はじめて立ったときのあなたの顔
数日前に、息子がはじめて立ちました。
時間にして数秒。
つかまり立ちはしていたのですが、突然座っていたところから、よいしょ、と立ち上がって、1、2秒。
よろよろとバランスを取っていたものの、あっというまにぽてり、と尻もちをつきました。
そのはじめて立った時の彼の顔が忘れられません。
ビリビリと体中に電流が走っているような、集中しながらも、笑っているような。
こわいほど真剣なのに、興奮しているような。
ぶんぶん頭の回路が活性化しているような。
それはもう、魅力的な顔でした。
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私はひとの集中している顔が好きです。
意外なことに、0歳の息子は何度もそんな素敵な顔を見せてくれます。
最近はおへそに興味が湧いたようで、自分のおへそをいじったり、父や母(私)のTシャツをめくっておへそを触ったり。
私は以前へそから腹腔鏡を入れて手術をしているのであまりほじってほしくないのですが、手でおへそを隠すと「ていっ」と息子に手をどかされます。
何度も、何度も。
服でおへそを隠しても、ぐいぐいと一生懸命めくろうとします。
そのときの集中力と執着はなかなかのものです。
どんなに話しかけても、おへそだけを見て、たぶん何かを感じています。
昨晩は、部屋の明かりをつけるリモコンの「豆電球」と「真っ暗」のボタンが急にわかったようで、何度も押して明るさを変えては、真剣な顔で考えていました。
彼の中で演算が行われている感じと言いましょうか。
今彼の中で何かか急激に結びつこうとしているんだろうな、というのが感じられる時が何度もあります。
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それでもあの「はじめて立ったときの顔」は格別でした。
これまでで群を抜いて刺激的でした。見ているこちらの脳みそもバチバチしそうな。
不思議なことに、それ以降何度も「立つ練習」をするようになったのですが、その時の顔はすごく楽しそうで、にこにこしていて、面白そうなんです。
座っているところから床に手をついて立ち上がり、ゆらゆらとバランスを取ろうとするも立ち続けられなくてまた尻もちをついて、ということを何度も何度も、何度も繰り返します。
おかげで10秒くらい立っていられるようになってきました。
この時、立っているときの顔は笑顔で、すっごく楽しそうなんですけれど、やっぱり「はじめて立った時の顔」とは違うんです。
あれは本当に貴重な姿だったんだなと思います。
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それでも、立つ練習をしているときは、顔もにっこにこで声をあげながら笑っているので本当に楽しそうです。
はじめての感覚、少しずつできるようになること、今までに無い目線の高さ、体のふわふわした感覚、背骨や腰に感じる体の重み、ふわっと自由になる両手など、すべてが刺激的なのだろうなと思います。
自転車に乗れるようになる感覚かな、と自分の経験から引っ張り出しますが、それよりよっぽど楽しそうです。
いいなぁ、でも自分にもそんな時があったんだろうなぁ。
子育てって大変なんだろうなぁと思っていましたが、彼らは未熟でありながらも、ものすごい速さで日々変化していくので、とてもとても刺激的で、魅力的です。
ついでにめっちゃかわいい。
今、息子は立ちはじめましたが、ここから歩きはじめるにはまた別のステップが必要な期がします。
いったいこの状態からどうやって歩き始めるんだろう……?
まるで見当がつかなくて楽しみです。
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大体1歳ごろ歩き始めるときいていたものの、特にその気配が感じられないので息子はゆっくりめなのかなぁ~と思っていたらこの2日間で突然立つようになってきたので驚きです。
人間っていったいどうプログラミングされているんだろう。
私の目からは突然にみえるけれど、本人の中ではもっと一連の何かがあるのか。
わっかんないなぁ。でもそれが面白いです。
今日も私も夫と息子の日々が、愉快で刺激的なものでありますように。
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