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「合いの手」という秘密兵器 ~モンスター撃退法~

先日、このnoteでマンションの大規模修繕工事においてマンションのモンスターと戦った女性の連載を読んだ。

 大変なご苦労がつづられ、そこに登場するモンスターはそんじょそこらのツワモノではなかった。

 マンションに住まうモンスターとはすなわち、
「大声で持論を展開し、管理組合を思いのまま動かすことで自己顕示欲を満たそうとする所有者の総称」
であるとわたしは定義している。

 モンスターは多くのマンションに生息している

以前に勤めていた管理会社では、住戸数に対し4%程度の生息率と伝えられていた。100戸のマンションなら4人という計算になる。だからたとえ30戸の小規模マンションでも、一人は存在することになる。

 ところで、この厄介な生き物は、いつも覚醒しているわけではないという。ある時は「起きて活動し」、ある時は「眠って動かない」。
そして、モンスターをなぜか目覚めさせてしまう管理会社の担当者がいるというのだ。

 この話をとある上司から聞いたわたしは、「目覚めさせてしまう担当者」とは、不要不急の工事をやたらさせる“売り上げ至上主義”担当者だろうと推理した。

 管理会社だけに反応するモンスターがおり、眠っているようでも管理会社の行動を常に監視しているため、そのように見えるのだろう。

 しかし、本当に厄介なのは、管理会社に目覚めるタイプのモンスターではない。

一生懸命に管理組合活動をする理事や役員に対して容赦なく攻撃を仕掛けるタイプだ。

 このタイプのモンスターは、3種類に分類できる。

   理事会や総会という公の場で持論を長々と展開し、その他の人達の時間を奪うモンスター(演説家タイプ)

   苦労して進めている理事会や委員会の仕事を完全否定して、ひっくり返すことに喜びを感じるモンスター (破壊タイプ)

   どんな些細な内容にも持論を展開し、相手を攻撃しなと気が済まないモンスター(攻撃タイプ)

 大規模修繕工事などで理事長が直面する苦労の大半は、このいずれかのモンスターからの理不尽で狡猾な口撃であると思う。

 わたしが体験したモンスターは、大規模修繕工事の工事業者について総会決議をひっくり返し、臨時総会で理事長および理事役員を罵倒する演説をながながと披露した、破壊タイプと攻撃タイプの複合型だった。

 当然このマンションの総会にはその他の所有者は出席しない。
 人の悪口が延々と述べられる会議に誰が喜んで自分の時間を割くというのだ。

 出席組合員がいても、恐怖のあまりだれも反対意見を述べたり、理事を擁護したりしない。

あの人がいるから、怖くて理事会で何も決められない。そのような話を多く聞いた。

 結局、このマンションの管理会社は10年間で4回変更された。最終的には、1戸当たり年間4万円を超える管理費の値上げを所有者は飲まざるを得なかった。

 これは、モンスターによってもたらされた、その他所有者の損害である。
モンスター放置は、マンションの不利益に直結するのだ。

 さて、ではモンスターを撃退したいマンションはどうすればよいだろう。

 一つの案としては、一対一で対峙しない、複数で反撃することだ。

モンスターが乗り出して来たら、役割を決めて周囲から複数で反論する

反論に対して「そうだそうだ」と、合いの手を入れる。相手を孤立させるチームワークが必要だ。 

合いの手は何よりも効果的だ。反論できなくても、「そうだ」の一言を複数人で言うことはそう難しくない。 

この、合いの手がないから、一生懸命職務を行ったにもかかわらず理事長は孤立しモンスターが仕切り続けるマンションになってしまう。

 それができれば、困っていない? しかし、やってみる価値は大いにある。

 あなたのマンションは、すでに実害を被っていないと言えるだろうか?


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筆者のお仕事 ちいさな管理


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