森絵都『つきのふね』/読書感想文
久しぶりに、
本を読んで声出して泣いたな。
それが、『つきのふね』を読んだあとの感想でした。
メンバーシップcafe de読書の1月の課題図書です。
ここ数年、本を今までよりたくさん読むようになりしました。
ストーリーの展開は結構読めてしまうものが多くなって、
「どんだけ上手いこと言うか」
今風に言えば、
「エモい表現が使われているか」
みたいなことに焦点を置いて読みがちになってしまうなと最近は感じていました。
おぉ、この表現はすごい!と思うことはあっても、自然と涙があふれてくる!みたいなことって、読めば読むほど貴重になってくるのです。
『つきのふね』は第36回野間児童文芸賞を受賞した、児童文学のジャンルに属する小説です。
児童文学は、
その「どんだけ上手いこと言うか」みたいなことから一番遠いところにあるんじゃないかと思います。
正直、なんでこんなに泣けてくるのか、うまく説明できません。
中学生の頃の、ある意味ではごく平凡な、友人同士の喧嘩から始まる物語。
飾らない、ど直球、ど真ん中の言葉が、
カチカチに固まった私の心の、ほんの少しだけ残っていた柔らかい部分に、スコンと落ちていくのかなと思います。
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