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『推し』の考察


こんにちは。「推し素人」のverdeです。

推し」にプロアマがあるんかい!とツッコミをありがとうございます。なぜ私が「推し素人」と名乗るかというと、聞けば聞くほど、考えれば考えるほど、「推し」の定義がわからなくなってくるからです。


「推し」とはなんぞや。


この言葉自体が比較的最近できた、というか流行り出したからなのか、ピンと来ない人もたくさんいるのではないでしょうか。

まずは実際に「推しを持っていそうな人」にインタビューしてみようと思いました。いました!うちに二人も。


娘と息子は正真正銘の「推し持ち」だと判断しました。何故なら好きなものへの拘りや入れ込みっぷりがハンパないからです。

ここでもう一つのキーワードが浮かびました。それは『オタク』です。「オタクと推し」はきっても切れない何かがあるような気がしたのです。まぁ、勘というか臭いのようなものです。当てにはなりません。でも、何かこの二つが絡み合って一つの結論を引き出すことができるのではないかという直感がありました。

はい、言うまでもなくうちの二人は正真正銘の『オタク』です。では「オタクの定義とはなんぞや?」と聞かれても私にはわかりません。うちの二人が「私は(俺は)オタクだ」と言い切るのでそうなんだと判断しています。


まず、娘に「推しとファンの違いを教えて」と聞きました。すると意外にも「一緒や」と言うではありませんか。何なん?

ファン』ならわかる。好きで応援したい人。どうやらベースは同じようです。ではもう一つ質問。「ヒヨコ🐥(娘;仮名)の推しは何?」

🐥「ブリーチのいちご

・・・???

あぁ、そういえば高校生の頃、🐥の部屋に巨大ポスターが貼ってあったな。思い出した。

 そう。このお方。

確か「BREACH」の作者の久保帯人さんのサイン会に抽選で当たった時、号泣してたな。


・・・・・


🐥は小学生の頃からトランペットをやっている。吹奏楽部で一番初めにやった曲がBUMP OF CHICKENの『天体観測』だった。そこから始まったBUMPファン。アルバムやDVDは全て持っているしグッズももちろんたくさん買っている。去年から残念なことに禍の事情で開催されていないがライブには何度となく足を運び、例えば一つの会場で2日間開催される場合は2日とも抽選に申し込む。1日しか(それも奇跡だが)当たらなかった場合、外れたその日は「グッズ買いの日」として早朝からライブ会場へ行って並んで買う。なんでも「時間帯をずらして行かないと買えない」のだそうだ。色々な諸事情があるらしい。一昨年は九州や大阪まで遠征していた。なので当然「推しは?」と聞いて真っ先にBUMP OF CHICKENの名前が出てくるものと思っていたので意外だった。

私「ねぇ、BUMPは?藤くん(BUMPのボーカル)は?」

🐥「BUMPは推しじゃない。敢えて言うなら作品が『推し』かな」

・・・???

その真意を聞いてみと、BUMPのメンバー一人一人にはさほど興味ないらしい。ファンなら当然知っているはずのメンバーのフルネームや誕生日やTwitterなどは興味ないし見てもいないという。例えばもしも街でばったりあったとしても、声もかけないし写真も撮らないと言う。

作品が尊いんだよ。私はBUMPの曲が命なの。メンバーに関してはそれを生み出してくださってどうもありがとうございます、という感覚かな。」だそうだ。


ここで私が考える “『推し』や『ファン』との違い” を圧倒的に感じた。

私の『推し』は藤井風だ。その存在自体が尊い。よくぞこの世に生まれてくださった。同じ時代を生きることができて嬉しい。風くんのピアノを、歌を聴いていると幸せになれる。生きていく希望の光が見える。生活に活気が生まれ、ワクワクやドキドキが生きる気力を底上げしてくれる。もしも街であったら絶対声をかけるし握手したいし抱きしめたい。誕生日も出身地も知っているし、もっともっと風くんのことを深く知りたいと思う。

ここで大きく🐥との違いを知る。

娘の推しは作品。私の推しは風くん自身


息子のP介(仮名)にも聴いてみた。「P介の推しは?」

P介「うう〜〜〜〜〜ん・・・」

そんなに悩むんか。そして出した答えが「ハムスター

・・・???

