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ローカル電車で行く 西日本の旅'22夏

お盆休みに、ローカル電車に乗って、8日間西日本を旅行してきた。

ローカル電車旅のルールは2つ
①新幹線・特急は使わない
②行きたいところまで行って、着いた先で泊まる

8日間の移動をざっくりまとめるとこんな感じ。JRは青春18きっぷを使用した。
1日目 都内→静岡→愛知
JR東海道本線(都内〜横浜〜浜松〜豊橋〜名古屋)

2日目 愛知→滋賀→京都
JR東海道本線(名古屋〜米原)
JR琵琶湖線(米原〜彦根)
JR近江鉄道(彦根〜五個荘)
JR近江鉄道(五個荘〜近江八幡)
JR琵琶湖線(近江八幡〜京都)

3日目 京都→兵庫→大阪
阪急京都本線(烏丸〜梅田)
阪神本線(梅田〜尼崎)
阪神本線(尼崎〜大阪難波)

4日目 大阪→兵庫→岡山
JR神戸線(大阪〜姫路)
JR山陽本線(姫路〜岡山)

5日目 岡山→島根
JR特急やくも(岡山〜出雲市)*特急乗った・・

6日目 島根→山口

JR山陰本線(出雲市〜益田)
JR山口線(益田〜湯田温泉)

7日目 山口→広島
JR山口線(湯田温泉〜新山口)
JR山陽本線(新山口〜岩国)
JR山陽本線(岩国〜広島)

8日目 広島→都内
東海道新幹線(広島〜新横浜)*新幹線乗った・・!

移動距離約2000キロ、訪れた都道府県9府県(通っただけの神奈川と鳥取は除く)、歩いた歩数123801歩。たくさん移動して歩いてすごく疲れたのではと思われるかもしれないが、実際はその逆で、今までの旅行にはなかったほどリラックスして、たくさん眠って、帰宅するころには心身ともに本当に元気になった。
 移動中は景色を見る以外はやることがないので(私は乗り物酔いするので本やスマホもあまり見なかった)、何かを考えたり、何も考えなかったり、くだらないことを考えたり、ただ景色を見たり、そういうことに時間をたっぷりとったことで、休息できたんじゃないかと思っている。

ここからは1日ごとの移動や観光、食べたもの、泊まった場所のメモ。宿とご飯はそこまでお金をかけていないけれど、その分地元の特色が感じられてよかった。それでは見ていこう〜
(◯=移動手段 ☆=観光した場所 🍴=食べたもの ●=泊まった場所)

<1日目 都内→神奈川→静岡→愛知> 移動距離355km 歩数16608歩
◯JR東海道本線(横浜〜浜松〜豊橋〜名古屋)
 静岡に入ったあたりからスマホではなく本を読んだり参考書で勉強している人が増えたように感じたのが印象的。静岡でかい。東海道本線は続くよ、どこまでも。

☆観光:熱田神宮(愛知)
 緑が多くて厳かな神社だった。樹齢約1000年と言われる大楠が偉大。本堂近くにあったきよめカフェは静かな雰囲気で落ち着いた。

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熱田神宮の大楠

🍴昼ごはん@浜松:浜名湖うなぎ丸浜
 ランチセットはお手頃でおいしい。肝吸いもおいしい。山椒がサラサラした深緑の粉状のもので、とんでもなく香りがよかった。ちなみに静岡以西の飲食店で出てくるおしぼりは全て、王子タイムリーというおしぼりだった。営業力が高いのだろうか。

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なんでもないおしぼりだけど字体可愛いと思う

🍴夜ごはん①@名古屋:風来坊(手羽先)
 名古屋の駅ナカにあった居酒屋さん。手羽先も美味しかったが、鶏皮の味付けがよかった。
🍴夜ごはん②@名古屋:YATA
 もう一杯だけ飲んで帰りたかったので、都内にもあるYATAのKITTE名古屋店に立ち寄った。義侠 花散里という愛知県のお酒を飲んだ。

