2024/4月第三週のゾンビ論文 正当防衛の法文はゾンビ!?

本物のゾンビについて書かれた論文を探すべく、Googleスカラーのアラート機能を使い、ゾンビについて書かれた論文を収集している。

アラートの検索条件は次の通り。

  1. 「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network

  2. 「zombie -firms -Chalmers -xylazine -biolegend -DDoS」(取りこぼし確認用)

「zombie」をキーワードにゾンビ論文を探しているのだが、比喩としてゾンビを使う論文も多いため、「-◯◯」で比喩としてのゾンビを扱うが論文を排除している。排除したいゾンビや論文は、以下の通り。

  • 「-firms」:ゾンビ企業

  • 「-philosophical」:哲学的ゾンビ

  • 「-drug」:ゾンビドラッグ

  • 「-network」:情報科学系の論文ならなんでも

  • 「-DDoS」:ゾンビPC

  • 「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬

  • 「-gender」:ジェンダー学系の論文ならなんでも

  • 「-narrative」:ゾンビ映画・小説などの評論

検索条件1には一般性の高い排除キーワードが含まれているため、それらが不必要にゾンビ論文を排除していないかを条件2で確かめる。

今回、4/15~4/21の期間で収集し、以下の通りの論文を得た。

  1. 「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network」八件

  2. 「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS」九件(検索条件1の内容を含めると17件)

検索条件1は書評が二件、物理学、法学、評論、哲学、文学、獣医学が一件ずつだった。


検索条件1「zombie -firms -philosophical -drug -biolegend -gender -narrative -network」


二原子分子を​​用いたパリティと時間の反転を破る物理学の探究

一件目。

アラート日付:4月15日
原題:Probing parity- and time-reversal violating physics with diatomic molecules
掲載:55th Annual Meeting of the APS Division of Atomic, Molecular and Optical Physics
著者:David DeMille
ジャンル:物理学

私は一応、物理寄りの工学で博士号を持っているものだから、タイトルが何を言っているのか理解できる。説明しろと言われると無理だが。

zombieの単語は次の文章で出てくる。論文ではなく学会発表で、そのアブストラクトしか公開されていない。

The small energy spacing between opposite-parity levels in molecules enhances their sensitivity to parity-violating (PV) effects. This talk will discuss experiments that leverage this enhancement for several distinct purposes. In the ZOMBIES experiment, we seek to measure the strength of hyperfine-like PV effects that are depend explicitly on the direction of a nuclear spin. These effects, associated for example with a nuclear anapole moment, arise within the Standard Model (SM) and conserve time-reversal symmetry (T).
(分子内の反対パリティ準位間のエネルギー間隔が狭いため、パリティ違反 (PV) 効果に対する感度が高まります。この講演では、この機能強化をいくつかの異なる目的に活用する実験について説明します。ゾンビ実験では、核スピンの方向に明示的に依存する超微細構造のような PV 効果の強度を測定しようとしています。これらの効果は、核アナポールモーメントなどに関連しており、標準モデル (SM) 内で発生し、時間反転対称性 (T) を保存します。)

同発表より

準位間エネルギーとか超微細構造とか懐かしいなあ…。私は束縛電子の準位しか扱っていなかったからよく知らないが、分子の準位はパリティにも依存するらしい。で、そのパリティ違反効果?とかいうのを、磁気か何かで増幅させて?分子内の反対パリティ準位エネルギーの間隔を広げる…?とか?

引用部分の"ZOMBIES experiment"は、zombieが大文字であることから察せられるが、頭字語である。下記のMITの資料によれば、イェール大学に「ゾンビ実験」設備があるらしい。

https://web.mit.edu/panic11/talks/tuesday/PARALLEL-3G/4-1430/cahn/474-0-PANIC2011_II.pdf

その実験設備とは、Zeeman-tuned Optically prepared and detected Molecular Beams for the Investigation of Electro weak effects using Stark interference(シュタルク干渉を用いた電弱効果の研究のための、ゼーマン補正された光学的調整・検出された分子線)。ほぼ理解不能だが、ま~~~~~…電磁気ビームを使って分子のエネルギー準位を分裂させて、どうこうする装置なのだろう。

