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髪を青くしようかな、と呟いた

noteをはじめる、少し前。

その呟きは、
コロナ禍で一年ほど押されっぱなしだった私の生活が、攻めに転じた瞬間だったように思う。


青は、
私にとって、変化の色だった。

思い返せば、
七五三も、成人式も着物は赤。
卒業式の袴も、結婚式のお色直も桃色。

優しげに見える、暖色系の人生を歩んできた。
青や緑は似合わないと思い込んでいた。

そして、髪をカラーするイコール、茶色だった。

それが、私の「ふつう」。

そんな頭の中の「ふつう」を、
30代で変えることができた話。


✴︎

2年前に韓国旅行に行ったことをきっかけに、
メイクに興味を持つようになった。


スキンケアから入って、
カラーメイクに興味が派生していった。

そこで似合う「色」問題にぶち当たる。

韓国コスメは、
ブラウニー色、ミルクティー色、ベイクドパンプキン色など、くすんだ暖色系ブーム。
私も惹かれて購入するのだが、
これが全然似合わなかった。


それに、オンラインで購入していたから、
一つのブランドだけで何十色もあるアイシャドウを見ていると、
悩みすぎて、スマホの焦点が合わなくなってくる。





そこで、意を決して、
百貨店の化粧品コーナーに向かった。

笑顔がチャーミングな美容部員さんから、
私は、いわゆる「ブルーベース」の肌だと教えてもらった。
色白赤ら顔、白目は青みがかっていたから、
なるほどと思った。


「こういう色が似合うと思います」

差し出されたグラデーションのカラー見本の中に、心惹かれるがあった。
グレーみがかった青

それ以来、
その色は、私の中で好きな色第一位に躍り出た。

気づけば、カバンの中の、
財布も手帳もスマホケースもブルーグレーになっていた。



少しずつ少しずつ我慢が積み重なって、
そして年が明けて。

何か変えたい。何を変えよう?と、
考えあぐねていたあの頃。


ピンクなど、きれいな髪色が少しずつ若い人の間で流行っていたから、それに影響されたみたい。


髪を青くしてみようかな。

まずは自分自身に呟いてみた。

口にしてみると、久しぶりに感じるワクワクで。
薄っすらと家の中に漂う、
欝々とした空気を吹き飛ばす威力があった。


30代の大人が髪を青にするって、どうだろう。

人生で一回くらいそんな時期があっても、面白い。死ぬ前に、やってよかったってきっと思える。

それにきっと、子供達が髪をレインボーにしたって、タトゥーを入れたって、鼻にピアスを開けたって、受け入れられるようになる。
そんな母ちゃんかっこいい。なりたい。


誰がなんて言ったっていいと思う反面、
やっぱり根っからの真面目気質。
少ぉーしだけ周りの反応が気になって、
SNSでも呟いてみた。

髪の毛青くしようかな。」

それに対するリプは

「え、是非してほしい。青大好き。」
「セーラーマーキュリーやん。ネプチューンも好きやった。」
「素敵!」
「私は最近オレンジにしたけど、青も気になってたんだ!似合いそう〜!」

大人からの好意的な意見に、背中をしっかり押してもらった。

翌日すぐ、カラーに行った。


青にしよう!
と決めてから、
せっかくするならとことんこだわろうと、
色合いを決める時間が楽しかった。

セーラーマーキュリーのような水色もいいけれど、やはりブルーグレー。

美容師さんと相談し、
痛みを抑えるため、ブリーチはハイライトにかけて、全体で見た時にブルーグレーに見えるようにした。



出来上がった色は、真っ白な店内によく映えた。

朝、まだ日が登る前、
少しずつ明るくなり始めた頃の、海の色。

陽に当たると、キラキラ透けるブルーだった。

きっと、夏にもう少し明るくすると涼しげで、
また素敵な色。



背中を押してくれたあの子たちに、
会って見せたかった。
それはコロナ禍でかなわなかったけれど、
白い店内で撮った写真を、呟き直した。

友人達が褒めてくれて、
一層、嬉しくなった。


頬に当たるブルーの髪を横目で捉えると、それだけで気持ちが上がった。

リモートになってすっぴんに緩い服ばかり着て、
鏡に映る自分なんて、できれば見たくなかったのに、
真正面から、色んな角度から眺めた。








カラーをする前と、した後だと、
自分の周りの空気の重さが変わったように感じた。

とにかくやりたいことから、
順番にやってみよう!

そんな気持ちが湧いてきたのも、
カラーをしたおかげだと思う。


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