何それ。他にあるっしょ。あんた、机の周りにあるフィギュアとかゲームとか漫画とか、なんか知らんけどごちゃごちゃ。

P介「いや、それはそうだけど、それは生活だから」

🐥「そうそう!そうなんよ。日常だから」


・・・・・


🐥はかれこれ5年間、『刀剣乱舞』というブラウザゲームをやり続けている。家にいる間中、そのために買ったiPadを離さない。しかしこれに関しても『推し』ではないと言う。

🐥「あれはライフワーク。私の人生だから。推しってわけじゃない」

刀剣乱舞』は日本の名刀をカッチョいい男性に擬人化した「刀剣男士」を収集・強化し、日本の歴史上の合戦場に出没する敵を討伐していく刀剣育成シュミレーションゲームだ。

修行に出した「刀剣男士」が3ヶ月程してある日突然「ご主人様、只今戻りました」と言ってめっっちゃんこカッコよく変身した姿で再び目の前に現れる。🐥泣いている。「あぁ。よく無事に帰ってきたのぅ」と本気で感動の涙を流さんばかりに。

・・・???

しかしそれはもはや『推し』や『ファン』という枠からは外れて『日常』なのだそうだ。


P介の話に戻そう。ハムスターが『推し』だという息子は、あるコアなエリアでは実はけっこう有名人なのだ。趣味の範疇を超えた彼の拘りから生み出した作品のDL数は6万を超え、世界中のファンから支持され様々な国からメールやコメントが届く。3年前にある無料ゲームサイトに発表したそれは、いまだに更新を続け、聞くところによると最終的な完結までにあと2〜3年はかかるらしい。P介の拘りは、まずそのストーリーもさることながら絵と音楽も全て自分一人で作ること。その都度仲間とのやり取りで相談しながらストーリー展開を進めるところもあるけれど、絵と音楽だけは全て一人でこなしている。そのゲームのために描いた絵は4000枚を超えるそうだ。音楽は独学で(高校時代はバンドでドラムを叩いていた)楽譜は読めないが、PCの打ち込みで作る楽曲は5パートぐらいの楽器を全て手作業で一音ずつ打ち込んで作る。物凄い手間暇だ。昔ピアノをやっていた私は和音作りやベース取りに時々駆り出される。気の遠くなる作業だ。

P介曰く「そんなヤツは他にはいない」そうで。拘りというのは凄い。寝食忘れるというのを本当に間近に見ていて思うのは、何か一つことに没頭できるというのもある意味才能だな、と。ただ、放っておいたら食べないし寝ないので、そばで管理する人間がいないと危険だ。はい、母の使命です。

そんなP介はファンからしたら『推し』の立場でもある。そこで聞いたことは「本物の推しオタクからは大抵Twitterではブロックされているよ」

・・・???

またもやワカラン事情。なんて?

P介「本気の推しに対してコメントなんて残せないし、スキも押せない。「スキ」なんていう軽々しい行動はしたくない。自分の存在を認知してほしくない。分かられたくないんだ。そっと物影から見つめていたい心理状態だね」

・・・???

🐥「わかる〜〜〜!!!そうそう!スキ押せない認知されたくない!」

二人によると、遠くの方から崇めているだけで満足なのだそう。むむむ・・・。それじゃあつまんなくないの?

🐥「私なんかの存在のために気を散らせたくないんだよ!とにかく邪魔な存在になりたくない。作品を作る上で何からも影響されてほしくない。だから自分のリアクションは届いてほしくない」

だ、そうで。

そして「推しに深くのめり込むオタクは推しの活動に貢献するための年貢(お布施ともいう)を欠かさない」のだそう。課金やグッズを買うなどして、その活動のための資金繰りに貢献することが最大の喜びなのだ。そういえばP介のファンから定期的に届くじゃがりこ段ボールP介がアマゾンの「欲しいものリスト」に入れている物なのだった。オタク同士は目でコンタクトがとれるとも言う。オタク同士には言葉はいらないんだそうだ。すごいな、オタク。

オタクあっての推し活動。そういえば二人ともやたらいろんなグッズを買っている。

ところでP介は2次元推しもけっこうあると思っていたけれど(ゲームや漫画の数は相当なものだ)なぜに「ハムスター」なんだ?

P介「もう、存在が神!ずっっっっっと、見ていられる。何もして欲しいとかない。見ていられればそれだけでいい」だそう。ほほう、そういう『推し』もありなのか。


複雑な『推し』心理。まだまだ私の中ではクリアになっていない。とにかく私は風くんの存在が生き甲斐だということだけはわかる。そして風くんに望むことはひたすら健やかに、心穏やかに、毎日楽しく生きてほしい。自分の音楽を、何にも邪魔されることなく、自由に思うように創作していってほしい。あ、それって🐥やP介が言っていた「自分の存在を認知してほしくない」という心理に少し通じる部分がありそうな気がするな。


むむむ・・・。考察は続く。


推しの考察記念』に私の『推し』の藤井風くんの『旅路』最新MVをここに置いておきます。ぞうぞご堪能くださいませ。



#推し #考察 #オタク #心理 #創作 #ファン


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