『三千円の使いかた』原田ひ香/読書感想文(2022下半期5冊その2)
わが家は、一週間に一度だけ、
スーパーで買い物をする。
スーパーから家までが少し離れていたり、
私が運転できなかったり、で、
共働きの頃から、このような形になった。
だいたいいつも同じようなものを買うので、
同じような金額になるよね〜、
という感覚を持っていた。
けれど、
最近はその金額を、毎月のように超えてくる。
物価高だ。
レジの金額を二度見、三度見してしまう。
という風に、
「物価高だよね〜、困っちゃう!」
みたいなエピソードは、友人とも気軽に話せるのだけど、
じゃあ、どうする?
これから家計、どうしていく?
みたいな一歩突っ込んだ話は、どうもしづらい。
私の生まれが京都という土地柄もあってか、
お金に関する話は「無粋」とされがちだったように思う。他人にお金に関する弱みは見せない、他人からも聞きださない、という生き方をしてきた。
お金の悩みだけは、誰とも共有できないと思って生きてきた。
自分だけで、もしくは頼るとしても親か専門家の力を借りるくらいしか、
術がないと思っていた。
だから、この小説との出会いは、
私にとって小さな革命だった。
原田ひ香『三千円の使いかた』
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