自分に○をつける。
先日、あるオンライン企画でインタビュアーを務めた。
終わった後、主催者の方から「素晴らしいインタビューでした」というメッセージが送られてきた。その瞬間、心の中で「そんなことない。どうせお世辞でしょ」と反発している自分がいた。
今日のインタビューは失敗だった。いろいろうまくいかなかった。私は「あーあ…」とため息をついて天を仰いだ。やり直せるならやり直したい。もっと上手くやれたはずなのに…。ネガティブな思考のループにはまって、どんどん気分が悪くなっていく。
まただ。またこの感じ。世界と自分が分離して、一人で谷底に落ちていくような感覚。前にもこの気分を味わったことがある。
何かにチャレンジした後、必ず頭の中で自分を批判する声が鳴り響く。「上手くできなかった。失敗した。もっとああすればよかった。こうすればよかった。ああーー、もう全然ダメ! 恥ずかしい」
誰かの褒め言葉を素直に受け取れないのは、自分で自分を認めていないから。私が私に✖をつけているから、誰かに「良かったよ」と言われても素直に喜べない。
同じようなシチュエーションで、同じ感情が湧いてくる。何度これを繰り返しているんだろう。
苦しい…。苦しい…。この思考が苦しい。
自分をジャッジして、ダメ出しして、自分を責める。
この思考が苦しいんだ。
涙がこぼれる。
もういい加減、この苦しさから抜け出したい。
もうこれ以上、自分を責めたくない。
じゃあ、どうしたらいい? どうだったらいいの? と問いかける。
「私は、私を認めたい。私は私を素晴らしいと思いたい」という声が自分の中から聞こえてきた。
じゃあ、「素晴らしいインタビューでした」という言葉を素直に受け取ってみたら?
ためしに自分の中でゆっくりとその言葉を反芻し、味わってみた。
涙がとめどなくあふれ、肚の中からぐわーっと何かが込み上げてきた。気づいたら私は1時間以上、嗚咽していた。
そっか。私はずっと私に認めてほしかったんだ。ごめんね。いつもダメ出しばかりして。何をしても、「こんなんじゃダメ。あそこがダメ、ここがダメ」と思ってた。いつも自分に✖をつけていたんだ。だから、何をしても心から楽しめなかった。
仕事を頑張っていたのも、ライターになったのも、結局、誰かに認められたいからだった。誰かに「すごいね」って言ってもらいたかった。でも、一番認めてほしかったのは、一番褒めてほしかったのは、他の誰でもない自分だったんだ。
「今まで、責めてばかりでごめんね」私は、泣きながら自分の中の小さい自分を優しく撫でた。すると、小さな私が「私、今まで頑張ってきたよ」と言った。
うん。頑張ってきたよね。知ってるよ。よく頑張ったね。
涙がとめどなく溢れた。今まで蓋をして閉じ込めていた苦しみを吐き出すように、私は布団の中で声を上げて泣き続けた。
「今の自分を認めてあげよう。今まで私がやってきたことをちゃんと認めてあげよう。今まで頑張って生きてきた。それだけで十分だよ。私の人生は、十分素晴らしいよ」
誰かと比べたり、理想の自分と比べて落ち込むんじゃなくて、今の私に○をつけてあげよう。
素晴らしい私になるために頑張るんじゃなくて、私は「今の私が素晴らしい」と思いたいから。
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