●宿:ザ・ロイヤルパークキャンバス名古屋
 受付にレゴで作ったしゃちほこがあった。朝ごはんバイキングにあったあんバターフレンチトーストがおいしかった。
  
<2日目 愛知→滋賀→京都> 移動距離130km 歩数24301歩
◯JR東海道本線(名古屋〜米原)
 滋賀まで東海道本線で行けることを初めて知った。車体はどこの県の東海道線もあのオレンジとグリーンの線のデザイン。
◯JR琵琶湖線(米原〜彦根)
 爆睡であまり記憶がない。
◯JR近江鉄道(彦根〜五個荘)
 めちゃくちゃローカルな電車だった。自転車に乗ったまま乗車してくるおじいちゃんがいた。停まる駅はほぼ無人駅なので、停まるたびに運転士さん(ワンマンなので車掌さんいない)が運転席から出てきて、降りる人は定期券とか切符を見せるスタイルだった。ずっと一本道で電車の速度も結構速かった気がする。彦根から近江八幡まで行けばよかったのだけど、五個荘(ごかしょう)という駅に大城神社(おおぎじんじゃ)という朝ドラのロケ地があったので、そこに行くためだけに乗った電車。
◯JR近江鉄道(五個荘〜近江八幡)
 この電車に乗る前に大城神社への往復で炎天下を50分ほど歩いていたので、車内が寒いくらい涼しいのが助かった。この電車以外は最終日までどの電車も結構暑かった。
◯JR琵琶湖線(近江八幡〜京都)
 滋賀から京都に行く人多い。寝ている間に京都について起きたら一気に都市になっていた。

☆観光①:名古屋城
 天守閣は入れず。本丸はどの部屋の襖も金・金・金で豪華絢爛だった。虎が描かれている客間は、虎が客人を見守りながらも威嚇しているという話。

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襖に描かれた虎

☆観光②:彦根城
 こんなに天守閣まで行くのが大変な城は初めて。石段を登った先にまた石段。しかもその階段自体が左に傾いている感じですごく登りづらかった。簡単に攻め入れない。ひこにゃんグリーティングがやっていたのもよかった。

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石段きつすぎる・・

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マイペースに登場したひこにゃん

☆観光③:大城神社(滋賀)
 2021年の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で、物語上は岡山の朝丘町商店街の近くにあるとされる神社に行ってきた。実際は滋賀県東近江市五個荘(ごかしょう)にあり、大城神社(おおぎじんじゃ)というところ。ここに行くまで五個荘駅で降りてから30分弱歩く必要があり、道中ものすごく暑かった。大きな道路と田んぼがある街並みで、歩いている人はほとんどいない。大城神社はドラマで見るより小さい印象だったけれど、安子が泣き崩れた本堂前、ロバートと安子がひなたをぴょんぴょん歩いた道、終戦記念日に稔さんがるいの前に現れた石段、晩年の安子が商店街を走ってひなたから逃げて辿り着いた石の鳥居、全部がそのままでかなり感慨深かった。稔さんの幻が現れた2021年8月15日の放送からちょうど1年ほど経った2022年の8月にここを訪れられたことも嬉しかった。ちなみに劇中で重要な役割を果たす神社なのでもっとファンがいるかと思ったが、他に参拝している人は誰もいなかった。近くに住んでいない限りかなりアクセスが悪いのでそれもそうかと思う。五個荘も大城神社がなければ人生で一度も訪れることはなかったと思う。そういうのもローカル線旅の良いところ。

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鳥居を抜けるとこの景色・・感涙

☆観光④:高台寺(京都)
 京都で好きなお寺。夜間のプロジェクションマッピング”百鬼夜行”が開催されていた。高台寺まで行く道に風鈴がたくさんかけてある家があったり、百鬼夜行に合わせてお化けの提灯を飾っているお店もちらほらあって、涼を感じた。

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一つ目おばけの提灯

🍴昼ごはん@彦根:八千代(近江牛冷やしうどん)
 近江牛の旨味が効いてコクがすごいうどんだった。アクセントで入っていた赤こんにゃくの歯応えもすごかった。印象に残る美味しさ。

