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〈一〇五度〉の関係

昨日は雨が降るのかと思っていたのですが勘違いしていました🙄晴れでしたね。ぽかぽかと暖かくて過ごしやすかったですね~。

早朝、我が家のビオラたちが朝日を浴びてきらきらと輝いてました。今年に入ってから弱ってきたのが少し心配だったのですが、ここのところ復活してきたので嬉しいです。引き続き見守りたいと思います。

先日、つぶやきましたが月曜日に帰省しました。久しぶりに会った姪はまた少し成長したような気がして赤ちゃんだった頃が懐かしくなりました。

姪は今年、小学4年生になります。本が好きで図書室をよく利用しているとのこと。本に関する仕事をしていたわたしにとっては嬉しいことです。

そして昨日、姪が中学生になったらおすすめしてみたい素敵な本を読みました。その本がこちら。

佐藤まどかさんの『一〇五度』です。

【あらすじ】

都内の中高一貫校に編入した中学3年生の大木戸真はスラックスをはいた女子・早川梨々に出会う。イスのデザイナーになりたい真と、モデラーになりたい梨々。好きなことに夢中な2人は意気投合し「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦することになった。

タイトルにもなっている〈一〇五度〉は少しリラックスして座るのにちょうどいいイスの角度。そして誰かにちょこっと寄りかかることのできる程よい人間関係の角度のことです。

真と梨々がコンペに向けてイスのデザインやテーマを決めるやりとりのなかで衝突してしまう場面があります。そのときにイスのモデラ―だった真の祖父が真にかけた言葉が印象的です。

おまえさっき、一〇五度にしたいって言ったな。いい角度だ。軽く寄りかかるのにいいあんばいだ。人間関係だってそうだぞ。そりゃな、九〇度なら一人で立ってられる。けど、人間関係はそれじゃうまく行かねえんだよ。かといって、ソファや寝椅子シェーズロングみたいにごろっと寄りかかるのも、良くねぇ


人はひとりでは生きていけない。だから誰かに寄りかかって生きていく。ただし寄りかかり過ぎてしまうのもいけない。

互いに寄りかかり合う一〇五度の関係

人はちょうどいい塩梅で支え合いながら生きていくのがいい。わたしが今まで経験した人間関係のなかでも同じようなことを感じたことがありました。

作中では何かに「向かっていくこと」の大切さだけでなく、好きなことを仕事にすることの厳しさについても描かれています。

イス作りの工程もリアルで、青春小説なのですがお仕事小説を読んでいるような印象も受けました。著者のプロダクトデザイナーという経歴が物語に活かされているなぁと納得です。

クリエイティブな仕事を目指すことを父親に反対されながらも、梨々と共に好きなことと向き合い、自分の生き方について考える真。ラストは彼が辿り着いた新しい夢を応援したくなりました。

自分を大切にすることや何かに「向かっていく」という意志は人生を明るくさせてくれる。「向かっていく」何かは大きな夢でなくても、小さな目標があるだけで日々を生きる力が湧いてきます。

いつか姪がやりたいことを見つけたら応援してあげたい。この物語を読んでそんなことを思いました。

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