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映画感想文「アルピニスト」自分を見つける糸口となる秀逸なドキュメンタリー

自問自答することがある。

認められたかったり、理解されたかったり、仲間に入れて欲しかったり。

なのに叶わず、苛立ちや悲しみを抑え切れない時に。

でも、結局それであなた、何がしたいのさと。

それすら見失い、他人の言動を気にしてばかり。そんな凡人の私に、彼の笑顔は眩しく、崇高な輝きに溢れて見えた。

「山に登っていると人生はシンプルだ」とはにかんだ笑顔で語るマーク・アンドレ・ルクレール、25歳。カナダのアルピニスト。

驚くべき偉業の数々をあげながらも、SNSで自慢することもなく、携帯すら持たず、質素な家に住み、ただ、ひたすらそこにある山に登る。

断崖絶壁を命綱もつけずにするすると登ってゆく肢体は喜びに満ち、見ているこちらまでも幸せにする。

幼い頃、学校に馴染めなかった彼はADHDと診断され、自宅で母から教育を受けた。

「子供の頃に自由に冒険しないと、自分を見つけられない」そう語る彼女は、彼をいつも自然の野山に連れ出した。

教育とはかくあるべきだと胸打たれる。

山に興味ある人もない人も、全ての人におすすめ。自分を見つける糸口が見える秀逸なドキュメンタリー映画。

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