ともかく、頭文字をとってZOMBIESである。

いや、無理があるだろ。

ジャンルは物理学。


危機一髪:中国で不安を感じている

二件目。

アラート日付:4月18日
原題:On the Edge: Feeling Precarious in China
掲載:The China Quarterly
著者:Hui Faye Xiao
ジャンル:書評

『On the Edge: Feeling Precarious in China』という本の書評。書評の内容は不明だが、Googleアラートのメールによれば、zombieの単語は“zombie citizenship”(ゾンビ市民権)という文字列で現れる。

The term “zombie citizenship” is coined to describe their “civic nonpersonhood” and liminal existential conditions (xiv).
「ゾンビ市民権」という用語は、彼らの「市民的非人格性」と限界的な生存条件を説明するために造られました。)

同論文より
(引用はGoogleアラートのメール本文)

本に書いてあるのか、書評で初めて語られる言葉かは不明。


家庭内暴力事件における正当防衛の法的メカニズムの発動過程の分析的検討

三件目。

アラート日付:4月19日
原題:Analytical Examination of the Activation Process of the Juridical Mechanism for Legitimate Self-Defense in Cases of Domestic Violence
掲載:Journal of Education and Educational Research
著者:Ruibing Xing
ジャンル:法学

論文の内容はタイトルの通りで、正当防衛発生のメカニズムを法律解釈的に思考したもの。物理学や法律の論文はタイトルに内容がそのまま書いてあるから助かる。

zombieの単語は"zombie clauses"と"zombie system"という文字列で出てくる。それぞれ、「ゾンビ条項」と「ゾンビ機構」と訳せる。systemはそのままシステムでも良いのだが、機構とした方が法律っぽく聞こえる気がしたのでそうした。"zombie system"が出てくる文章を下に引用する

The activation of a legal system, typically with the self-defense system as an example: The "zombie system" label attached to the self-defense system is mainly due to a series of challenges it faces in practice, limiting its function and effectiveness. These challenges include vague legal definitions, inconsistent judicial interpretations, and inadequate law enforcement.
(法制度の発動、典型的には自己防衛機構が例に挙げられます。自己防衛機構に貼られた「ゾンビ機構」というレッテルは、主に、実際に直面する一連の課題が原因であり、その機能と有効性が制限されています。 これらの課題には、曖昧な法的定義、一貫性のない司法解釈、不適切な法執行などが含まれます。)

These factors collectively lead to the self-defense system becoming "zombified", where it exists within the legal system but performs poorly in practice.
(これらの要因が重なって、自己防衛機構が「ゾンビ化」し、法制度の中に存在するものの、実際には十分に機能しないことになります。

同論文より

引用から省略した部分も考慮に入れると、正当防衛は法律の中で認識こそされているものの、その存在・解釈が曖昧であり、ゆえにケースバイケースで正当か否かを判断されることが非常に多く、形骸化しているということだ。それを「存在はしているが、実質死んでいるようなもの」と考え、「ゾンビ条項」や「ゾンビ機構」と呼ばれているのだろう。

この論文では、ゾンビ化してしまった正当防衛条項を、家庭内暴力をケーススタディとして調査・研究している。正当防衛を「生きた条項」へ戻すことができるのか、結論が出たかは知らない。アブストラクトや結論部を読んだ限りでは、まだまだ調査研究が必要とまでしか書いていないようだが。

ジャンルは法学が良いだろう。


認識論的バンカーからの執筆

四件目。

アラート日付:4月19日
原題:Writing from the epistemological bunker
掲載:After the endという本
著者:David L. Pike
ジャンル:評論(文化的批評)

世界の破滅を描いたフィクションから、固定観念や未来への想像力を学ぶ方策を説く論文。ゾンビ小説も扱っているようだ。アブストラクトからはその程度しかわからない。

ジャンルは評論。細かくは…文化的批評か。様々な観点が入り混じっているように見えるので、ひとつに限る必要もない気がするが。


DJ ペル博士による解説:A. アミグド博士著「インテリジェント マシンの時代: 特異点、効率性、そして存在の危機」

五件目。

アラート日付:4月20日
原題:Commentary by Dr D J Pell on: ‘The Age of the Intelligent Machine: Singularity, Efficiency and Existential Peril’, Dr A. Amigud
掲載:Philosophy & Technology
著者:David Pell
ジャンル:哲学?

