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勝手に10選〜カッコいいアルバムジャケットPart.5(邦楽編)〜

(前記)

張り切って邦楽編に移る。


・GO

GO

チェッカーズが全曲を初プロデュースしたオリジナルアルバムだ。

夜中に都内某所で私服のままゲリラ撮影したフォトである。
このアルバムの前約3年間にはチェックの服を着てアイドル路線であったが、このアルバムの頃からセルフプロデュースにこだわり、元の事務所やプロデューサーと決別し、本来の演りたい自分達の音楽へ歩み出す。

そんな決意、気迫を、元来のロックへの回帰、みなぎるパッションを持って、かかってこいよ、と言わんばかりの勢いを感じさせるジャケットだ。


・COME TOGETHER

COME TOGETHER

The Birthdayによる7枚目のアルバム"COME TOGETHER"のジャケットだ。

黄緑がかった色合いに加工されたメンバーをぼやかすことにより、赤で凛と記されたタイトルとアーティスト名が見事に引き立っている。

タイトル名とアーティスト名の並ぶ横幅を統一にし、タイトルは細字で大きく、アーティスト名を太字で記すバランス感も見事にである。

まさに壁に飾りたいジャケットである。


・MUSICMAN

MUSICMAN

桑田佳祐さんのアルバム"MUSICMAN"のジャケットだ。

石庭の真ん中に全身を赤で塗られた女性が丸くうずくまっている。
総体的に日の丸にも見え、胎児や太陽も連想される。

製作サイドは、生命力のメタファーとして、胎児や幼児をイメージさせる意図であったが、なるほど元来石庭の持つスピリチュアルな要素と見事に融合し、様々な角度から見る者を魅了するジャケットである。


・PUNCH

PUNCH

ザ・クロマニヨンズのアルバム"PUNCH"のジャケットだ。

巨大な2本のネジだ。
それらのネジの周りから黒で背景を塗り、手書きの様な白でアーティスト名、絶妙なパープルがかったピンクでタイトル。

実にカッコいい。それだけで良いではないか。

・ハチミツ

ハチミツ

スピッツのアルバム"ハチミツ"のジャケットだ。

湖の畔であろうか、白濁している様な水の色と
咲く花の色が程よくマッチして緑の草むらと見事に融合している。

それらの背景に少女の赤いワンピース映えに映えている。手に持つ小さなガットギターの色もまた非常にマッチしている。

少女の顔が目より上が隠されており、夢か思い出か、様々なストーリーを想像させてくれるジャケットである。


・俺たちのロックンロール

俺たちのロックンロール

斉藤和義さんのアルバム"俺たちのロックンロール"のジャケットだ。

白を背景にモノクロームの斉藤和義さんが、ギターアンプに寄りかかる。長身でスタイルの良さが活かされている。

ギターだけリアルに色付けしてあるが、これはグレッチのホワイトファルコンというギターで"世界一美しいエレキギター"とも呼ばれ、このギターを強調する事でロックンロールを象徴している。

足元のピンクも、これまた古き良きロックンロールを想起させるのだ。


・DEEP RIVER

DEEP RIVER


宇多田ヒカルさんのアルバム"DEEP RIVER"のジャケットだ。

モノクロームの写真1枚である。
タイトルもアーティスト名も無く、その顔写真と存在感だけで、つい見とれてしまい、手に取りたくなるジャケットだ。

宇多田ヒカル、ここにあり、という写真から伝わる人間として、シンガーソングライターとしての凝縮された魅力には圧倒されてしまう。

・生命力

生命力

チャット・モンチーのアルバム"生命力"のジャケットだ。

白枠に青の背景で、メンバーの顔がシルクスクリーン風に黒で描かれ、黒白のドットが見事な大きさ、位置にバランスよく配置される事で、メンバーの顔も引き立っている。

向かって右上の角をカットし、白地に黒でクレジットを記す事で、全体的にアルバムジャケットとして締まっている。


・PIL

PIL

浅井健一さんのアルバム"PIL"のジャケットだ。

白の背景に上半分がシンプルなフォントでタイトル、下半分がベンジーさんのフォトで、バランスが非常に素晴らしく、ベンジーさんも実にカッコ良い。

しかし、このジャケットの肝はベンジーさんの皮膚が少し青味がかったグレーなところである。
この色が全体に統一感と安定感をもたらしている。これが白であったら、印象がガラリと変わり、チープ感が出ていたかも知れない。

シンプルかつミニマムなカッコいいジャケットのお手本である。


・大瀧詠一

大瀧詠一

大瀧詠一さんのファーストアルバム"大瀧詠一"のジャケットだ。

摩天楼の夜景を背景に真ん中にキスをするカップルのイラストが実に素晴らしいコントラストとなっている。

このイラストは古着好きならお馴染みのブランド"SEARS"の1950年代のカタログをアレンジした、と言われているが原画は不明である。

ブロンドの白人女性と、グレーの顔と髪の毛に青の光沢を持つ男性のコントラスト、また背景における夜景の緑と赤の素晴らしいコントラストとなり、全体的な雰囲気の融合が実に見事だ。

時代を超えて、実にカッコいいジャケットなのだ。


(後記)

アートワークとしてのアルバムジャケットという存在が希薄になり、寂しい気持ちであったが、最近は老舗のディスクユニオン、渋谷のタワーレコードなど、久々にレコードも復活の兆しが見え始めている。

デジタルカメラもしかり、デジタルな音楽はドットの集合体である。
どこまで小さくなってもドットはドットであり、完全な波形とはならない。

デジタルの時代に作られた音楽であれば、そこまでの違いはレコードででないかも知れないが、CD以前の音楽をレコードで聴くと暖かみ、滑らかさが違うものだ。写真もそうである。

音だけでは無く、レコードの迫力、存在感は素晴らしい。

興味があれば1度レコードショップを覗いていただき、1枚お気に入りのレコードを手に取って頂きたい。
何かが始まるかも知れないので。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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