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甲子園を見ながら食べた

🍴夜ごはん@京都:我逢人かっぱ
 京都に2ヶ月くらい住んでいたとき京都の人に教えてもらった居酒屋さん。英勲を飲んだ。鱧もお刺身もおいしかった。

●宿:京都グランベルホテル
 祇園四条駅の近くにあるホテル。新しそう。観光しやすい立地でよかった。朝ごはんバイキングのお茶漬けがおいしかった。

<3日目 京都→兵庫→大阪> 移動距離47km 歩数27631歩
◯阪急京都本線(烏丸〜梅田)
 阪急の車体の色はいつ見ても素敵。梅田駅のエスカレーターはなぜか左側にみんな立っていた。観光客が多いのかな。
◯阪神本線(梅田〜尼崎)
 阪神電車初乗車。尼崎に近づくと工場がどんどん増える。
◯阪神本線(尼崎〜大阪難波)
 都内でも東急がSDGsトレインを走らせていて、阪神・阪急・東急SDGsトレインと書いていあったから、へ〜と思っていたけど、大阪難波まで乗った阪神電車がSDGsトレインだった。

☆観光①:鴨川デルタ(京都)
 京都に行ったら必ず訪れる場所。鴨川の水が冷たくてめちゃくちゃ気持ちよかった。温泉みたいに肩まで浸かっている大学生や、親子で水遊びをしている人などいて、平和だった。

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亀に腰掛けてしばらく涼んだ

☆観光②:糺の森・下鴨神社(京都)
 ここも京都で好きな場所。糺の森は樹木がいっぱいで幾分涼しい。境内では古本市の準備をしていた。お茶屋さんで食べたかき氷が粉雪のようで最高においしかった。下鴨神社は自分の干支の守り神に参拝する。参拝後は水みくじをやった。
☆観光③:尼崎中央通り商店街(兵庫)
 尼崎に寄りたい用事があったので、大阪から京都に直行する前に尼崎で下車。中央通り商店街は阪神タイガースの旗や横断幕で応援ムード一色になっていた。
☆観光④:通天閣(大阪)
 展望台は20時で閉まっており入れず。通天閣に行く途中の道の真ん中でおじいちゃんが酔って寝ていて危うく踏みそうになってしまいびっくり。私の後に自転車で通りすぎたお兄さんが「おっちゃん!」と言って起こしてあげていた。

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絶妙に字が消えているのも良いでしょう

☆観光⑤:道頓堀(大阪)
 これまでの街で一番人が多い。そしてなぜかタイ人やベトナム人が経営する飲食店が比較的多いと思う。道頓堀クルーズという道頓堀川を少し行ってUターンしてくるクルーズに、観光客らしく乗った。川沿いの人たちが結構手を振ってくれた。グリコサインは日没後30分で点灯するそう。

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今日の最終便に乗った

🍴昼ごはん@尼崎:堂島カレー(ハッシュドオムライス)
 中央通り商店街でお昼ご飯を求めて彷徨っていた時見つけた。お腹ペコペコだったのもあり、一瞬で食べてしまった。おいしかった。置いてある漫画のチョイスが好き。

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うまくないわけがない

🍴夜ご飯@道頓堀:串カツさくら
 米粉であげた串カツ。衣がざっくりサクサクでおいしかった。特に紅生姜串の甘味と辛さが好きだった。

●宿:フォルツァ大阪難波道頓堀
 こんなところに泊まる場所あるの?みたいな道頓堀の喧騒の中にあった。中は普通に快適だし、洗面スペースが使いやすかった。部屋に飾ってある絵が、私が好きなフリー素材”ダ鳥獣戯画”だった。フリー素材だからいいのかな・・?

