見出し画像

『三体』の面白さは、まるで“複利”のようだ

「それが、結構、儲かっているのよ」

駆け込みで旧NISAを始めた、実家の母が少し嬉しそうに報告してきました。運用期間はほんの数カ月。それで、+1%ほどの損益です。銀行の定期金利が0.002%のいま、およそ500倍の金利となれば、当然の反応でしょう。

そこで彼女に、私のiDeCoの資産状況を共有してみました。毎月1万円ずつ拠出してきた、17年ものの口座です。その反応は、

「え、こんなに……!? こわ~い」

まあ、無理もありません。なにしろ現状の損益は、+50%ほど。定期金利だけの世界に生きてきた人々にとっては、罪を犯さない限り得られない結果です。

でも、私は知っています。このまま拠出していったら損益はさらに、+100%、+200%と膨らみ続けるということを――。

1927年に1ドルを投資したら、92年後には+5000%超の損益に

複利の力を示した動画

さて、話題のSF長編『三体』三部作を、およそ半年を掛けて読了しました。

その感想はといえば、「はぁ、とんでもないところまで来てしまったな」というもの。そして思ったのです。これはまるで“複利”のような物語だと。

なにしろ、『三体』シリーズは、第一部だけでもかなりの分量。しかし、その面白さは、読み進めるほどに、輪をかけて増えていきます。

さらに第二部・第三部は、それぞれうんざりするほどに分量が増し増し……。ですがその分、倍々ゲームで、指数関数的に、面白さが爆発していくんですよ!

その末に、テーマはなんと、人類が考えうる最大限の領域にまで到達します。一体全体、なんなんだ、この果てしなさは!? 

読後感はまるで、昔に読んだ、手塚治虫の『火の鳥』や山田芳裕の『度胸星』と同じもの。でも、それらを究極的に圧倒しているんです。

『三体』映像化シリーズは、2024年1月からNetflixで配信予定。一日千秋の思いで待つほかありません。


※こちらはBusiness Insiderのメルマガ(無料)用に用意したコラムです。私は水曜担当になっておりますので、もしよろしければ、こちらのリンクからお申し込みを!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?