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【小説】SNSの悪夢


ドラマの撮影もあり、SNSを見ている暇は無くなった、時間が経つと興味が無くなってしまう人間もいるから、期待していた。

期待って奴は何時も裏切るようになっているらしく、言い訳をしていないからいけないのか、何を言っても聞かないのか、どちらかと言えば後者の方がSNSには多いのだ。

ただし他に大きいニュースが有ると、不倫なんてどうでもいい事は吹き飛ぶ、人は誰かの不幸により興味を持つ、悲しい事態だ。

事件や事故が少ないからか、何よりも不倫が悪いと思っているのか、汚い言葉が行列を為している。

人に言ってる暇が有ったら自分を見つめ直したらいいって言葉を、あいつ等に言っても届かないんだろうな。

また来ている、不倫をののしるDMだ、お前はそれ程暇なのかと言いたくなるが。言っても頓珍漢な答えが返ってくるのだろうな。

ほーと溜息を付きながら、自分に対する罵倒を見ている、これがいつまで続くんだろう、社長はまだ記者会見を開かない。


今日もお客様に叱られる、そんな思いで仕事をしていると、誰かに怒りを仕事の昼休みは食べ物を食べるだけじゃなくて、私はSNSをしなければならない。

キラキラでも優雅でもない私が、自分で発信するのは難しい、人の発信に怒りをぶつける。

社会の底辺で馬鹿にされている私には悪い奴に文句を言う権利がある、スーパーでは私が問題なく仕事をしていても文句を言う奴がいっぱいなんだから、それくらいは許されるでしょ。

休み時間には直ぐに携帯を見る、やっぱりあった不倫の奴の発信、これは無い言っても良いと思う、だって記者会見もしてないから、言い訳出来ないんだよね。

今日もここに書いてやろう、どうせ誰が書いたかって解らないんだから、何言っても良いよね。

短い昼休みに書くには早くなければ、何時もの軽い気持ちで急いでそこに書き入れる。


あなた不倫しているのに開き直っているのは何?普通は謝ったりするもんでしょ、人として問題が有るんじゃ無いのかな、奥さんはなんて言っているの、泣いているんでしょうね。

当たり前のようにドラマやテレビに出ているけど、あんたなんか出れなくしてやる、テレビ局に見たくないって言ってやるんだから。

(書くとちょっとだけ気が晴れて、今日の午後も仕事頑張れそうだ、きっと今日も米つきバッタみたいに頭を下げるんだろうけどな。)


あんた、俺が不倫してるって確証は有るのか無いだろう、雑誌やネットを鵜呑みにして攻撃してくるが、俺は何もやって無いんだからな。

反論は誰も見て無かった。






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