アブストラクトも読めず、Googleスカラーのアラートメールのプレビューにもzombieの単語が見つからなかったため、どうしてアラートに引っ掛かったのかわからない。掲載誌名からすると哲学で、「インテリジェントマシン」というタイトルから推測すると、哲学的ゾンビを扱っているように思う。

タイトルの通り、A. Amigud博士による論文"The Age of the Intelligent Machine: Singularity, Efficiency, and Existential Peril"をD. J. Pell博士が解説するという論文である。元の論文を以下に貼っておく。

こちらのアブストラクト第一文を引用する。

Machine learning, and more broadly artificial intelligence (AI), is a fascinating technology and can be considered as the closest approximation to the Cartesian “thinking thing” that humans have ever created.
(機械学習、そしてより広範には人工知能 (AI) は魅力的なテクノロジーであり、人間がこれまでに作成したデカルト的な「思考するもの」に最も近いものと考えることができます。産業革命が新たな精神を必要としたのと同じように、インテリジェントマシンの時代は独自の精神を生み出し、確立された道徳的、経済的、政治的前提に挑戦するでしょう。)

Philosophy & Technology掲載
Alexander Amigud著
"The Age of the Intelligent Machine: Singularity, Efficiency, and Existential Peril"より

『デカルト的な「思考する者」に最も近いもの』というのはいかにも哲学的ゾンビを思わせる表現だ。しかし、ちょっと検索してみたが、こちらの論文にはzombieの単語が含まれないようだ。今年4月頭に出版されたにもかかわらず、私のアラートチェック記事に入っていないことからも、それは裏付けられる。であれば、Pellの解説論文で初めてzombieという単語が出てきたことになる。となれば、やはり哲学的ゾンビの意味で使われたと考えるのが自然のはずだ。


ゾンビの二つの特徴

六件目。

アラート日付:4月21日
原題:Zombie Double Feature
掲載:Bryant Literary Review
著者:Keith Kopa
ジャンル:文学

ゾンビを題にした詩。私は詩の読解ができないので、これ以上は立ち入らない。ジャンルは文学としたが、単純に「詩」でもいいかもしれない。


ゾンビジカの病気が蔓延しており、科学者たちはそれが人間に飛び移る可能性を懸念している

七件目。

アラート日付:4月21日
原題:Zombie deer disease is spreading and scientists are concerned that it could jump to humans.
掲載:The Conversation
著者:Samuel J. White と Philippe B. Wilson
ジャンル:獣医学

鹿がゾンビのようによだれを垂らし、ぼんやりとした目でよろよろと歩く病気である「ゾンビ鹿病」が北米で広がっており、人間も危ないと喚起するニュース記事。ゾンビ鹿病は、名のごとく鹿に特有の病気だが、人間にも感染し、細胞内で増殖する可能性があるとのこと。

ゾンビ鹿病は"chronic wasting disease (CWD)"とも呼ぶらしい。日本語で「慢性消耗病」。ゾンビは慢性的に消耗(=体力や気力を使い果たしている)している、と。なるほど、いい理解かもしれない。カフェイン多量接種者やドラッグ常用者が、なぜゾンビに喩えられるのか? それは慢性的に消耗している(ように見える)からなのだ。今後、人間が見た目からゾンビに喩えられる場合、「慢性的に消耗している」ように見えるかどうかに注目してみよう。

ジャンルは獣医学。


デジリー・S・エヴァンス編『黒人少女はこの中で生き残る』 

八件目。

アラート日付:4月21日
原題:The Black Girl Survives in This One ed. by Desiree S. Evans (review)
掲載:Bulletin of the Center for Children's Books
著者:Quinita Balderson
ジャンル:書評

『The Black Girl Survives in This One』というホラーオムニバス小説の書評。ゾンビが出てくる小説が収録されているらしい。



検索条件2「zombie -firms -xylazine -biolegend -DDoS -Chalmers」

上記の条件でねらいのゾンビ論文を誤って排除していないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬、ゾンビPC、哲学的ゾンビは排除されるように設定してある。

