![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105356801/rectangle_large_type_2_11b352a542623d45d7e88931dd3b665b.jpeg?width=1200)
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
このnoteのAmazonリンクはAmazonアソシエイトを使用しています。
ここのところ新しい時間割に挑戦しているのですがなんだかいい感じです。暫く継続してみたいと思います。
寝る前にはなるべく穏やかな気持ちになるような音楽を聴いたりレシピ本やエッセイを読んだりしているのですが、昨夜はこんな本を読みました。
『100万回死んだねこ』
おやおや……青柳ったらまたうっかりやらかしちゃって~。『100万回生きたねこ』の間違いじゃないの?
……と思われた方。タイトルは間違えておりません。
図書館利用者がうろ覚えだったタイトルや内容の大まかなニュアンス、勘違いされていた作者名。この本はそんな利用者の「覚え違い」を集めた1冊です。
福井県立図書館ではカウンターで実際にあった利用者の「覚え違い」をリスト化した「覚え違いタイトル集」をウェブで公開しています。
当初はレファレンス業務の一貫として、カウンターで出会った「覚え違い」に対して「どんな相談があって、どう対応したか」を職員間で共有するために記録をつけていたそうです。
真面目な目的で記録し始めた「覚え違い」でしたが、あるときこれ、おもっしぇー(福井弁でおもしろい)のではないか?ということに気づきウェブでの公開を始めました。
始めたばかりの頃はアクセスは伸びませんでしたが、更新していくうちにSNSで話題になり、現在では他館の司書や学校図書館、書店員など様々な方から「覚え違い」の事例が提供されるようになったそうです。
「覚え違いタイトル集」には図書館で探している本に辿り着くためのヒントにして頂けたらという気持ちや、もっと気軽にレファレンスサービスを利用して欲しいという願いも込められています。
ところで本のタイトルがわからなかったり、作者もうろ覚え……そういうときってありますよね。この本を読みながら私も間違えて覚えていたなぁというものがありました。
例えば、村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』。お恥ずかしい話ですが私はずっと『ねじまき島クロニクル』だと思ってました。
因みに本で紹介されている覚え違いは『ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本』です。(なんかすごい)
このような覚え間違いタイトルが90件紹介されていますが、個人的に好きだなぁと思ったのはこちら。
*『お尋ね者は図書室まで』
*『おい桐島、お前部活辞めるのか?』
*『ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本』
*『「ぶるる」みたいな旅行ガイドの本』
*『昔からあるハムスターみたいな本』
*『みやけん』
皆さま、わかりますか?
正解はこちら。
『お尋ね者は図書室まで』→『お探し物は図書室まで』
『おい桐島、お前部活辞めるのか?』→『桐島、部活やめるってよ』
『ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本』→『ぐりとぐら』
『「ぶるる」みたいな旅行ガイドの本』→『るるぶ』
『昔からあるハムスターみたいな本』→『ハムレット』
『みやけん』→宮沢賢治
読みながらふふふふふ……となってしまいましたね~。
『昔からあるハムスターみたいな本』は一瞬、幼少期に読んだ大雪師走先生の『ハムスターの研究レポート』のことかな🤔と思いました。しかしあれは昔というほど昔ではないしハムスターみたいな本というよりハムスターのほのぼの4コマ漫画だよね。そう思いつつページをめくってみたらまさかのハムレットでしたかと苦笑い。
『ウサギのできそこないが2匹でてくる絵本』に関しては全く想像がつきませでしたが思わず吹き出してしまいました。🐰🐰
そしてこの件についての司書さんからのレファレンスはこちら。
名作絵本に対して、もうちょっといい言い方はなかったでしょうか……?
ぐりとぐらは「お料理することと食べることが何より好きな野ねずみ」です。絵本で言うなら『リサとガスパール』は耳が長いので、”ウサギの~”と覚えられていても納得感があります。気の毒な言われようであることに変わりませんが……。リサとガスパールはウサギでも犬でもない、架空の動物です。
こちらも読みながら思わずくすっとなってしまいました。それにしてもリサとガスパールって架空の動物だったのですね。またひとつ新しい知識を得ることが出来ました。
こんな感じで実際にあった「覚え違い」に対して、司書さんのレファレンスと書誌情報がゆるいイラストと共に紹介されていくという形式になっています。
面白いだけでなく、難解な「覚え違い」から利用者が求めている本を探し出す司書さんのレファレンス力も素晴らしいなぁ~と思いました。
そしてタイトルにもなっている『100万回死んだねこ』も実際にあったうろ覚え。佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』のねこは〈100万回死んで100万回生きているので、あながち間違いではありません〉というコメントには確かにと頷いてしまいました。
巻末にはレファレンスの仕事や図書館について書かれています。図書館には様々な仕事がありますが、なかでもレファレンスに興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。
いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。