<4日目 大阪→兵庫→岡山> 移動距離171km 歩数19983歩
◯JR神戸線(大阪〜姫路)
 海沿いを行く電車で景色がよかった。明石海峡大橋も見えた。地元の人たちが、琵琶湖に美味しいバウムクーヘン屋さんがあるという話をしていた。あと、琵琶湖泳ぎ行こうや、みたいなことも言っていた。海と違って潮でベトベドしないだろうし、湖で泳ぐのも良さそうだなと思った。
◯JR山陽本線(姫路〜岡山)
 山陽本線は深い黄色の車体で、西武新宿線にそっくりだった。
◯路面電車(岡山市内)
 ここに来て旅で初の路面電車。降車ボタンを押すと大きめの音で「リンっ!」と鳴った。いろんな車体デザインがあって、チャギントンデザインがかわいかった(けど乗れなかった)。

☆観光①:総合グラウンドクラブ(旧岡山偕行社)
 カムカムエヴリバディロケ地巡り第二弾。劇中でも岡山偕行社として出てくる。元々は陸軍の社交場として使われていた。岡山球場や岡山県総合グラウンドがある大きな敷地の中に建っている。これもまた思ったよりこぢんまりとしている印象だった。1階はカフェ、2階は公民館的に市民が借りられる会議室が2つあった。経年劣化で随所に古びた箇所が見受けられて、2階は耐震強度を考慮して一度に使える人数に制限があった。劇中では定一さんが、そして大人になったるいがサニーサイドを歌う重要な場所。安子編の偕行社には門があったがそれはセット用に作ったものだったよう。るいに会いに来たのに中に入るか迷う安子が、ひなたに見つかって商店街の方に逃げる方面には近代的なアリーナがあったので、うまく映らないように撮影したのかな。この旅でここに行けたことが一番嬉しかった。近隣の家々の前には小川が流れていて水面が揺れて涼やかな雰囲気だった。あと、近くのノートルダム清心女子大学のオープンキャンパスがやっていて、高校生とその親がたくさん歩いていた。

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優雅な佇まいの偕行社


☆観光②:旭川
 またもや、カムカムロケ地。安子が稔に自転車を教わった河原。岡山城や後楽園の近くを流れる大きな川が旭川。後楽園のチケットを買う時にお姉さんに「カムカムですか?」と聞かれて、そうですと言ったらロケをした場所を詳細に教えてくれた。るいに「I hate you」と言われた安子が階段を降りて崩れ落ちたあの場所を見つけて、同じアングルで写真を撮ってみたりした。あと、オフショットで上白石さんと松村くんが”水辺のももくん”という銅像と写真を撮っていたので、それも同じアングルで撮影して楽しんだ。ももくんの近くにずっと白鷺がいた。動かないので多分寝ていたと思う。ももくん越しに岡山城(来年完成予定)も見えた。

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水辺のももくんと岡山城と白鷺


☆観光③:後楽園
 後楽園に行く前に、入り口のさざなみ茶屋で金烏城(きんうじょう)という地元のクラフトビールを飲んだ。備前焼は泡が立ちやすいのでゆっくり注いでくださいね、と言われたが本当だった。泡が細かくておいしかった。
 後楽園は日没後ライトアップをするそうで、またスカイランタンイベントも開催されるようだったので、入園した時はまだ17時すぎだったけれど芝生に座って陽が落ちるまでゆっくりした。後楽園にいる人たちは、小さい声で喋るし、お茶屋さんでかき氷を上品に食べるし、トイレの使い方も綺麗で、なんだかすごく品がいい人たちだった。浴衣を着てきている地元の人も何人かいた。スカイランタンが空に上がるのかな、と思って待っていたけれど、20時近くになっても何も起きないので、お腹も空いたし帰ることにした。

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夜空に漂うスカイランタン。この日は満月だった


🍴昼ごはん@岡山:キューティパイ倶楽部(焼きカレー)
  偕行社の1階のカフェ。牛すじカレーにチーズをかけて焼いたこの焼きカレーがとにかくやたらおいしかった。店内にはルイ・アームストロングが流れていたし、カムカム出演者のサインなども飾ってあった。帰省した娘夫婦とお茶にきている家族がいたり、ゆっくりしっとり過ごすのに最適。文化的な香りもする。ここで披露宴もできるそう。地元にこんなところがあったら絶対ここで披露宴したい。

