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3歳男児、はじめての七五三撮影と魂の自由について

遅ればせながら、息子の七五三の撮影を行った。

年末年始の帰省がコロナの影響で難しそうなので、かわりに七五三の写真を両家に送ることにした、というわけである。

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男の子の「被布」もかわいい。こげ茶色の、ベストみたいなやつだ。着付けをみていて、裾を合わせて紐でウエストを止め、被布をかぶればキチンと見えるのが、なるほど子ども向けだなと感心した。小さい子にちゃんとした帯やカッチリした着付けは難しいだろうから。

5歳は「袴着の儀」で袴なので、3歳でしか着られないと思うとつい、男の子用被布のレンタルができるスタジオを選んでしまった。とてもかわいくて、何度も何度も見返してしまう。

でも本題は写真ではなくて

3歳なりに気を遣って生きている

それなりにお金もかかる撮影。できれば笑顔のかわいい姿を撮りたい。でも、やんちゃだしイヤイヤ期だし、普段と違う服装、環境で、上手くいくかな……?

親のエゴ全開で数日前から心配していた。

ところが、びっくり。普段イヤイヤ三昧の息子が、当日スタジオに入ってからはひたすら大人の指示に素直に従い、いわゆる「いい子」に振舞っていたのだ。

一軒家のスタジオだったのだが、まず玄関から上がる際に、自ら靴を脱ぎ、丁寧に揃える。

びっくり。家でも一度しかみたことない。
事前に言い聞かせていた訳でもないのだ。

家を出るまでは「お写真いや〜」「撮らない〜」と言っていた息子が……。コロナだし、普段、よそのお家に上がる経験もほとんどないのに。

その後の着替えも、家では「脱げない〜」と甘えてくるところを自ら脱ぎ出し、大人しく着付けてもらい、あっちに立ってね、これを持ってね、という指示にも素直に従う。

家では夫の背中によじ登ってジャンプしたり、蹴りを加えたり、基本動作が「走る」で基本応答が「しなーい」の息子が。

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実は、撮影当日、息子氏、お昼寝もしなくて。これはもう泣いて嫌がって大変な撮影になっても仕方がないと覚悟していたのだ。

それが驚くほどスルスル進むではないか。

スタッフさんやカメラマンさんにも「3歳の男の子だからもっと大変かと思ってました」「5歳の子より順調かも」「いい子ですね!」と褒められまくったが、私は内心複雑で。

3歳でも既にまわりに気を遣って生きている。そうまざまざと見せつけられたように感じたのだ。保育園に通っているから、うっすらそうなんだろうとは思っていたけれど。「ウチ」と「ソト」を既に分けている。我が子ながら、そして撮影を組んだのは私だが、「まじかーー」という気分。

自由で強烈な、息子の魂

私は息子の自由な魂に魅かれているところがある。

親としては、イヤイヤされるとつらいし、言うことを聞いてほしいと思うこともある。

でも、トイレを断固拒否する意志の強さとか、パンツを履いている時は尿意を我慢し続ける根性と美学とか、お遊戯会の通し練習でいつものように公園に行けなくて怒り狂うところとか、みかんを食べると言ったら食べ尽くすまで止まらないところとか、ブロック遊びに集中している時の静けさとか、そういう、自由で強い魂を、眩しく好ましく感じているのだ。

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このところの息子は、自我が育ってくる年齢だからか、とても自己主張が強いし、割とやりたいことをはっきり言うし、おおむね曲げない。

大人の言うこともあまり聞かない。その時にもよるけれど、保育園でのお迎え時の様子や、行事の動画を見ていると、他の子より従順じゃなさそうな気がする。

ちょっと心配だったりもするが、トイレ以外の日常動作は出来ているので、これはこれで良いかなと思ったりもして。

トイレ拒否には頭を悩ませているけれど、「ママもパパもお友達も(トイレに)いくけど、僕は行かない!」と言われた時は、なんかもういっそ清々しくてかっこいいなと思ってしまった。そうか、そこまで言うなら、もういいか、いずれはするようになるだろうしとこちらも改心(?)した。

ぶつかると「強い…!」と面倒に感じることも、腹立たしいこともあるけれど、一方で好ましく、かっこよくも感じているのだ。我が子ののびのびとした真っ直ぐな魂に。

成長しながら、魂の自由も確保できるか

だから、従順でお利口さんな息子を見て、動揺してしまった。

社会のルールは身につけてほしいし、集団行動では好き勝手できるものでもない。

徐々にそういう「型」みたいなものを息子も身につけていくのだろうし、それを教えるのは私でもある。

でも、なんか、息子の自由で強烈な魂が、おとなしく窮屈な型の中におさまってしまうのは、なんだかつまらない。

いつまでも手のかかる子どもでいて欲しいということではない。あくまで魂の、魂の自由の問題。

社会規範を身につけつつ、なるべく彼の魂の自由を損なわずに成長を重ねていくにはどうしたら良いのだろう。 

そんなことを考えてしまった帰り道であった。

もっとも、撮影後は早速控え室でソファーからジャンプしていたし、今日も基本動作が「走る」で基本応答が「しなーい」で、「あはは!」とくしゃくしゃに笑いながら走り回っていたからそんなに心配はいらないのかもしれないけれど。

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