ニーズを読み解く
社内で開発メンバーと話していると
「ユーザーサイドの意見を聞いて、それを取り入れる」みたいな意見を耳にする機会が増えてしまっています。間違いではないのかもしれません。顧客目線でのサービス開発は必要なことだと思います。
ただ、問題なのが言われたことを鵜呑みにしてしまうことです。最近また開発と揉めたんですが(よく揉めます)、あるユーザー意見を気がついたときには、すでにシステムの標準化に入れていたことを知りました。良かれと思ってしたことのようですが、大喧嘩です。
当然、開発サイドの一存で決めて入れてしまったことも問題ではありますが、一番の問題は、言われたことをそのまま組み込んだことでした。
アメリカの自動車会社フォードモーター創設者、ヘンリーフォード曰く、
もし顧客に彼らの望むものを聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えただろう
ヘンリーフォードは、ライン方式における自動車の大量生産を実現させた後援者で、アメリカの中流家庭に自動車を浸透させた立役者の一人です。
彼の言葉にあるように、顧客の言ったことをそのまま彼らがしていれば、ただの自動車の性能に拘った技術を他社と争い、上流階層の購入するような高額自動車を作るに至り、場合によっては時代に埋れていたでしょう。
営業をしていると顧客は、自分が何が欲しいかわかっていないことが多々あります。
業務改善のための自動化みたいなものに興味を持ち、AIというワードに踊らされている経営者も少なくないと感じます。
紐解いていくと、なんでそれが欲しいのか、にたどり着くと選択肢は山のようにあったりします。
営業の仕事は売上や利益などありますが、営業のソリューションにおける醍醐味はニーズを作ることです。今の営業といわれる仕事はソリューションに代わり、営業というワードを使わない会社も出てきています。
松下幸之助の言葉で、
無理に売るな
客の好むものを売るな
客のためになるものを売れ
とあります。
私の営業信念の核にもなる部分にも影響を与える言葉です。
顧客に言われたものを売って何が楽しいのか?と社内で喧嘩したこともありました(若気の至りです)。
相手の言葉を鵜呑みにせず、ユーザーのためになるものを作り提案するのが、ユーザビリティです。顧客ニーズの意味をもう少し社内で浸透させる必要があると感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?