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大規模修繕工事と理事長 ②

わたしの知り合いの元理事長は、400戸という大規模マンションの大規模修繕工事の際、管理会社の力を全く借りずに工事を理事会主導で実施させた。

1日おきに夜の約3時間を修繕工事委員会に費やす日々を2年近くおくったと言っていた。

また、つい最近わたしに話をしてくれた別の元理事長は、管理会社が提案してきた大規模修繕工事内容を見直し、業者選定を管理組合主導で行い、修繕積立金の範囲内で工事をまとめ上げたツワモノであった。

その理事長は、大規模修繕工事に関して公的な機関に相談に行ったり、ネット検索をしたりしてプライベートの時間を相当費やし何とか工事完了までこぎつけたものの、マンション内であまりにも揉めたことと、管理会社への不満と不信感から、マンションを売却して出て行ったということだった。

マンションのことを思って苦労しながら理事長職を全うしても、様々な人が住む共同住宅では、何もしない人から散々なことを言われてしまうことがある。

この元理事長は大変な苦労をされ気の毒だが、本当に気の毒なのは「優秀な管理組合のリーダー」を失ったマンション所有者のほうだと言えるだろう。

では、マンション所有者はどのように大規模修繕工事に挑むべきか。

資金が不足している組合でも、修繕積立金の範囲内で、できれば積立金を使い切らない額で修繕することを基本とすべきだ。

まず、修繕に優先順位を付ける。

修繕個所を必要最低限まで絞ってもどうしても足りない場合は、不足分を一時金として徴収する。

そして、先送りする箇所の修繕時期を定め、修繕積立金の値上げを決めていくのだ。安易な借金は、財布のひもを緩め、不要不急の工事が入り込む余地を生むだろう。

資金が十分ある組合でも、積立金を出来るだけ残すようプランを見直し、業者を選定することが重要だろう。

そして、理事会の理事長や役員は相当な苦労をしていることを肝に銘じて、所有者として協力してほしい。

それができれば、次回の大規模修繕工事もうまく乗り切っていける管理組合になるだろう。

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