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末永くご一緒に

「トメさん、誕生日おめでとう」
「あらまぁ、ありがとう」
「こういう時、若い頃はケーキでも食べたものだけどねぇ。この頃すっかり、食べられなくなって」
「ははは、私もよぉ」

ゴトリ。

「おい、トメさん。待たせたな。ほら、花を見繕ってきたぞ」
「あらぁ、トシさん。すまないねぇ」
「あんた、菊の花が好きだったろ。白と黄色の」
「ほんとに、よく覚えておいてくれて」

シュッ。パチパチ。

「ちょっとここで一服、失礼」
「ああ、どうぞどうぞ」
「トシさんは相変わらずねぇ」
「私はね、昔は煙なんて嫌だ嫌だ、と思ってたのよ。それがねぇ、ここに住み始めてから、案外いいもんだなと思い始めたわ」
「そりゃ、ここは全館喫煙だから、慣れたもん勝ちってもんよ」

モクモクモク……

「しかし、良い時代になったもんだねぇ。こうして今でも近所づきあいができるなんて」
「本当に、遠くの親類より近くの他人とは言うもんだわ」
「ああ、わしらはこれからもずっと一緒じゃな。この地下マンションで」「まだまだ末永く、よろしくお願いしますよ」

「では改めて。トメさん、百八十一歳の誕生日おめでとう」

いつまでも、気の置けない仲間とともに。
やすらかな、いえ、賑やかな永遠の時をお約束します。

永代供養マンション、第二期受付中。
お早めにお問い合わせください。

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