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和風なお皿に入れてオーブンで焼いているのも良い


🍴夜ごはん@岡山:ごえもん(ホルモン焼きそば)
 後楽園ではらぺこになって、本当はかきおこ(牡蠣入りのお好み焼きで岡山名物らしい)を食べたくて飲食店を探していたけれど、どこも予約でいっぱいか閉まっていた。困っていたところこちらを発見。ホルモン焼きそばも名物らしいので注文した。ホルモンの油が意外とくどくなくておいしかった。

●宿:三井ガーデンホテル岡山
 この日から世の中もお盆に入り大混雑。大浴場もすごく混んでいた。大混雑の浴場を急いで出たら部屋のカードキーを無くしてしまい、お掃除のスタッフに助けてもらった。どこを探してもキーは最後まで出てこなかった。ごめんなさい。この旅で唯一無くしたもの。

<5日目 岡山→島根> 移動距離175km 歩数12790歩
◯JR特急やくも(岡山〜出雲市)*特急乗った・・
 岡山から島根は在来線で行くととんでもない時間がかかるので、ここだけ特急でワープした。ワープと言っても3時間ちょっとかかるけど。やくもは車体のデザインが可愛い。撮り鉄も各駅にいっぱいいた。米子にも停車はしたけれど、今回鳥取には寄らず。ちなみに青春18切符は特急に乗る時の乗車券としては使えない。出雲市駅のタクシー乗り場のベンチに女性のホームレスの方が座っていた。夏だけど毛布みたいな布をたくさんかけていた。マスクをしていて顔全体は見えなかったけれど、大きな瞳と目が合った。なぜかあの瞳が忘れられない。翌日出雲市を出る時も同じ場所に座っていた。

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やくもの字体と絵柄が素敵だ

☆観光①:表町商店街(岡山)
 この旅最後のカムカムロケ地。偕行社から逃げ出した安子が激走する商店街。安子はこの商店街を抜けて、前述の滋賀県大城神社にたどり着いたのかと思うと、私たちが見ている映像は様々なロケ地のものが組み合わさって流れるように1つの映像になっていることを実感。岡山を出る朝に立ち寄ったので、お店は全く開いていなかったけれど、ドラマと同じショットを撮影できた。特に、劇中で現代のこの商店街と、安子がかつて住んでいた朝丘町商店街が重なり合うように感じる、サンタさんが立っている時計柱あたりはなかなか感激した。

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左側の電気屋さんの看板木下ラジオも本編に映っている


☆観光②:出雲大社(島根)
 一度は来てみたかった場所。ここでは二礼・四拍手・一例をして参拝する。社がいくつかあって、それぞれに参拝した。稲葉の白兎の話に基づいて、境内にはうさぎの石造がたくさんあった。ここに来て連日コンタクトをしたまま電車で昼寝していたのが祟って目が痛くなったのが残念。なんとなく味わいきれずに神社を後にした。そんなこともある。また来よう。

🍴昼ごはん@出雲:奥出雲そば処一福(割子そば)
 出雲市駅前の蕎麦屋さん。割子(わりご)そばというざるが何段かに重なっているそば。しっかりそばの味がする硬めのめんだった。薬味とつゆをそれぞれの段ごとにかけて食べる。天ぷらもつけた。特に舞茸が美味だった。

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駅そばとあなどるなかれ

🍴夜ご飯@出雲:すし政
 この旅ベストご飯は私的にはここ。宿のすぐ近くにあった寿司屋さん。ご夫婦でやられている。事前に調べたら予約したほうがいいと口コミがあったので電話したら、「今晩予約でいっぱいだけど20時からならいけるよ!」と言われて予約。お任せで最初はお刺身。もう鮮度が全然違うし、とかく美味しい。その後もお任せでお寿司を10巻くらい出してもらった。どれも美味しくてどんどん食べた。白身のお寿司が特に気に入った。お酒は地元の天隠(てんおん)を常温と熱燗でいただいた。最後は赤だしのお味噌汁。ここにも白身のお魚が入っていた。ご夫婦の雰囲気が良くて、特に旦那さんは自分で冗談を言って自分が一番ウケていた。それがキュートな感じだった。いい歳の取り方だと思った。目指したい。地元のおばあちゃんが帰省した孫たちを連れてきていたり、デートで来ている地元のカップルもいた。こんなお店を夫婦で経営するのも良いなと憧れたりした。心に残る良いお店だった。

