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先輩編集者の変化

「もう、別に、そういうの気にならなくなったんだよ」


その人の言葉は、とても軽快で、自由だった。


数日前から、山口周さんのVoicyを聞き始めた。

ここ数か月、意識が落ちていたのもあって
情報に疎かったけれど
また、そういう"知りたい"という意欲が戻り始めたのもあって
色々調べていたときに、山口さんのVoicyにたどり着いた。

山口さんの本は、何冊か読んでいて、とても好きで。
ネットで単発的に取材される記事とかも、読んでいたし
YouTubeにアップされている動画も、何本も見ていた。

そして次にたどり着いたのは、音声メディア。

Voicyは、一時期、西野亮廣さんをめちゃくちゃ追いかけていたときに
ずっと西野さんのを聞いていたけれど
僕がメンタルを壊してから、一切聞かなくなっていた。

ほんとうに久しぶりに立ち上げては、耳から流れる情報。
やっぱり移動しながら、何かをしながらの、ながら聞きができるのは
ほんとうにいいメディアだなと思う。

それによって生じる違和感もあるけれど、それでも良いものだな、と。


その山口さんのVoicyの中で、最近の回にアマチュアイズムの話があって。

とても面白かったので、ぜひ聴いてもらいたいけれど
その話を聞いて、思い出したことがある。

それが冒頭のひと言。

これは、僕の友人の先輩編集者さんと話していたときに出てきた言葉。

その先輩は、編集者として実績もあるし、経験も豊富なベテラン。
僕はその人にいくつもの大事なことを学んできた。
出会いから数えると、もう15年来くらいの仲になるけれど
未だに定期的に言葉を交わしては、お互いとても刺激し合っている。

その人が言った、冒頭の言葉。

その人は、実は本来、やりたかったことは「書き手」だった。
小説家になりたかったようで、そちらの道を探りつつ
編集の仕事をし始めていったら、いつの間にか編集者が本業になった。

小説家は、途中でその想いを胸にしまったままだったけれど
仕事をしながら書き溜めていたものはあったようで
自分の小説を出したいという想いはあったという。

ただ、ここ数年で、変化が訪れて。

「売れたい」「本を出したい」「有名になりたい」

そういうコトが、気にならなくなった。
そして、今では、自分の時間を見つけては
あくまでも「趣味」の楽しみとして、小説を書いているらしい。

それは、別に誰かに見せるわけでも、どこかに発信するわけでもなく
ただただ「自分が楽しいから、書く」という。

その話を聞いたとき、スゴイなと、思った。

僕は、本音を言えば、有名になりたいとか、売れたい、は、無いけれど
「たくさんの人に読んでもらいたい」という想いは、ある。

けれど、そこから少し離れて
ただ書くことに対して、純粋に楽しむということは
僕も大切にしたいコト。

改めて先輩に言われたとき、その言葉に、ハッとなった。


そして、山口さんのVoicyを聞いたとき、その話を思い出して。

山口さんの最初の著書も
お金は発生しない、自らのブログ記事から出版の声がかかった。

いわゆる"プロ"と言われないところで
そのクオリティを保ちつつ、制限なく自由に表現することで
とても大きな"価値"を生むことが、確かにある。

自分自身のこれからの道のりも
おそらく、そこにあるなと感じることが多く
アマチュアイズムについて、改めて考えるキッカケになったし
自分がいま、リアルタイムで行動していることに
とても通ずることがあって、ポジティブになれた。

また、久しぶりに、そういう話を先輩としたいな。

そして、こうして書いている言葉、一つひとつが、いつか
自分自身の価値になると、信じている。

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