッチすることで入店できます。

個人認証に使用しているこのQRコードは常時変化しているため、スクリーンショットのものを使い回すことはできない仕組みになっています。

ゲートのセンサーにスマートフォンをタッチし、駅の自動改札をくぐり抜けるように簡単に入店することができました。

ちなみに同伴者がいる場合は、自分が入店した後、QRコードが表示されている携帯を家族に渡すことで、同伴者も入店することができます。

商品の品揃えや価格は?

アメリカのオーガニックフードを扱っているスーパー「ホールフーズ」を買収したことで、新鮮な野菜が手に入りやすくなったのか、店内に陳列されている商品は、サラダやデリ、さらにはミールキットなど、コンビニには珍しいヘルシーな食品が多いのが特徴的。

「本日のミールキット」が記載された看板もかけられていて、コンビニとは思えないオシャレさ。

寿司をはじめとする和食弁当も多く取り揃えられていました。

こちらのアボカドロールの価格は$7.5(約820円)で、サンフランシスコの物価を考えれば、高くも安くもないといったところ。

店員に聞いたところ、これらのヘルシー総菜はAmazon GOオリジナル商品で、店舗に併設されているキッチンで作られているとのこと。

シアトル店では厨房の様子が店の外から見ることができるそうですが、サンフランシスコ店ではキッチンを見ることはできませんでした。

また、食品だけでなく、シャンプーやティッシュなどの日用品や、お土産用に最適なAmazonのロゴが記載されたマグカップや水筒も置かれていました。

ゲートの外には電子レンジが設置されているイートインスペースも用意されているため、購入した商品をその場で温めて食べることも可能です。

イートインスペースには、インスタ受けしそうな壁なんかもあって、どこまでもオシャレ。

(なんだか無性に枝豆が食べたくて枝豆スナックを購入…酒飲み…)

購入方法は?

商品の購入方法は極めて簡単。好きな商品を手に取って店を出るだけです。
天井に付いているカメラ付きセンサーで消費者の行動を把握しているため、レジに並ぶ必要はありません。

欲しい商品を手に取り、入る際に使用したゲートを通り抜けて店を出ると、約10分後にスマートフォンに購入商品と金額が送られてきて、

Amazonアカウントと紐づけられているクレジットカードで自動的に決済されます。

ストレスフリーの買い物体験

日本のコンビニで買い物をするときに最もストレスを感じるのは、会計時。特にオフィスエリアにあるコンビニにお昼時に行くと、店内は多くの人でごった返しており、お茶1つ買うだけでも時間を要してしまいます。

それと比べると、レジがないAmazon GOでは、このストレスを感じることがないため、非常に快適な買い物をすることができました。

また、今回サンフランシスコ店を訪れた際、商品を手にとっては棚に戻すという作業を何度も繰り返しましたが、店から持ち出した商品だけがきちんと決済されていました。

類似サービスとして、中国・深センにある無人コンビニ「Well GO」や「百鮮GO」で買い物体験をしたことがありますが、こちらは購入商品を正確にセンサリングできていなかったり、操作が難しいセルフレジブースがあったりしたため、Amazon Goのサービスは非常にスムーズで正確だと感じました。

↑深センの無人コンビニで水を購入した時の写真

Amazon GOが目指すものとは?

Amazon GOはあくまで「レジがないコンビニ」であり「無人コンビニ」ではありません。実際に店内では、商品補充スタッフ、ゲートに立つ監視員そして厨房スタッフなど、多くの従業員が働いています。

Amazon GOが目指しているのは人件費を削減することではなく、「ユーザーに最適なサービスや快適な買い物体験を提供し、売上を伸ばすこと」であると私は考えます。

その証拠に、Amazon GOでは購入商品だけでなく、店舗滞在時間、更にはユーザーが店内で取った行動に至るまで、天井や陳列棚に備え付けられているセンサーで全てのデータを記録しています。

どの陳列棚の前で滞在時間が長かったか?

どの商品をどのタイミングで棚に戻したのか?

これらのデータをAmazon GOは全て把握しています。データを元にユーザーの行動を分析し、ユーザーにより快適な買い物体験を提供すると共に、購入までのボトルネックを改善し、より多くの商品を購入させる仕組みを構築しようとしていることは明らかです。

Amazon GOは日本のコンビニにとって脅威になるか?

今のところAmazon GOが日本に進出する予定は公表されていませんが、もし進出した場合、日本のコンビニにとって脅威となるでしょうか?個人的には、出店エリアによっては強力なライバルになる可能性があると考えます。

Amazon GO サンフランシスコ店の出店エリア、営業時間(平日限定)、商品ラインナップ、イートインスペースの存在等から、ビジネスマンにカフェやランチスポットとして利用してもらうことをターゲットにしていると推測できます。

そうなると重要になってくる商品は食品で、Amazon GOで取り揃えられている食品を見ると、オーガニックフードを使用したオリジナルブランドのヘルシーな総菜や弁当が多く、健康意識が高い層からの支持を得そうです。

例えば、東京・丸の内のナチュラルローソンの近くなどにAmazon GOが出店された場合、レジに並ぶ必要がない上に、クオリティの高い食品を手に入れられるとなれば、多くのお客が来店するのではないでしょうか。

しかし、センサーや行動解析システムの導入が必要な同店舗は、設立にあたって莫大な費用が必要です。

それに加え、現在はテクノロジーリテラシーが高いビジネスマンが多いエリアにのみ店舗を出店しており、物珍しさから多くの客が来店していますが、もし日本に店舗を展開していった際、ビジネスとして成立するかは未知数です。

今後「Amazon GO」がどのようなエリアに出店していくのか?入手したデータを元にどのようにユーザーエクスペリエンスを改善していくのか?今後の動向に目が離せません。


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