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食事中は夢中で写真を忘れ、翌朝撮影


●宿:出雲ロイヤルホテル
 この旅で泊まったホテルで一番古かったと思うけれど、綺麗に清掃されていてよかった。パジャマが神話に出てくる神様が着ているみたいな、上下白のもので、それもよかった。ロビーに島根親善大使の井手上漠さんのポスターが貼ってあり、インスタをみたらちょうど故郷の海土町に帰っているみたいだった。隠岐諸島が地元なんだと知った。ホテルの周囲を散歩してみた。国道沿いによくあるチェーン店がいくつかあったけれど、あまり人がいなくて全体的に寂れている印象。地方で過疎が進んでいることを感じた。

<6日目 島根→山口> 移動距離213km 歩数7853歩
◯JR山陰本線(出雲市〜益田)
 どこの駅だったか忘れたが、JRのSLやまぐちとすれ違った。撮り鉄たくさん。SLに乗っている人たちがこちらに手を振っていて、こちらもみんな振り返していて、一瞬の交流が生まれていたのが面白かった。
◯JR山口線(益田〜湯田温泉)
 深いオレンジ色の車体だったと思う。西日本のJRの車両はほとんどがボックスシートみたいな進行方向を向いた形のシートだった。終点について折り返すときに、シートの方向を乗客が当たり前に変えていたのも最初はびっくりしたが次第に慣れた。湯田温泉は白狐がお湯で傷を癒していたところを和尚さんが見つけたという伝説があって、駅前には巨大な白狐像が聳え立っていた。また駅前はもちろん、街の至る所に足湯・手湯があった。

☆観光:湯田温泉街
 この日は早々にチェックインして、ホテルの温泉、白狐の湯にゆっくり入った。貸し切り状態だったので、ゆっくり浸かれて非常によかった。脱衣所もシンプルながらとても清潔で、すごくすっきりした。夕食の後街を少し歩いた。坂本龍馬の木像があった。夜も足湯に使って話をしている人たちがいた。ガールズバーのキャッチの女の子が立っているエリアもあった。コンパクトな街にいろんな場所がちょこちょこある街だった。

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白狐のポスト

🍴昼ごはん:長州屋(瓦そば)
 山口名物瓦そばを食べた。熱した1枚の屋根瓦の上に、茶蕎麦、牛肉、海苔、レモン、もみじおろしが乗っている。レモンともみじおろしは麺つゆに入れて、つけ麺のようにして食べる。これがおいしかった。茶蕎麦が瓦の熱でパリパリになっていて、麺つゆの出汁は甘めで蕎麦によく合う。そこにレモンの酸味がさらに合う。名作だと思った。ここでは山口のお酒東洋美人を飲んだ。
🍴夜ごはん:磯くら(てっさ)
 湯田温泉の居酒屋磯くらで、てっさなどを食べた。お店の入り口に安倍晋三さんのサインが2枚飾ってあった。てっさは旬ではなかったがおいしかった。日本酒は、長門市のみすゞというのを冷やで、山口市の福正宗を熱燗で飲んだ。個室だったから正確にはわからないけど、途中からすごく混み始めて、地元の人がたくさん来るお店なんだと思った。

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歯応えがおいしい

●宿:スーパーホテル山口湯田温泉
 この旅ベストホテル。アメニティも充実、枕は高さや硬さが選べる、夜はセルフだけどバーも使える、朝ごはん美味しい、女性専用のフロアやコインランドリーがある。部屋のキーは暗証番号だから、チェックアウトも不要なところもよかった。コンセプトもしっかりしていて、随所でコンセプトを感じさせる仕掛けや取り組みがあった。もちろんもっとラグジュアリーなホテルとはサービスが違うけれど、価格を考えると素晴らしいと思う。アンケートもしっかり回答した。

