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萩尾望都と橋本治と大島弓子と村上春樹


久しぶりに本棚の写真から記事を書いてみる。
ただし今回は読み終わったものでなく、絶賛読書中とそこから派生したこれから読む本を中心に。

まずこれ。

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NHK、Eテレの「100分de名著」の別冊【萩尾望都】。

「トーマの心臓」小谷真理氏、「半神」「イグアナの娘」ヤマザキマリ氏、「バルバラ異界」中条省平氏、「ポーの一族」夢枕獏氏、というラインナップで作品を読み解いていく。

放送しなかった部分も載っているし萩尾望都スペシャルインタビューも巻末にある。豪華!

自分が萩尾作品を読んでいて、思いもよらぬ、というか、漠然と感じていたかもしれない部分を解説の方々が明瞭に言語化してくれている感じで、目から鱗感と「ああそうか」の納得感でいっぱいになる。

そしてそこからの派生でこの本

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「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」橋本治

「100分de名著」の「トーマの心臓」の章に、橋本治が「(前略)俺は萩尾望都がなんで『トーマの心臓』を描いたのかよく分からない。(略)『トーマの心臓』が失敗作だから」と批評していることが書かれていた。
「100分de名著」の解説者小谷真理氏は、それについて「現実の少年の枠組みで考えるか、少年像を少女性が加味された幻想的な存在として受け止めるかの違い」として反論されていて、とても面白かった。

そこから橋本治の漫画評論に俄然興味が出た。
上記の「トーマの心臓」は橋本氏の「熱血シュークリーム」という少年漫画論に書かれているそうだ。これにもちょっと興味をひかれ、現在購入するか検討中。

それよりも少女漫画!
写真の「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」は少女漫画論だ。
「100分de~」の脚注で出会ってしまった!
すぐポチリン。

ラインナップは、倉多江美論、萩尾望都論、大矢ちき論(プラス猫十字社論)、山岸涼子論(以上前編) 江口寿史+鴨川つばめ論、陸奥A子論、土田よしこ論、吾妻ひでお論、大島弓子論(以上後編)

なんと豪華な!!!

奥付を見ると、最初に刊行されたのが1979年だというのだから、若い方には分からない作家が多いと思うが、私はもう、それはそれは楽しみだ。(まだ読んでないからw)
「つる姫じゃ〜っ!」とか、知ってる?笑

「100分de名著」読み終わったらさっそく読む!
ラインナップの中で読んだことのないのは倉田江美だけ。面白そうだったら作品を探してみるつもり。

芋づる式に読書(漫画含む)がつながる。
でも若い頃と違って体力や集中力や視力が落ちて読書量が減ったからなあ。

それで論者・橋本治。
私はこの人の古典に関する著書を中心に読んできた。

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特にこの本↓は、興味深いという意味での超のつく面白さと、読んでぶはっと噴き出す現代語訳のぶっちぎり感とで、何回も繰り返して読んでしまう。
「絵本徒然草」橋本治・文 田中靖夫・絵

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ざっくり書くと、兼好法師って世捨て人になってから「つれづれ草」を書いたんじゃなくて、まだ出家前の「世が世だったら俺なんて一流貴族なのによお・・・」と宮廷だの殿上人だのの価値がガタ落ちした時代に貴族として成人しちゃった若い頃にジタバタ&ぼやきで書いたのも混ざってるよね、という視点が入っている。

原文と、超ぶっ飛んだ現代語訳と、なんだかノムさんみたいな兼好法師のボヤキっぽいテイでの橋本治の解説が入ってくる。
その解説と、絵もちょっと闇というか病みが入っていて最高。

さらに「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」に戻ると、小谷真理氏が橋本治氏の「トーマの心臓」論に反論したみたいに、私も橋本治の少女漫画論に批判的な読みができるかどうかも楽しみ(おいおい)。
少女漫画の読み込みなら、私だってやってきたw

それと「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」の表紙。
私が購入した文庫本は大島弓子の絵だが、これは割と最近の画風だ。
ネットでこの本を検索したとき最初に刊行された版も出てきたが、これも大島弓子の、かつての画風で装丁されていた。
   ↓Amazonからのスクショ

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この美しさ!

私は大島弓子もとてもとても好きだ。
画集も○十年間後生大事に持っている。

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人生で一番好きな漫画は?と聞かれて、すごくすごく悩むが、多分
「綿の国星」と答えるんじゃなかろうか。

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「綿の国星」ついての記事をずーーーっと下書きに入れているのだけれど、この漫画のみずみずしさを表現する言葉を持たないため、記事にできないw
特に1巻のチビ猫の視点での世界のとらえ方が素晴らしすぎて、今ちょっと思い出して涙ぐんでいる。

元のコミックス版も実家かどこかにあるはずだけれど、写真は今すぐ手元に出せる文庫版。


そして、急に、漫画とは脈絡が無いけれど、村上春樹だ。
字の読書とは別に、これは私が名付けた「コレクション本」の扱い。
字より写真でニヤニヤする。

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「古くて素敵なクラシック・レコードたち」村上春樹

村上さんちに「結果的に集まってしまった」クラシックレコードのジャケットの写真と、その演奏や曲目についてのエッセイというか解説のようなもので構成されている。

村上さん曰く、クラシック・レコードに関しては行き当たりばったりに買うし、ジャケ買いが多いし、コンプリートとか世間的な価値とか状態とかほとんど気にしないそうだ。ジャケットに惹かれて買うと中身も当たりのことが多いとか。

という訳で、村上さんのクラシックレコードに関する解説も読みつつだけれど、私はそのジャケットの写真を堪能している次第。

同じ曲でも指揮者やオーケストラの違いでいくつもの盤があるのがクラシック。本書でも同じ曲の異なる盤のジャケット写真が多いと6枚並んでいたりする。
そのジャケットのテイストが、なんともいいのよね。

実はこれ、昨年発刊された「村上T」の二匹目のどじょう的なんじゃないの?と思わないこともないのだけれど、まんまと買って、案の定楽しんでいる。

このことについては記事に書いたけれど、

私は、こういうコレクション本に目がない。
そして、村上春樹のチョイスするテイストは好みのど真ん中のことが多い。
だから寝る前に「1曲」ずつ、ジャケット写真を眺めてニヤニヤする毎日である。


他にも村上春樹の、音楽に関する、ちょっとずつ読んでイラストとともに楽しむ本を写真で載せておく。

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余計な一言:今の漫画もそこそこ読んでますw







お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただけたなら嬉しいです😆サポート、本と猫に使えたらいいなぁ、と思っています。もしよければよろしくお願いします❗️