アンヌ・ド・マルケンの『それは永遠に続く、そして終わる』

アラート日付:4月15日
原題:Anne de Marcken's It Lasts Forever and Then It's Over.
掲載:EBSCO Connect
著者:John Domini
ジャンル:書評

「-narrative」で排除。Anne de Marcken作の"It Lasts Forever and Then It's Over"の書評。ゾンビが出てくる小説らしい。


…オブ・ザ・デッド: リゾンビ、先住民に基づいた伝染病へのアプローチ

アラート日付:4月15日
原題:…of the Dead: The Rhizombie, An Indigenous-Informed Approach to Contagion
掲載:Dalhousie Universityに提出された博士論文
著者:Krista Collier-Jarvis
ジャンル:評論

「-drug」および「-gender」、「-narrative」、「-network」で排除。フィクションに出てくるゾンビが多様化している事実を取り上げ、ゾンビがそのように多様化したのは資本主義や気候変動、人種差別に植民地主義、政治不信や、直近では伝染病への恐怖があると主張している。そういった絡み合って生まれたゾンビを、著者はrhizombieと定義している。"rhi"ってなんだろうか。

非常に興味深い。私も同じことを考えており、時間をとってアメリカと日本におけるゾンビや幽霊、霊魂と言った不死者への見方の違いが、文化や死生観の違いに影響を受けているかどうか調べようと常々思っていたからだ。アラートチェックも時間をとるし、そもそも労働時間との折り合いが難しいのでできずにいるが…。

この論文を読めば確かに勉強にはなるが、200ページ超の英語論文を読むのはかなり気合がいる。日本語でも中々難しい。いや、印刷してじっくり読めばできないことはないのだが、どうしたものか…。印刷だけしておくか?

また、この論文の著者によるコロナとフィクションとの論考がDalhousie Universityに掲載されていた。論文を理解する一助にもなるし、普通に面白かったので、興味があれば読んでいただきたい。


消えゆくユートピア:キューバのスペキュレイティブ映画における革命的理想の批判的解明

アラート日付:4月15日
原題:Fading Utopias: The Critical Unveiling of Revolutionary Ideals in Cuban Speculative Cinema
掲載:Recent Research Advances in Arts and Social Studies
著者:Santiago Juan-Navarro
ジャンル:評論

「-philosophical」および「-narrative」で排除。キューバを題材にした映画を題材にした評論。その中で『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド』という映画を引き合いにして、革命的理想がどのように描かれているか解明している。


ゾンビケモインフォマティクス: 化学文書からの Wiswesser Line Notation (WLN) の抽出と変換

アラート日付:4月18日
原題:Zombie cheminformatics: extraction and conversion of Wiswesser Line Notation (WLN) from chemical documents
掲載:Journal of Cheminformatics
著者:Michael Blakey と Samantha Pearman-Kanza、 Jeremy G. Frey の三名
ジャンル:化学情報学

「-drug」で排除。まず、「ケモインフォマティクス」よばれる化学情報学という領域がある。Wikipediaのページがあったから読んでみたがいまいちわからない。次に、Wiswesser Line Notation(Wiswesser線記法)という化学式の記載方法があり、ベンゼン環を六角形で描いたりポリマーをジグザグ線で描いたりするといった高校化学で習う化合物の図形的表記法を、アルファベットと数字の組み合わせで文字列として落とし込むものらしい。正規表現みたいで面白い。

図形的表記法の方がわかりやすいが、WLNを使うと化学式を文章に落とし込むことが可能になり、データベースへの保存・読み取りが簡単になる。しかし、この論文によればWLNはほかの表記法に取って代わられていくらか経った古い表記法であるらしい。なぜ「ゾンビ」ケモインフォマティクスなのか論文中には明言されていないが、おそらくは古く埋もれてしまったデータを復活させることが死者の蘇りをイメージさせたのだと思われる。


良心の場:場所、記憶、そして脱制度化プロジェクト

アラート日付:4月18日
原題:Sites of Conscience: Place, Memory, and the Project of Deinstitutionalization
掲載:このタイトルの本があり、その第一章
著者:Robin Kearns と Graham Moon、 Gavin Andrews
ジャンル:歴史学?