<7日目 山口→広島> 移動距離129km 歩数13182km
◯JR山口線(湯田温泉〜新山口)
 発車まで少し時間があったので、駅前の足湯に入ったが、外気も暑いのにお湯もめちゃくちゃ暑くてほとんど入れなかった。みんな「あっつ!」と口々に言っていて面白かった。また深い黄色の電車で新山口へ。ちなみに新山口の宿はどこもいっぱいで取れなかったので、湯田温泉に泊まった。
◯JR山陽本線(新山口〜岩国)
 岩国のあたりで蓮田が広がっているエリアが突然現れて、圧倒された。どこまでも蓮。
◯JR山陽本線(岩国〜広島)
 岩国から広島まで40分くらいで着いたと思う。この電車も広島市内に入るまではずっと海沿いを行った。

☆観光①:中原中也記念館(山口)
 詩人の中原中也の生家跡地が中原中也記念館になっていた。湯田温泉を出る朝に立ち寄った。『サーカス』や『汚れっちまった悲しみに』などは教科書で読んだ程度で深くは知らなかったが、教科書に乗っている写真の大きな瞳とハット姿はやけに覚えていた。子ども向けだろうが、中原中也クイズというプリントがあったので、問題を解きながら館内をまわった。意外と良く見ないと答えられない問題もあって面白かった。全問正解したら中也ステッカーがもらえた。展示は、ブースごとに伝えたいものがはっきりしていて、流れのある展示だった。中也の生い立ち、家族のこと、友人のこと、性格などか細かに伝えられているので見やすかった。あの教書に乗っていたハット姿は、中也が憧れたフランスの詩人ランボーを真似たものだったこともわかった。また、特別企画展示の坂口安吾と中原中也もまた良くて、2人がお互いの良さを認め合って、親交していたことを知った。中也の人生をまとめた15分間の映像展示を見ていた時、ナレーションのこの声は女優の吉行和子さんだなと思って、なぜかなと調べたら、吉行さんのお父さん吉行エイスケさんがダダイスト詩人で、中也もダダイズムの一派だったことから、繋がりがあると考えられた。ナレーションの方1つにもこの資料館のこだわりが見えて感動した。

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記念館はモダンな建物で、敷地も広かった


☆観光②:広島城
 広島城はさくっと登れた。展示はあんまり力が入っていない感じだった。戦争により天守閣は焼失してしまっており、戦後に何度か建て替えられて今の形に到る。岡山の偕行社の方がよっぽど古かったなと思った。広島は歴史的な建造物もほとんど全て原爆により焼失してしまっている。なんとも言えない悲しみを天守閣で感じながら市内を見渡した。

🍴昼ごはん:お城の茶屋(たこ焼き)
 中原中也記念館をゆっくり見てから湯田温泉を出たので、お昼は新山口の駅ナカのコンビニで買ったものを電車の中で簡単に食べて、広島城に着いてからお茶屋さんでたこ焼きを食べた。本当は濃い抹茶のアイスを売り出しているお茶屋さん。暑い中で熱いたこ焼きをハフハフ食べたのもなかなかよかった。
🍴夜ごはん:麗ちゃん(お好み焼き)
 広島駅の商業施設エキエのぶちうま通りには、お好み焼き屋さんがいくつかあって、どこも並んでいた。その中でも麗(れい)ちゃんに入った。屋台からスタートしたお店で、現在3代目の社長が経営している。私が座ったカウンターの目の前でその社長が焼いていて、隣には息子さんと見られる方もいた。イカ天焼を注文。工程を見ていると、ソバはケチャップで味付けしていた。オムレツのように半月型のお好み焼き。雰囲気もあいまってぶちうまだった。ソースも3種類あって、さらに胡椒をかけたら味変した。夢中で食べた良い食体験になった。

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かなり満腹になった。何もかも全部美味しかった

●宿:リブマックスプレミアム広島
 おそらく従業員不足でなんだか大変そうだなと思ったホテル。大浴場はあんまり綺麗ではなくて、脱衣所は泊まっている人のモラルもあると思うけれど惨状だった。部屋の洗面所もなんか綺麗ではなかった。悲しみ。綺麗なところは綺麗に使われるし、そうでないところはそれなりの使われ方をする集団心理。寝られればいいので問題ないけど、せっかく素敵な街にあるので、頑張って欲しい。

