リアルタイムでハマれるのはきっと貴重だから
今どきのお子様は、ハマるコンテンツが多様だとご存知でしょうか。
ある週末、5歳の息子と公園で遊んでいたら、『ドラゴンボール』にハマっている9歳の少年と出会ったんですね。
なんとなく仲良くなり、一緒に氷鬼をすることになって、運動神経の良い少年に翻弄されながら追いかけっこをしていたら
「DAN DAN 心魅かれてく、ってね」
とその少年が口にしまして。
これはアレか、私の知ってるあの曲か?と思っていると
「CHA-LA HEAD-CHA-LA〜〜♪」
と歌い出し、「『ドラゴンボール』って知ってる?」と尋ねるではないですか。
知ってる〜〜!! おばさん、世代なはずなのに詳しくないけど知ってるよ!! むしろ令和キッズの君はなぜ1980〜90年代のアニメを知っているんだい。
「ネトフリでみた」
とのこと。彼は悟空が好きだそうで、スーパーサイヤ人の進化系をすらすらと挙げ、悟空の強さは世代も元号も超えて男の子に愛されるんだなぁと実感しました。
なんせ9歳の彼、2013年生まれですからね。それでも2、30年前のアニメにハマっているというわけです。
そういえば、保育園でも『ゲゲゲの鬼太郎』にハマってる子がいたり、姪も幼児期は『セーラームーン』が好きでした。
今は配信で昔の作品も観れるので、テレビの放送時期にかかわらずその時出会った物語にハマるのでしょう。
つくづく、「みんなで同じ番組を観て、同じものにハマる時代ではない」んだなぁと感じました。
🎄🎄🎄
ところで今年の息子へのクリスマスプレゼントは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の「DX龍虎之戟」なんです。
いわゆる"戦隊もの"ヒーローの武器ですね。サンタさんに何貰いたい?と聞いたらこれ、と答えましたので。
こういうおもちゃって、寿命が短いかもしれないですよね。番組が終わったら飽きるかも。ちなみにこの番組、来年2月くらいに終わる見込みです。飽きちゃうかな……。
でも迷わずこれにしたのは「おもちゃが買えるようなリアルタイム作品にハマれるのはもはや貴重かもしれない」と思ったからです。
例えば息子が最初にハマったコンテンツは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でした。あれはびっくりしたな。
仮面ライダーなら『仮面ライダー電王』(2007年)、ウルトラマンなら『ウルトラマンギンガ』(2013年)をよく観ています。
どれもちょっと昔の作品です。なのでおもちゃなどを入手するのは難しい。新品など至難のわざ。
でもリアルタイムでハマれば、おもちゃも買えますし、お菓子やパジャマなどの関連グッズもあります。どれも新品を比較的簡単に入手できて、たまたま同じ作品を観ている友達がいれば一緒に盛り上がることもできます。
人生の中で、おもちゃがあるコンテンツにハマる時期がそもそも短いうえに、過去作品含め多様なコンテンツを観られる環境で、リアルタイム放送中の作品のおもちゃを欲しがるなんてもしかしたらもう無いかも!
と思いました。
かつてセーラームーンの変身アイテムを大事に大事に集め、あのプラスチックのテカテカした輝きが本気で煌めいて見え、変身できるとまでは思っていなかった気がするけど、"あのセーラームーンと同じものを持っている"というだけで昂り、しあわせな気持ちになった私としては、今ハマっている作品のおもちゃで存分に遊ぶ楽しさを満喫して欲しい。
今でも覚えているあの高揚感。
ふわふわと物語世界に溶け込むような陶酔。
憧れ、キラキラした気持ちに包まれ夢中になったあの日々。
物語世界を楽しむことは、たぶん私が出版の仕事を選ぶ事にもつながったし、人生を楽しみ、つらいときに踏ん張るのにも役立ったから。
かつて普通だったリアルタイム放送中の作品にハマり、そのおもちゃで夢中に遊ぶことが、意外とレアな事になってるんだろうなと思った今年のプレゼント選びでした。
喜んでくれるといいなぁ。
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