「-philosophical」および「-drug」、「-gender」、「-narrative」、「-network」で排除。障碍者などの虐げられてきた人間の苦しみの歴史をひも解く本? "zombie bride"(ゾンビの花嫁)という文字列が見つかった


ジェーン・オースティンと吸血鬼

アラート日付:4月18日
原題:Jane Austen and Vampires
掲載:このタイトルの本がある
著者:Eric Parisot
ジャンル:評論

「-narrative」で排除。ジェーン・オースティンといえば『傲慢と偏見』。『傲慢と偏見』といえば『傲慢と偏見とゾンビ』。もう「-Austen」を排除キーワードとして採用しようかな。


シェイクスピアの向こうへ

アラート日付:4月18日
原題:Beyond Shakespeare
掲載:このタイトルの本がある
著者:Iris H. Tuan
ジャンル:評論

「-gender」および「-narrative」、「-philosophical」で排除。シェイクスピアといえば『ロミオとジュリエット』。『ロミオとジュリエット』といえばゾンビ版ロミジュリこと『ウォーム・ボディーズ』。人間とゾンビという身分の違いが描かれ、人間の女ジュリーとゾンビ男「R」(=Romio)の恋物語である。


デビッド・マキニス・ギル作『ゾンビ・トレイン』(書評)

アラート日付:4月21日
原題:Zombie Train by David Macinnis Gill (review)
掲載:Bulletin of the Center for Children's Books
著者:April Spisak
ジャンル:書評

「-narrative」で排除。タイトルそのまま。David Macinnis gill作の『Zombie Train』の書評。表紙を見る限り絵本っぽい


時間と文章を超えたジェーン・オースティンのシャーロット・ルーカスの不安定な存在

アラート日付:4月21日
原題: The Precarious Existence of Jane Austen's Charlotte Lucas Across Time and Text
掲載:International Conference on Gender Research
著者:Olgahan Baksi Yalcin
ジャンル:評論

「-gender」および「-narrative」で排除。ジェーン・オースティンだ。ということは、『傲慢と偏見とゾンビ』だ。ジェンダー的観点から『傲慢と偏見とゾンビ』を読み解くらしい。



最後に

検索条件1は書評が二件、物理学、法学、評論、哲学、文学、獣医学が一件ずつだった。

何だこの量は。3月は週に二三回だけチェックで足りた上に、一件/日程度と非常に楽だったのに。しかもジャンルが幅広い。物理学からZOMIBES実験設備、フィクションでゾンビ市民権、法学からはゾンビ条項にゾンビ機構、後はフィクション内のゾンビやゾンビ鹿病、哲学的ゾンビ。検索条件2からも、rhizombieとゾンビケモインフォマティクスが参戦した。いや、何なんだ、この量は。

このうち、どれだけがまた会うことがあるのだろう。ZOMBIE実験はなさそうだ。ゾンビ市民権はあるかもしれない。というか、意味までは理解できなかったからぜひともまた会いたいところだ。ゾンビ条項やゾンビ機構はどうだろうか。ないとは言い切れない。有名無実の法律など探せばたくさんありそうだ。内乱罪とか。rhizombieは一回限りで、ゾンビケモインフォマティクスもどうだろう…?

この記事を書くのに結構な時間を費やしたのだが、ほとんどは可能な限り定義を調べて記載しただけ。面白くない。唯一面白いと言えるのはゾンビ条項orゾンビ機構くらいか。おそらく、日本の法律が「ゾンビ化」していたら、それは単に有名無実や「形骸化」と表現されているはずだ。「形骸」という単語からは中身を失って骨だけになった骸骨が連想される。一方で「ゾンビ」は肉体もそのままだが魂や精神が抜けている様子を指す。これは本質が肉体と精神のどちらに宿っているかの違いであり、英語圏と日本の文化の違いに由来すると、私は確信している。と、常日頃から考えていて、まとまった記事にしたいのだが、中々考えをまとめる時間も調べる時間も確保できていない。いつかやりたいものだか。

今回はねらいの論文がなかった。


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