<8日目 広島→都内> 移動距離816km 歩数10453歩
◯東海道新幹線(広島〜新横浜)*新幹線乗った・・!
 帰りは一気に広島から新横浜まで新幹線に乗った。ここは日程の都合上仕方ない。謎に奮発してグリーン車乗ったので、2回もおしぼりもらえたし、席も広々で快適だった。あとすごく速い笑 新幹線もいいけど、ワープして着いてしまう感じがあるので、ローカル線で少しずつ進むのもいい。どっちも選べる時代で本当によかったよ・・。広島駅はお盆も終わりということもあって、家族を見送りにくる人がたくさんいた。
◯路面電車
 原爆ドーム前から広島駅まで乗った。ぐりーんらいなーという鳩のマークの可愛い電車だった。

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平仮名なのが良い

☆観光:原爆ドーム・原爆資料館
 日程を組まずに進んでいたら、8月15日を広島で迎えることになった。これも何かの縁なのか。終戦の日に原爆ドームに来たのは初めて。海外のメディアもちらほら来ていた。原爆ドームの隣にある相生橋を目標に原爆が投下されたとのこと。原爆資料館は何度か来たことがあったが、今回は音声ガイドを借りてまわった。この音声ガイド、あった方が絶対良いと私は思う。2時間半ほどかけて資料館を巡った。亡くなられた方、生き残った方、お一人お一人の物語が見えてくる展示で、マスク越しに涙を流した。それぞれの人生にかけがいのない日常があり、精一杯生きていた証を感じた。また、原爆開発の背景や、戦後の日本と世界の核兵器廃絶に対する取り組み、さらに今後私たちにできることも示唆されている展示だった。全部見終わった後、ただ茫然としてしまった。”安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから”という慰霊碑の言葉を見て、過ちを繰り返さない世の中になっていないではないかと思った。戦後77年が経ち戦争体験者が高齢化している中で、語り部の継承なども行われているそうだが、やはり実体験のある方々の証言を様々な形で残し、それを次の世代に伝えていくことが重要だと感じた。これまでも何度か訪れている場所なのに、今までになく平和の重要性を感じた記念館訪問になった。子どもたちは適切な解説がないとただショッキングな展示を見た体験になってしまうので、もし子どもの時に来るならば、ガイドさんに着いてもらって決まった時間でポイントが見られるといいなと思った。館内にはたくさん子ども連れもたくさんいた。皆それぞれに平和について考えた時間を過ごしたと思う。

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ドームの左奥に相生橋


🍴昼ごはん:魚魚一(生牡蠣・がんす)
 新幹線が出る前にさっと寄った駅ナカの居酒屋さん。”とといち”と読む。生牡蠣は大好きなので、広島で駆け込みで食べられて満足した。がんすも久々に食べられた。ここでは確か賀茂鶴を呑んだと思う。
🍴夜ごはん:駅弁 瀬戸内さかな惣菜じんぼ(かきめし)
 かきめし駅弁を買って、新幹線の中で夜ごはんとした。お土産屋さんでまた賀茂鶴を買って車内でも呑んだ。賀茂鶴おいしい。かきめしは牡蠣ごはんとカキフライが入っていた。牡蠣好きにはたまらない。にしき堂の生もみじ饅頭も買っていたので、車内で食べた。最後までおいしいものをたくさん食べて、無事帰京。

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おわりに
コロナ禍になってから、長めの旅行らしい旅行をしていなかったので、3日目くらいまで旅行ってどうやって楽しむんだっけ?と旅の仕方を忘れてしまっていた。ただゆっくり楽しめばいいし、行きたいところも好きに決めていいというのをだんだん思い出して、後半にかけてどんどん楽しくなった。こんな気持ちを忘れないように、時々また旅にでたい。日常と非日常を行き来するから、どちらも楽しくなるんだと思う。

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最後は新幹線から見えたMAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島

おわり




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