見出し画像

7月に読んだ本まとめ

おつかれさまです、こーすけです!
毎日うだるような暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

7月は3冊の本を読むことが出来ましたので、まとめていきたいと思います。ネタバレ要素もありますので、悪しからず。

1.カミュ「ペスト」

1冊目は「ペスト」です。かなり前に購入し、そのままの状態だったのですが、
「世界がパンデミックで揺れているいまこそ読むべきなのでは?!」
と感じ、読むことを決意しました。
読んでみて、現実で起きていることと物語内で起きていることとが重なる部分があまりにも多く、目眩をおぼえました。
そして、コロナウイルスの感染爆発という「緊急事態」のなかで暮らしているにもかかわらず、「ペスト」内で起きていることをどこか他人事のように感じている自分がいることに気付きました。

絶望に慣れることは、絶望そのものよりもさらに悪いのである

という一文は、まさにいまの状況を的確に表していると思います。
ペストという未曽有の事態に手段は異なりながらも立ち向かっていく主人公含めた登場人物の描写に胸が熱くなりました。
ただ、翻訳が古いのか難解な言い回しが多く、読むのに苦労しました。最近新訳版が出版されたとのことだったので、それも読んでみようと思っています。

2.ロダーリ「チポリーノの冒険」

宮崎駿監督がお気に入りの岩波少年文庫を紹介する「本へのとびら」という著書のなかで挿絵がかわいらしいと取り上げていたのが本書です。このことを書店に行ったときに急に思い出し、購入しました。
しかし、読んでみて「騙された」と感じました。本書の主題は「ファシズムへの抵抗(レジスタンス)」であり、子供向けとは思えないほどかなりヘビーな内容でした。
レジスタンスというヘビーかつ難解な話題を、本書は軽妙な語り口と個性的なキャラクター、挿絵で子供たちにわかりりやすく伝えています。主要な登場人物が野菜や果物であり、善人にしろ悪人にしろどこか抜けている部分があることも親しみやすさを感じさせています。
著者はムッソリーニ政権下のイタリアで暮らしており、レジスタンス運動に参加しています。彼は別の著書で、

世の中を前進させるのは、他でもなく、順応を拒否する人たちだ

と述べていることがあとがきに記されています。本書はまさに著者の考えを反映した作品といえるでしょう。

3.安部公房「R62号の発明・鉛の卵」

前衛的・SF的な手法を用い、国内外で高い評価を得た著者の初期短編集。
どの作品も昭和30年代に書かれていますが、最近書かれたといわれても信じてしまうほど設定は先鋭的です。
どの短編も面白いのですが、特にお気に入りなのが羊の盲腸を取り付け、完全に草食となった男を描く「盲腸」と、それまで卑劣なものと思っていた事物に命の危険を感じるまでになってしまった「犬」という作品です。難解な描写もありますが、それでもページをめくる手が止まらなくなる魅力があります。

以上、7月に読んだ本でした。貴方は7月どんな本を読みましたか?教えていただけると幸いです。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?