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エンジニアが行うフィールドワークとは?「農業×衛星データ×AI」を軸に事業を展開するサグリならではのフィールドワークをご紹介!

採用担当の山本です。
サグリではエンジニアもフィールドワークを行っており、全国へ出張しております!
今回は、サグリが行うフィールドワークについてご紹介。先日はじめてのフィールドワークに行った仁科さんにもお話を伺いました。

サグリが行うフィールドワークとは?
サグリでは、数か月に1度、地方自治体や農家さんへの訪問、協力会社や関連団体とのコミュニケーションやフィールドワークを行うことについてエンジニアが参加することを推奨しております。
参加をするエンジニアは家庭の事情なども考慮し調整しているので、強制ではありませんが、現場を見ることで発見出来ることを大切にしたいエンジニアの方には、やりがいの持てる環境であると自負しています。

衛星データを活用し、農地の様々な状態をAI解析を行うサグリだからこそ、衛星データをどう理解し、どう扱うかは非常に重要です。

機械学習エンジニアは、教師データの作成や、推論モデルを構築する際や、現地の課題や状況に対して仮説を立てる際には、事業ドメインである「農業」に関する知見やその農地の特性を知っておくことが有効だと考えております。

Webアプリケーションエンジニアも、実際に「アクタバ」や「デタバ」を活用いただいている地方自治体の方などのユーザーからのフィードバックや、現地で実際のオペレーションを拝見させていただきながら、これまで見えていなかった課題を発見することも大切にし、ユーザーの課題に寄り添ったサービス開発を目指しています。

機械学習エンジニアは絶対にフィールドワークに行くべき!と強く推す仁科さん。フィールドワークの意義とは?
是非ご一読ください。

仁科さんは2022年11月に入社されて入社3か月ですが、はじめて出張に行ったそうですね。
12月末に茨城県の境町に行きました。
朝8時に新宿に集合し、田中さんと若林さんとレンタカーで片道2時間くらいですね。
現地で 一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)の方と合流し、畑を何か所か計測する作業を、2~3時間ほど、見学させてもらいました。

どのような計測を行っていたのですか??
計測したのは畑の水分量と、粗度です。
今回は、空から撮った衛星写真で土の中の水分量を計測するモデルをつくるための教師データの取得において、つくったモデルが適合しているか確認するために、実際のデータを現地で取得する作業でした。
そのため、衛星が上空と通り、衛星画像を撮影する日に合わせて行きました。

水分量そのものだけでなく、畑の粗度も計測するのは、同じ水分量でも、地面に大きな石などがありでこぼこか、しっかり耕してあるか、などによってデータが変わってしまうためです。
衛星には、光学衛星とSAR衛星がありますが、SAR衛星では一般的にイメージする写真とは違い、電磁波を衛星から飛ばして、その跳ね返り自体を写真にします。
水分量そのものだけではなく、畑の祖度も計測するのはその電磁波の跳ね返りが地表面の荒さで変わってしまうので、その補正を行うために計測します。

フィールドワークを実際にしてみて、よかったことはどのようなことですか?
ひとつめに、シンプルに畑を見れたことです。
畑は身近なものではありますが、畑そのものをちゃんと見たり、状態がどうか?というところに焦点を当てて観察したりという経験はこれまでありませんでした。

連続して隣接する畑は、一見同じように見えますが、あぜ道を1本、介すだけで高さがちがったり、数メートル離れるだけで水分が多かったり乾いていたりとまったく違います。

「畑」と言われてぱっとするイメージと、今回自分が実際にみた畑にはギャップがあり、そこに着目してみる機会ははじめてでした。

ふたつめは、計測にかかる時間など計測における状況も、解析結果に影響を与えるということに気づきました。
推論モデルを作成するときにはデータの中央値を使いますが、計測自体にも時間がかかる場合があり、例えば5秒で取得できるデータと30分かけて取得するデータでは同じものを測りたい場合も差が出てくることが考えられます。

これはデータを見ているだけではわからないので、今後、機械学習エンジニアとしての業務で何かあったときに「これが影響しているかもしれないな」と自分の中の引き出しとして持てる材料が増えたなと感じます。


作業をする仁科さんと田中さん

畑を観察してみて気づいたことはありましたか?
サグリでは普段、畑単位でデータ解析を行っていますが、一つの畑の中でも場所によって全然違うということが確認できました。例えばですが、畑の半分だけを収穫とかもあり得るということを知りました。

今回のフィールドワークで教えてもらったのですが、お米は収穫したあと、放置していると、残っていた根の部分から豆苗のようにまた生えてきます。

お米を収穫したか、衛星データから判別する場合、NDVIを使って緑被率から判定していますが、収穫後に放置されていた場合に緑色が残ってしまうので判定しにくいな、と思いました。

今回のフィールドワークは12月末で、麦の芽が少し10センチくらい出ているかな、という状況でした。
近くでみると、土も見えていてはげているような感じで生えていますが、遠くからみるとちゃんと黄緑色に見えて、空からの画像ではこの生え方はわからないんだろうなと思いました。

生え始めたばかりの麦

フィールドワークをしてみてエンジニアとして活かせそうですか?
今、業務で推論をしていて、自治体さんから水田台帳をいただき、そこに例えばこのはたけではキャベツ・ねぎ・大根を育てていますというような情報が載っています。
サグリでは衛星データの解析で実際に台帳通りに耕作しているか調べていましたが、今回はじめて自分の目でみることができました。

同じ畑の中で複数種類の野菜をつくっていると聞いて、畝ごとに違う野菜をつくっているのかな、と思っていたら、意外と同じ畝の中で違うものを育てていたり、小さなビニールハウスのようなものが使われていて外からでは何が育てられているのかわからなかったり。
これは衛星データでは判別は難しいな、という実際の状況がわかりました。
また、自治体は使われていない畑・土地が保全管理されているかどうかを管理しています。
保全管理とは作物を育ててはいないものの、害虫わからないように、など管理をされている状態を指しますが、自治体によって定義が違うようです。
実際に保全管理されている畑をみると、枯れたわらが倒れているような普通の空地のイメージで、「保全管理されている畑」とひとことで行っても差が大きすぎるんだろうな、と思いました。

出張にいくことについてはどのようなイメージを持っていましたか?
フィールドワークはやりたいなと思っていた。
私は機械学習エンジニアなので、アプリケーションエンジニアのようにユーザーに接したいというよりは、どちらかというとデータのつくられ方、いつどのように取得され、データとして反映されていくかを見たい!という気持ちがあります。

データをいただく際に定義やデータが意味する内容を書いてある資料を見ても、やっぱりピンとは来ない部分があり、前職でも対象となるサービスにユーザー登録してみて、「あ、このタイミングでデータを取っているのか」と試していました。

今回、前職も含めて出張は初めてだったのですが、出張にいけることがうれしかったですし、実際楽しかったです!
機会があれば違う季節や違う場所に行ってみたいと思っています。
農家さんともお話をしてみたいですし、市町村や大学が一般に公表している情報も、現地に行って実際に見ないとわからないところがあると思います。

行き帰りの道中では先輩社員の田中さんにサグリに入社した経緯の話を聞いたりと、仕事の業務中ではなかなか話せないことも話すことができました。
最近はコロナ禍もあり、なかなか飲み会がないですが、移動時間にコミュニケーションができたことがよかったです!

最後にひとことお願いします!
私は機械学習エンジニアはフィールドワークに行くべきだと思っています。
実際にデータの取得の現場を見ると、わかることが全然違うので、実際に見ることは強くおすすめしたいです!

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