山田哲人について語ってもいいですか
ぼくは長年ヤクルトスワローズのファンだ。
チームの中では山田哲人のファンだ。
最近は調子を落としているのが少し残念だ。
山田哲人について語ってもいいだろうか。
彼はドラフトで外れ一位でヤクルトに入団した。
4年目からレギュラーに定着し、トリプルスリーを達成している。
ご存知の通りホーンラン30本、打率3割、盗塁30、それも3回も。
彼が打席に立つと何かやってくれると思わせるワクワク感があった。
いつホームランを打つかわからないから目が離せない。
シングルヒットならがっかりだった。
でも彼は違う。
盗塁だ。
周東選手のような圧倒的なスピードはない。
しかし天性のタイミングの取り方、トップスピードのまま飛び込んでいくスライディング、彼はテクニックで盗塁を量産した。
走れるホームランバッターがプロ野球界に出現した。
2015年のソフトバンクとの日本シリーズ。
ヤクルトは戦力の差からソフトバンクに圧倒されると、野球ファンは誰もが思っていた。
巨人が日本シリーズで8連敗した相手だ。
結果はヤクルトの1勝4負。
しかしその1勝をぼくは一生忘れない。
山田哲人の3打席連続ホームラン。
絶対的不利な状況で、彼は奇跡を巻き起こした。
凄まじい存在感だった。
2021年のオリックスとの日本シリーズ。
がっぷり四つで迎えた第五戦。
3点ビハインドで迎えた8回裏。
起死回生の同点スリーランホームラン。
結局、この試合は負けてしまったのだが、彼がホームランを打った後のテレビの映像があまりにも印象的だった。
ヤクルトを応援するスタンドのファンが泣いていた。
長年プロ野球を観てきた。
多くのホームランバッターを見てきた。
しかしホームラン一本でファンが泣いている姿をぼくは初めて見た。
この男に派手さはない。
しかしどんな不利な状況でも一発で形勢を逆転させて、絶望を希望に変えてしまう不思議な力がある。
ぼくは彼に多くの希望をもらい、プロ野球の楽しさを再認識させてもらった。
感謝している。
どんなに調子が悪くても彼が試合に出続ける限り、ぼくは応援をやめない。
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