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余白が「悪」だという人

「あーあ、なんかスッカスカなんだよなぁ」


また、口の悪い言葉が耳に飛んできた。

それだけでも少し耳障りなのに
内容はもっと、残念だなと思う話。


チラシのデザインで
余白が少しでも多いと「スッカスカだね」という人がいる。
要は、もっと情報詰め込めないのか、と言いたいのだろう。

その人は少しでも余白を見れば「何か入れられないの」と
デザインを担当している人に意見を求めてくる。

情報量が多いこと、余白が少ないことが
正義だと思っているんだろう。

ただ、この意見、考え方には、僕はまったく共感できない。


例えば自宅に、文字や写真がビッシリの情報量が多いチラシを
投函されたとして、手に取った瞬間、読むだろうか。

僕は、そういうチラシのほとんどは、一瞬見て、2度目は無い。

情報量が多いというだけで
よほど自分の関心のあるチラシでもない限りは
ハッキリ言って、捨てる。

ほとんどの人は、情報量の多さで、離脱すると思う。

もちろん、ただ情報量が少ないだけが良いというわけではないけれど
適度に情報量をそぎ落とし、伝えるべきメッセージをしっかり目立たせて
余白をバランスよく使い
「まず見てもらう」というハードルを越えなければ。

見てもらい、関心を持ってもらったあと
初めて、チラシの内容を読んでもらえる可能性が生まれる。

なのに情報量を詰め込んで、紹介する商品につける強弱も微妙で
どれから見たらいいのかわからないような袋文字のチラシばかり。

ただ、スッカスカじゃないチラシが作りたいのか。
それとも
手に取ってもらって、見てもらって、購入に繋がるチラシが作りたいのか。

毎日毎日、そういう話を横で聞くたびに
「もっと売上、上げられるのにな」と思う。

ただ、そういう人に限って
こちらからのアドバイスをしても、まともに採用はしない。
結局、今まで通り、スッカスカを埋めるためのチラシを作る。

大手企業が、この現状。

その現場にいて、とても、反面教師として
毎日素晴らしい勉強をさせてもらっている。

自分がもしデザインをするなら、どうするのか。
日々考え、頭の中でイメージし、いつでもカタチにできるように。

どんな状況でも、自分の学びにはできる。

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