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数学の教科書
私の名前は「啓太」です。「ケイタ」と読みます。
母親が数学の教師をしているせいか、私は理屈っぽい性格で、言葉の由来や、会社名の由来などは結構気になるタイプです。
にも関わらず、
23歳になるまで自分の名前の由来を正式に知ったことはありませんでした。
話は遡ること20歳の頃、大学受験で2浪していた私は、医学部を目指していた4浪目くらいの先輩と仲良くしていました。
受験で東京に行く際、その先輩がお手紙をくれました。
「 いつも一緒に頑張ってきた啓太へ
啓太なら今年は必ず合格するよ。
そしていつの日か、啓太という名前の「啓」の字のように、
『人を良い方向に啓蒙できる』素晴らしい大人になるんだ 」
そう書いてありました。
熱いメッセージに加え、「あ、啓太の由来ってこんな素敵な意味があったんだ」という新しい事実を知れて、なんだか心の底から元気になれました。
そのおかげもあって、見事志望大学に合格。晴れて、早稲田生になることが出来ました。
大学の部活では、名前の由来の如く、持ち前の元気とポジティブシンキングでチームのムードメーカーとして、チームを牽引しました。
「親が望んだ子供に近づけているかな?」
そんな朗らかな気持ちになりました。
大学も3年生になり、いよいよ就活が始まってきたある日、とある企業のエントリーシートに「名前の由来はなんですか?」的な質問がありました。
そこで、「まぁ俺の名前の由来は『啓蒙の啓』って知ってるけど、一応念のために聞いとくか〜」と思い、母親にラインをしました。
するとまさかの答えが返ってきました。
「 由来!?お母さんが1番使いやすかった数学の教科書が【啓林館】ってとこのだったからだよ! 」
まさかでした・・・さすがにジョークだろうと思い、
「 え?周りの人を良い方向に啓蒙できる人間になって欲しいからって意味の啓じゃないの? 」と聞くと、
「 ああ!そんな意味もあるかもね! 」と、『今気づいた』みたいな感じで返してきました。
数年間名前の由来を勘違いしていたこと、そしてなにより名前の由来が「数学の教科書」から取られていたこと、この事実に2時間は落ち込みました。
ただ、私の名前の由来で1番落ち込んでいるのは、母親自身なのかもしれません。なぜなら、私は母親が数学の教師にも関わらず、数学を高2で投げ出して、国語・英語・社会の3教科で大学受験をした、からです(笑)
よく「名前負けしてる」という言葉を聞きますが、まさか自分が名前負けしていたとは思いもしなかったです(笑)
でも、この事実を中学生くらいに知ってたら、さすがに数学はもっと頑張っていた気がしますよ?(笑)
まあ、自分の子供には私の分まで、しっかりと数学を勉強させようと思います(笑)
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