ポッピー

ふと思ったことを誰かに憑依させるように書く人です。

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最近の記事

恋の終わり。

別れようってそんな言葉が言えないまま。 いつしか僕は彼女との関係を続けようと思っていた。 でもそうじゃなかったかかもしれない。 彼女は少し笑って、別れを告げた。 僕と付き合ってて悪いことがあったのかと思う。 そんなこと見当たることもなくて、 考えは夜まで続いてたけど そんなのどうでもいいくらいに 彼女はずっと考えていたのかな。 戻れるならあの言葉とかあの仕草でも やり直せてたら変わってたのかな。 でもそんなこと思ってる自分が恥ずかしくて。 思えば思うほど、君を考え

    • こだま

      「好き」と言ったら「好き」と返ってきた。 「会いたい」と言ったら「会いたい」と返ってきた。 そんなこだまみたいな会話が続いて。 いつからかそれが当たり前になっていて。 共感できる嬉しさがなくなっていった。 当たり前かのように思うようになった。 あなたが最後に言った言葉。 今でも覚えている。 「私はあなたではない」 もう、こだまような会話はなくなった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 時々、寂しさに襲われる時がある。 それはあなたと別れたからだろうか。

      • 後悔

        落ちた桜の花びらも綺麗だと思うように、 別れた後も何故か君を思い出しては綺麗だったと思う。 君から別れを告げたはずなのに、君は泣いていた。 未練は無いはずなのに。 君との写真が消せないままでいる。 あの泣き顔に何か意味があったのだろうか。 その時何か言っていれば何か変わったのだろうか。 そんなことを思えば思うほど、 君との思い出が蘇る。 自分が思っていた以上に君は僕のことを思っていたのだろう。 今になって正解に近いような回答が思いつく。 もう君と2人で会うことは

        • そんな気がするだけの話

          ただ生きているだけじゃダメだ。 そんな風潮がある気がする。 社会に生きているんだから。 どこかの誰かがそんなことを言っていた気がする。 上手く話を合わせなさい。 気を使って行動しなさい。 面白くなくても笑いなさい。 決して誰かに強制されている訳では無い気がする。 でも、それが正しいと思っている自分がいる気がする。 嘘は良くないと言われた気がする。 嫌と思ったら言っていいと言われた気がする。 でも、社会で生きる限りはそれらは役に立たなかった気がする。 正しいことをし

        恋の終わり。

          いつしか大人になったらこの思い出も消えるのでしょうか。 あなたの声や顔、照れてるときに目を逸らす癖さえ。 いつしか大人になったらこの思い出も忘れるのでしょうか。 あなたの大きな手やその感触、おひさまのような匂いだって。 終わらないで欲しい。時間だけがすぎていった。 着ていた制服はスーツになって。上履きもパンプスになった。 ショートカットだった髪もロングで束ねるようになった。 もう大人になった。 振り返れば美化された「青春」だけが手元にある。 思い出は消えたのでしょう

          綺麗な桜

          「桜って綺麗だよね」 緊張でありきたりなことを言ってしまった。 満開とは言い難いような3月の日。 僕はたまたま1人だった彼女に声をかけた。 クラスの中で一軍と言っていいほど目立ってた彼女。 気にならない男なんていなかった。 教室で一人残ってるの珍しいな、なんて考えもせずに。 なにか話さなければと焦ってしまった。 僕の焦りが伝わったのだろう。 彼女は少し笑みを浮かべていた。 「でも、みんなが好きなのは咲いてる桜だよね」 彼女にとっては何気ない一言だったのだろうか。

          ほろ苦コーヒー

          彼はコーヒーが好きだった。 朝にはいつもコーヒー。 深めに挽いたブラックコーヒー。 それがいつもの日課だった。 彼は私の分まで入れてくれた。 初めの頃は苦いコーヒーは苦手だと伝えたことがあった。 「ちょっとした苦味がいいんだよ」 彼は言う。 彼の言葉に納得したのか、 私もコーヒーを飲むことが日課になっていった。 そんな彼と上手くいかなくなった。 原因はほんの些細な事だったように思う。 それが積み重なって、段々と距離を置くようになった。 日課だったはずのコーヒーも飲まな

          ほろ苦コーヒー

          制服と卒業

          明日は卒業式らしい。 なぜだか実感がわかない。 明日で制服も着なくていいのか。 そんなことを思い出した。 制服は嫌いだった。 わざわざワイシャツにアイロンをかけるし、学ランなんてクリーニングに出さないといけない。 そもそも、あんなに着るのがめんどくさいものを毎日着なきゃいけない理由がわからなかった。 でも3年間着た。 もはや嫌だったと過去形になるぐらいこの制服を着てしまっていた。 というか、嫌という気持ちになることが無くなっていたんだと思う。 もうこれが当たり前で普通

          制服と卒業