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冬野が書いた小説・随筆

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オリジナル小説。私小説よりのものが多いです。 加えて、リリースした商業小説についても。
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#孤独

小説『舞台』

小説『舞台』

生身の人間が恐ろしい。
俺は生身の人間をきちんと認識することができないのかもしれない。

劇場から逃げるようにして、俺は駅に向かった。

雪が降りそうなくらい寒い夜。

劇場が暑すぎたから、汗が冷えて余計に堪える。
ホテルを出た後と、同じ感覚だ。
とにかく駄目だった。
そういえば、劇場の多いこの街も嫌いだった。
ろくな思い出がない。
最後に来たのは、マッチングアプリで盛り上がった女と焼肉を食べた時

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