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びじゅチューン! 私的極小ネタ図鑑 #34


恥ずかしさは団扇に花咲く演出で!


検証「絶妙な女心の表現」in「敢えて湖畔」

まずは動画をご覧いただこう。

主人公のハッカー(理系女子)が、敢えて普段しないことをやってみた時の心の揺れを、湖のさざ波に託して表現した名曲だ。

その中でも「浴衣を着た自分を過剰に意識して恥ずかしくなる気持ち」を、一瞬ながらとても印象的に表したシーンがこちら。

浴衣の自分をすれ違いざま女の子から横目でちらっと見られて・・・

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恥ずかしくなってきちゃったときに

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パッ
と団扇の水玉模様がピンク色に花ひらく!

ほんの一瞬だから見逃しそうなのだけれど、はっとする。
動画で言葉のタイミングも合わせて確認してほしい。

そしてその後に続くフレーズが秀逸だ。
「まあでも浴衣の布の重さはちょうどよく」

そう!いつもよりちょっとおしゃれをして、それは自分だけが分かっていることなのだけれど、まとっている浴衣(とか、他の服でもいいけど)を体全体で意識している、ちょっと恥ずかしいけれどその心地よさ。
それをこのフレーズに表現できる井上涼、天才かよ。

その気持ちは、このくるり!とその表情でも表現されている。ここも一瞬なのでお見逃しなく!

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水のたゆたいを感じられる曲調といい、100曲以上ある「びじゅチューン!」の中でも屈指のハイセンスな名曲だと思っている。

他にも、普段と違う違和感・むずがゆさはこんな風にも表現されている。

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ついでにコーラス。
もう一度動画をご覧あれ

「そんなに悪くないなと思って湖畔着」の後に
♪ in箱根 と流れに乗って入れてみよう。
そう、この曲の元の絵、黒田清輝作「湖畔」は箱根が舞台だ。

さらにその後
「湖の静香ちゃんが『案外似合う』ってほめるから」
のところに、Uh~あたりで「静かな湖畔の森の陰からもう起きちゃいかがとカッコーが鳴く」のメロディーをかぶせてみよう。
出来ましたか?
ワンダホー!

オチはごまかしの「コホンコホン」、もちろん湖畔と掛かっているw
ラスト「気の進まないこともやってみるとNEW NEW NEW」の終わり方もいい!


井上涼天才かと一度書いたがもう一つ、この作品が作られたインスピレーションが素晴らしかったのでそれも天才かと紹介してしまう。

元の絵「湖畔」

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(画像は東京国立博物館からお借りしました)

これは黒田清輝が自分の婚約者を描いた作品だそうだが、この絵から井上涼さんはどことなく不安げな表情を感じ取ったのだとか。普段と違うやり慣れないことをして落ち着かない感じに見えたのだそう。

その感覚の鋭さがすごいと思う。
後付けで「明治30年の作で、その時代の普通のお嬢さんが婚約者の前でポーズをとって絵を描かれるその心情は、現代の私たちからはちょっと考えられないような緊張、戸惑いなどなどがあるのだろうなー」とは想像がつく。
けれど、それは「びじゅチューン!」の井上さんの解説を聞いたから。
この絵をじっくり見てその心情に思いが至る井上涼、鑑賞力も半端ないっす。


では今回はこの辺で。もう一度曲を聴きながらお別れしましょうw


私的極小ネタ図鑑のマイルール
・DVDBOOKの中で井上さんが触れられていることは取り上げない。解説はDVDBOOKも参考にする。
・登場人物は他の作品にも様々出るので、メインのネタとしては基本的に取り上げない。本当に一瞬のチラリ登場は、うれしすぎて取り上げるかもしれない。
・すんごくみみっちいどうでもいいことを中心に取り上げる。


びじゅチューン! 全作品はこちら↓



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