見出し画像

ちょっと覗いてみませんか?〜抗がん剤の点滴の日〜

わたしは外来で抗がん剤の点滴 (化学療法) をしてもらっている。

リクライニングシートに座ってゆったり約3時間、点滴を受けるのだ。


朝イチで採血してもらって、その後に婦人科の診察を受ける。

採血結果や朝測った体重や体温、血圧などをもとに、お医者さんがその日に抗がん剤の点滴をしてもいいかどうかの判断をくだす。

お医者さんからのOKサインが出て、はじめて点滴を受けられるのです。


昨日も主治医から「抗がん剤の点滴をして大丈夫です」というお話をしてもらえたので、“化学療法室” という外来の抗がん剤の点滴をしてくれるお部屋に行った。


化学療法室で受付を済ませ、わたしはコンビニにお昼ごはんを買いに行った。抗がん剤の点滴中にお昼ごはんを食べるために、あらかじめ買っておくのです。

化学療法室で受付をしてから、抗がん剤の点滴を実際に受けるまでの待ち時間が意外と長い。

外来で初めての抗がん剤の点滴のときは、すごくびっくりした。受付をしてから2時間15分待って、ようやく点滴を受けられたのだ。ちょっとした某遊園地のアトラクション待ちをしているかのようである。


わたしが化学療法室を利用しはじめて、もう1つびっくりしたことがある。

正直、がん患者さんのことは見た目では何もわかりません。
もしかしたら吐き気で苦労している方かもしれないし、うつの方もいるかもしれない。ひとりひとりの物語があるわけで、わたしが勝手なことは言ってはいけないのかもしれない。

がん患者さん一人ひとりの背景は別として、わたしがあくまで見た目だけで判断して驚いたことは、エネルギッシュな感じの方がとても多いことだった。

今までほんの数回とはいえ化学療法室を利用してきたけれど、利用者の方々は動きも機敏で話し方もものすごくハキハキしている方が多かった。

髪の毛が薄くなったりなくなったりしていて、帽子を被っている人もいるけれど、そういったこと以外の見た目で判断した場合、“がんだとは到底思えないな...”ということが大きな印象に残っている。

「がん患者さんは見るからに弱っている」という固定観念がわたしの中にはあった。でも実際にがん患者さんに囲まれて点滴をしていると、違う光景が見えたのだ。


点滴を受けながら、患者さんたちはみんな何をしていると思いますか?

ごはんを食べている人もいれば、お菓子を食べている人もいる。
本を読んでいる人もいれば、動画を見ている人もいる。

各々の時間の過ごし方をするのだ。


昨日のわたしは朝早く起きて疲れていたので、点滴をしながらお昼ごはんを食べて、あとはほとんどぼーっとして点滴が終わるのを待った。

その前の抗がん剤の点滴のときは、韓国語の勉強をした。


自分もがん患者だけれど、がん患者さんに囲まれて点滴を受けていると、勝手な仲間意識も生まれてくる。

エネルギーを点滴仲間のみなさんからもらっている、わたしです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?