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記憶の祠

トントン

ドアを叩いてみる時がある

随分前に閉じてしまった

気持ちの扉だ

私しか知らないその扉は

過去に置いてきた記憶の祠だ

スッと開いてみると

過去の気持ち達が

半分頭を土から出して埋もれている

土を手で掬って

掘り出してみても

そこには朽ちかけの心の欠片があるだけだ

そこが苦しくても

そこが悲しくても

そこには放り捨てられた自分しか無くて

もう少しで土に還るのだ

扉の中の土に


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