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「ぴえんもご縁 超えてご恩」な夕べ

協力隊員には首都隊員地方隊員がおります。
国によっては、ほとんどが首都隊員だったり、またはその逆なんてこともあります。職種によっては性質的に首都にしか活動先がないということもあります。

私は地方隊員なので、家の近所にある電話会社の支店ではSIMカードが買えません。携帯電話に限らず、当地では外国人は身分証や名前の表記の問題でこのようなトラブルに直面することがよくあるのです。

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【バスではマスク必須。ターミナルにはマスク売りの姿も】

携帯電話で健康を証明してからバスの切符を買い、ゆらゆら揺られて隣のおマチへ。目指すは大きい携帯ショップ大手銀行。さすがおマチだけあって携帯ショップの男性店員はメイクをしていました。目じりに挿し色を入れるのが最近のトレンドと資生堂の人から聞いていたのですが、「お~これかあ~」と納得。似合っていました。彼は東京と京都に旅行に行ったことがあるそうで、簡単な日本語でのあいさつも。とっさに日本語が出てくるのってなかなかすごいと思います。(コロナ前には省内在住の邦人は両手で数えられる程度、そのほとんどがここからさらに遠くの省都におり、ここに邦人が来ることはほぼ無いはずなのです。)日本語の学費について質問されました。


用事を済ませて、昔の同僚と合流。退職後、この町で会社を経営しているご縁で、おすすめのお店へ連れて行ってもらいました。なんでも広告を出さず口コミだけで人が集まってくる店だとか。

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▲看板メニュー酸湯魚。トッピングは川辺の山菜。

似た名前の酸菜魚は四川の料理ですが、こちらは当地の郷土料理。昔は祭りのときに食べたとか。甕で発酵させた米と毛辣果(トマトの方言)のスープが味の決め手。
最初はスープだけをぐっと飲むのがしきたりのようです。スープ自体は辛くなく、日本酒を思わせるふんわり甘い香りとスキッとした酸味とうまみ。

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▲ 蘸水というタレで味変してもいいです。

料理を運んできてくれた店主の肌艶が驚くほどよく、理由を聞くと「このスープを飲んでいるからよ」と教えてくれました。50歳なのに中学生のように艶々していて驚異的。

当地は水の中にカルシウムなどの成分が多く、それらを中和するために酸味が強い食事が好まれたそうです。そのため「三日酸っぱいものをとらないと、まっすぐ歩けなくなる」という言葉も残っています。
このように風土と発酵が結び付くとわくわくします。多感な時期にもやしもんを読んでいたからでしょうか。

おいしいものと、おしゃべりでお腹いっぱい。このスープは消化を助けるそうで、確かに翌朝はおなかが軽いような気がしました。

気心の知れた元同僚が選んだ社員の皆さんはどこか雰囲気が似ていて、赴任以来最もリラックスした会食となりました。
ご縁に満ちた一日。それではまたね。

※タイトルは浄土真宗本願寺派「永明寺」(北九州市八幡東区)の掲示板よりお借りしました。

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↑協力隊員によるレシピ本。私も寄稿しています。kindleアンリミテッドでもご覧いただけます。

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