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人間観察地点

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人間は観測者なんじゃないかなとたまに考えます。なにを観測するのかわからないですが、それは具体的なものではなくあいまいな『なにか』で、美しい瞬間だったり、かなしさだったり、居てもた…
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「だってみんな生まれてきたじゃん」

「だってみんな生まれてきたじゃん」

誰も悪くない

初めてあった時ものぎたはそう言っていた

雨の降る夏の日、
彼のおかげでみなは悲しまずにすんだ
僕は感謝している

彼はなんだか異質だ
街で見ると世界から浮いている

明らかに風景に馴染んでいない
その背中は少し寂しそうだった

それから週一ぐらいで来るようになった

 ひとつだと思うんだけどなぁ

ある時彼はそう言った

殺したくて殺してるわけじゃ

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いとおかしきにんげん

いとおかしきにんげん

中学の友人の結婚式だった。

見たこともない凛とした表情だった。
なんとも言えない不思議な感覚になった。
一つ言葉を選ぶなら哀しみだった。
彼の苦悩すべてが精算された
そんな風に見えた。

どこからかやってきて人間を演る
その最高潮だった。
人間としてやるべき責務を果たした
そんな風に見えた。

それは彼だったからこそかもしれない。
僕たちの中で多くを一番最初に経験した。
一番最初に挫折して

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ただ救われたくて記憶の糸を辿るように

ただ救われたくて記憶の糸を辿るように

わからないから言葉にしようとしたんだ
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最近、歌もnoteも書けない

いや書いている。
書いては消して
作っては捨てる

自分が読んで聴いて
なにも感じない。
なんの心の動きもない。
文字の記号の羅列だ。

いつからだろう
頭の中でこねくり回すようになったのは。
いつからだろう
いいものを作りたいとか思うようになったのは。

こんなの何の意味もない。

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いつも誰かの赦しを得ようとしていた

いつも誰かの赦しを得ようとしていた

ゆけよ、誰も邪魔はしない
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令和が2年になる時、
僕は韓国の山にいた
名前も知らない山。

セミナーを受けに。
最後の修行のつもりで。

究極すべては遊びである

これが今の僕の世界に対する見解。
しかし生存本能が邪魔をしている。

死の超克

それを求めてこんなとこに来た。

不特定多数の人と長時間いられない。

気づけばそうだった。

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昇らない日はないのに疑ってしまう僕たちは

昇らない日はないのに疑ってしまう僕たちは

死は受け止められないまま

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さだちゃん日の出見に行くよ
ぜっきーに起こされる

はて、なぜ
そうだ、今韓国の山の中にいるのだった

約束はしてないけど行くもんだと思って支度をする

集合場所に行く
眠気眼が集まってくる
みんなでぞろぞろと
山のちょっと上を目指して進む

真暗で日が出る気配はない

全然でないねー
時間間違えた

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名前のない風景がこの脳にだけ

名前のない風景がこの脳にだけ

疲れきった頭で

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日が照らぬ喫煙所は昼間と違う顔をしている。
平生話かけようなどとは思わぬのに話したくなる
「いつもこの時間まで居るんですか」

