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天下人のヘルスケアと国家試験

2020年の健康問題

昨今、世界・日本を揺るがす感染症の問題から「健康と食」が大きく見直されています。

日本人以上に世界の人々のほうが日本の食生活や知恵に関心を持ってきています。

ところで、天下人の「健康・食事の秘訣」とは何でしょうか。

試験、スポーツ、ビジネスでも「パフォーマンスを如何に最良の状態に保つのか」が大きなポイントになります。

特に、プロアスリートに管理栄養士といった専門の食のエキスパートがつくことは珍しくありません。

「食事が病気を防ぐ」

漢方薬で有名な中国では古来から「医食同源」という故事が有名です。

すなわち、「食事が心身を整える医薬に他ならない」という思想です。

目の前にある「技術の向上」だけではなく、より大きな視点から「競技」を勝ち抜くためには、裏方の「健康や食生活にも配慮するバランス感覚」が要求されているのです。

私も柔道家の端くれとして、多くの意識の高いアスリートを見てきました。

やはり、一流と言われている方の「食や栄養、健康」に対する知識・配慮は並外れていました。

健康から見た「試験対策」

もっとも、司法試験・予備試験、大学受験生といった「知のアスリート」でこちらにまで気を配っている方は、ごく少数でした。

難関国家試験、大学受験といった試験は「長期的なビジョン」が欠かせません。

長年、指導に携わっていると「体調を壊した」「鬱になった」「病気になった」という話も少なくありませんでした。

そのほとんどが「食や健康に対する無知」からきているものでした。

アスリートのように、受験生も「合格」という成果を達成しなければなりません。

もっとも、「学問的な知識・試験テクニック」を提供する指導者は多くいても「食と健康」という視点を持ち合わせた方は少ないように思います。

私は茶道家として「養生訓」(江戸時代の健康書)、保育士有資格者として「食と栄養学」を学び、さらには柔道家、司法試験講師として様々な健康管理を実践してまいりました。

「その視点から」天下人という「大成果」を果した偉人から現代への知恵を紐解いていきたいと思います。

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天下人の愛した食事とは?

大坂の陣で豊臣家を滅ぼし、徳川の天下を盤石にした家康は翌年「75歳」で他界しました。

戦国期の庶民の平均寿命が40歳前後の時代でしたのいかに長命かが分かります。

その長寿の秘訣は、すばり『麦飯』と『豆味噌』の食事と伝わっています。

家康は現代でいう健康オタクであり、当時最先端の医学書、薬学書を読みふけり、薬は自ら処方し、高名な医師を招いては議論をかわしていました。

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『豆味噌』ですが、これは、今で言う東海地方特産の「八丁味噌・赤みそ」になります。

これを味噌汁はもちろん、味噌煮、味噌漬けなど調味料としても使い、日常的に食べていました。ちなみに、八丁味噌の「八丁」は三河にあった地名です。

豆味噌が他の味噌と根本的に違うのは、大豆と塩だけで作ることです。

たとえば、信玄の信州味噌や政宗の仙台味噌は大豆、塩、そして米を使うことから米味噌と呼ばれています。

また、大豆100%の豆味噌を味噌汁にして好んで食べていました。

豆味噌には、アルギニンという強壮効果のあるアミノ酸がたっぷり含まれています。また、脳細胞を活性化する天然グルタミン酸、レシチン、ビタミンE、リノール酸も多く、行動型の人間を養成するには最適な栄養素を含まれていました。

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また、「納豆」は、脳の老化を防ぐレシチンや、血中コレステロールの濃度を低下させるサポニンなどが含まれた長寿食でした。

江戸時代初期まではご飯にかけるよりも、味噌汁に入れて食べるのが一般的で、体調を崩した家康にも納豆汁を食べることを勧められていました。

大豆と大豆の組み合わせですから、栄養たっぷりだったことでしょう。

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また、「麦飯」ですが、麦には繊維質が多く、コレステロール・発がん物質を除去し、腸内善玉菌を増やし、ビタミンB1やカルシウムなどが豊富に含まれます。

さらに、麦飯は麦と胚芽の残った半搗き米を混ぜたものなので数多く噛まなければならなかったことから、咀嚼が脳や胃腸の働きを活性化させて、活力の源になったといわれています。

「食べ物はよく噛んで食べましょう」

現代でもよく医師が指摘をしていますが、やはり古来からの知恵は同じようです。

そして、家康はキジや鶴の焼き鳥など動物性たんぱく質も適度に取っていました。

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鳥類の肉には「イミダペプチド」という、現代でも脚光を浴びている疲労回復の栄養素がたくさん含まれています。

さらに、活性酸素を除去して病気や風邪の基となるウイルスを撃退する効果が期待されている成分です。

また、家康は季節外れのもの、冷たいものは食べませんでした。

武士が戦地で食べる陣中食に干し飯があります。

炊いたお米を数日間天日干しして作る保存食で、湯に浸して戻すと食べられます。

ところが、これを家康は焼いて食べました。いたんでいるといけないと考えたのでしょう。さすが天下人、やることが徹底しています。

このように、天下を掌握し、江戸幕府260余年の基礎を築けたのも、食生活に気を配り、晩年まで健康であったからにほかならないといえます。

三河(愛知県)の地方豪族、松平氏の子として生まれた家康は、幼い頃から麦飯を主食にして育ち、生涯、その習慣を変えることはありませんでした。

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その効用か、家康は生涯で16人の子をつくり、最後の子をもうけたのは66歳のときです。

精力に満ち、直系の子が多かったことが徳川幕府を長続きさせる要因にもなったといわれています。

現代の糖質オフの食事法の観点から見ても、血糖値が乱高下する食材は一切、口にしていない素晴らしい食事法と言えます。

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最後に、一般の人よりも戦国期の武士の体の鍛え方が尋常でなかったことも、健康や長寿の大きな原因のひとつではないかと想定されます。

当時の武士階級の知的レベルは相当に高く、健康に関する知識・関心度が現代人と比べて格段に高かったのではないかと思われます。

もしかしたら、個々の体の強さに関して、現代は戦国期よりも大きく後退しているのかもしれません。

まとめ

・麦飯(玄米)や味噌汁(できたら赤味噌)を取ろう。
・納豆を食生活に取り入れよう。
・鶏肉はイミダペプチドが多く含まれている「むね肉」を食べよう
・適度な運動をしよう。

以上の4点に集約できます。

特に、味噌ですが、出汁を取って作るのが面倒な場合でも
「お湯に味噌を溶かして飲む」だけでも十分に美味しく健康的です。

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ぜひ天下人の知恵を活かして、国家試験、大学受験、ビジネスといった
「成果」を成し遂げて頂きたいと思います。

総合コンサルタント(経営・財務・教育・茶道・柔道・健康管理など)
宮崎 貴博


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