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4歳息子はじめての地震

先日、4歳の息子が物心ついて初めて「地震」を経験しました。

私は東京在住ですが、最近地震が続いています。ただ、眠っていると震度4でも息子は起きず、意外と子どもにとっては平和な日々でした。

しかし、先日夜9時ごろ起きた震度3の地震の時は、息子が起きていて。

はじめての地震!そのとき息子は

日本に長く住んでいると地震にはある程度慣れてしまいますが、子どもが生まれてからは”守らねば”と警戒心が高まるようになりました。その日も揺れを感じてすぐ息子を見ると、顔が白くこわばっています。

怖いんだな。

そりゃそうだ、と思いつつ、机の下へ誘導しようとすると、自らシャシャシャッと素早く潜り込むではありませんか。

その的確な身のこなしに驚きつつ、私も机の下にもぐると、やはり顔はビビり倒している息子。目を見開いて小さく震えています。「大丈夫だよ」「お母さんがいるからね」とひたすら話しかけているうちに地震は収まりました。

毎月の保育園での防災訓練が活きている

揺れが収まり、すぐ机の下に入って偉かったね、と話すと

「じしんのときはねぇ、つくえのしたにもぐるんだよぉ! それでね、かいだんからおそとにでるの」

とスラスラ語るではないですか。

実は保育園では、毎月避難訓練が行われています。
国が定めた「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に基づき、都の条例で定められているのです。

【東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例施行規則】
第五条 条例第二十条第二項に規定する避難訓練及び消火訓練は、少なくとも毎月一回実施しなければならない。

この成果が出たのだと思います。

最初に通っていた保育園では、「0歳の子は自分では歩けないので、保育士がおんぶに抱っこして避難します。おんぶ抱っこ慣れしてないと、ぐずってしまって結果的に避難が遅れるので、毎月の訓練で慣らすんです」と仰っていました。

確かに、保育園児は幼いですから、制御・統制するのは大変です。日々の訓練の大事さを感じました。

子どもは案外しっかりしている

しかも子どもは素直なので、案外ちゃんと理解して実行します。

例えば息子はまだ4歳ですが、手をいわゆるマニュアル通りに、とても丁寧に洗えるんです。

平時だったら4歳児にここまで求めませんが、コロナ禍なので、正しい手洗いの方法を大人や動画から学んだ結果、しっかり手首も爪も満遍なく洗えるようになりました。

小さいからといって、子どもの力はあなどれません。
大人の方が、経験が邪魔して新しいことを受け入れにくかったり、変な解釈をしたりしてしまうことがありますもんね。

東日本大地震では、「想定にとらわれるな」「その状況下で最善を尽くせ」「率先避難者たれ」という防災教育を受けた子どもたちが避難するのをみて、大人たちも続いたという話もあります。

息子のスマートな行動をみて、子どもへの教育の重要性を改めて感じました。

強いから守れるのではなく、守るものがあるから強くなれるのかも

そして驚いことがもう一つ。実はこの日、仕事が山場を迎えていたうえに、子が通っている保育園でコロナ陽性者が出て、かなり精神的にまいっていました。

そのうえ地震まで起きて「もう勘弁して!!」という気持ちだったのです。

でも初めての地震に怯えている息子をみたら、疲れとか、苛立ちとか、一瞬どこかへ飛んでいって「大丈夫だよ、お母さんがそばにいるからね」なんてやさしい声が自分の声帯から出てきました。

びっくりしました。

私はただの中肉中背の35歳女性で、特殊訓練を受けているわけでもなく、巨大地震が来たらまぁ普通に死にます。「大丈夫」に何も根拠はないのですが、子を安心させるためならそういう言葉がスルスル出てくるんですね。

別に私自身は強くないのですが、守るべき存在のおかげで強くなれるのかな、と思いました。

近年、子どもは贅沢品だと言われるようになりました。そういう側面は実際あります。我が家もこれ以上は産まない予定です。無茶苦茶な生育環境で育つのはつらいですから、大人側に冷静な判断が求められるのは確かです。
でも、「準備ができたからできる」だけでなく「やるしかないから出来るようになる」ことも世の中には沢山あって、強いから守れるのではなく、守るべき存在のおかげで、いくらか強くなれているのかもしれません。

いつか肝っ玉かあちゃんになれるかなぁ。

子どもの存在は、愛おしく、面白く、刺激的ですね。
とはいえ地震は嫌です。なるべく来ないことを祈ります。


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