裁断機が沢山の書類を咥えて動かない
沢山の書類を喰わせたのはわたしだが。

「壊しちゃったんですか」
「いやまだ生きてるはずっす」

その人と裁断機から書類を引き抜く
昼間だったら皆知らぬふりとわたしは決め

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吐くために吸うのか吸うために吐くのか

吐くために吸うのか吸うために吐くのか

吐くため吸うのか吸うために吐くのか

そんなのはどっちでも
ただわかるのは僕たちには循環が必要だってこと

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野北拓希に会ったのは夏の雨の日だった

セミを食べる日、
相方の虫博士が連れてきたひとりだった

集まった十人に対して取れたセミは一匹だった
僕は焦っていた。みんなセミを食べることを楽しみに
来てくれたのにこのままでは食べることができない。

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1と2の狭間で~福岡の離島にて~

1と2の狭間で~福岡の離島にて~

静かなところで自分と向き合おうと思って来たけど
日暮れにたどり着いた渚は波が荒れて静かではなかった

日が落ちきる前に火を起こさねばと海辺の木々をかき集める。

火種は文明の利器ライター。お世話になっております。

一番乾いてて細い木々が集まった場所に向けて着火するけど中々つかない。やっとついたと思えば今度はすごい勢いで燃え上がり重ねた木々が一瞬で灰になっていく。

火がつくころには日は落ちきって

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きっと、人間はかなしいまでに完璧だ

きっと、人間はかなしいまでに完璧だ

動く、それだけで愛しい

プログラムを書いていると1日が一瞬で終わる
動かなかったものが動いた瞬間、
テンションがはねあがる

難問と脳
きっとあの瞬間は脳からなにかがでている
ドーパミンかセロトニンか知らないけれど
パチンコであたった瞬間にきっと似ている
パチンコやったことないけれど

難しくて、複雑で、わからなくて
けれど人間ほどわからなくはない

ちょっと難しい問題を解いているとき
脳はいい

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自由意思がなかったとして

朝目が覚めたらわたしはわたしだった。ちっわたしか。田中がよかった。
しょうがないからわたしはわたしをひきずって今日も歩く。

『意識』というものはなんのために存在しているのか。

哲学的ゾンビ
もしも明日わたしの意識が目覚めなくて、何かの手違いで身体だけが目覚めて外に出たとしても、わたしを知ってくれている人間は「よっ『わたし』」と言って変わらずに接してくれるだろう。そして続け様に質問を投げたり、自

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もし世界がプログラミングでできているなら

もし世界がプログラミングでできているなら

世界はプログラミングでできているかもしれない

3年前ぐらいからだろうかそんなことを考えるようになった

僕たちには見えないけれど、どこかにソースコードが書かれていて、最終的には0と1の羅列でこの世界はできているんじゃないかと。

その時は確か友人にこれおもしろいよと教えてもらって、動画を見ながらJava言語かなにかでゲームを作っていた。

そして本格的にプログラミングに携わることになって、Jav

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ぼくらが感覚を映像で見ていた頃

ぬーから飯いかん?と連絡がきて、大井くん呼んだら来て、あっちゃん呼んだら来て、中学のときの同級生が集まった。

いつもは年末とかお盆とかあらかじめ予定を立てて集まっていたのだけれど、こんな感じでも集まれるんだとなんか新鮮だった。 

ウエストに行ったんだけどお酒が300円と中々良心的なお値段。

帰り道に一緒になった大井くんが少し考えこんだあと話始めた。

-情報が入ってきすぎて頭が爆発しそうにな

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「挑戦しなければ死んでしまう」

「挑戦しなければ死んでしまう」

さださん明日空いてますか?と連絡をもらって20歳になったまさしさんとお酒を呑みに行った。

金銭を持たずに九州を一週したりお金がなくて草を食べたり、幽霊を見るために一人で廃墟に泊まってみたり、鳥人間コンテストをダンボールでやろとしてたり、かなりぶっとんでいる。

20歳になってまわりが大人になっていくことにどうやら揺れているようだ。

彼が伝えたいのはただひとつで、挑戦しなければ死んでしまう、たと

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物理的充足では満足できなかった僕たちは

物理的充足では満足できなかった僕たちは

しょうごさんが今おもしろい

彼は今働かずとも生きられるお金を持っている
働かずとも生存できる状態で人は何をするのか?
というテーマを持った人間として観察している。

物理的な生存が人間の最終ゴールであれば
これ以上なにもする必要がない。
外にでて人と会って給料がでなくても
仕事をする彼は何を求めているのか。

そんな感じのことをぶつけてみると

-生きる意味を求めている。
 探しているというより

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