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スイカ賛歌

スイカが好きだ。

スイカがスーパーに並ぶ季節になると、毎日の買い物がちょっとだけ楽しくなる。

今年も、もう4回は食べただろうか。

その味、その形、その匂い、その色、その風情。

すべてが好きだ。

「好きな果物は何?」

って聞かれたら、迷うことなく

「スイカ!」

と答える。

そういうと

「いや、スイカは果物じゃなくて野菜だから。」

って毎回言われる。

かといって

「好きな野菜は何?」

って聞かれたときに(そんなときはあまりないけど)

「スイカ!」

って答えると

「いや、もっと普通な野菜の中で。」

って言われる。

なんでだよ!

じゃあいっそのこと

「好きな食べ物は何?」

って聞かれたときに答えればいいのかもしれないけど、そんなときは大体

「オムライスかな。」

って答えてしまう。

だって、オムライス、美味しいじゃん。

というか、いくらスイカが美味しいといっても、料理と比べるのは分が悪いよ。

スイカは素材そのまま。オムライスはがっつり調理された料理。

オムライスの材料である、生卵、生米、トマト、鶏肉、そのどれと比べてもスイカは勝ってる。

けど、それらが一致団結、しかも調理の後押しをうけてかかってきたら、さすがにスイカといえども勝てはしない。

ただ、スイカは、ありのままで美味しい。

自然界に存在しているそのままの状態で一番美味しいのはスイカ。

間違いない。

そんなスイカはキンキンに冷やして、半月上に大きく切って、カブリとかぶりつくのが良い。

運動したあとやお風呂に入ったあとで、自分の体が熱を帯びているとなおよい。

果実に含んだ甘味と水気と冷気を、勢いよく自分の体内に取り込んでいくのがスイカ食いの醍醐味だ。

荒々しく咀嚼した果肉を、種もろとも飲み込むと、口には爽やかな甘みが広がり、乾いた喉に果汁がしみ込み、火照った胃には涼やかな冷気が満ちる。

最高だ。

キャンプのときに、冷たい川の水につけて冷やしたスイカ。

部活から帰ったあとに、一気に半球を食べ切ったスイカ。

花火を見ながら、好きな人と一緒に食べたスイカ。

今年はどんなスイカに出会えるだろうか。

また夏がやってくる。


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