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機械式駐車場の手放し時 ①

大都市圏のマンションの多くでは、機械式駐車場が設置されている。地下1~2階地上3階程度が一般的だろう。

機械式駐車場にはとにかくお金がかかる。

地下部分があると、排水のためのポンプが複数台スタンバイしているし、一定期間を経過すれば塗装の必要があり、操作ボタンの修理・取り換えが発生し、10~15年程度で機械部品や駆動部品の一斉交換に相当な費用を要する。

また、当然だが3か月に一度程度の点検の必要があり、費用が発生している。

しかし、この機械式駐車場は利用者から毎月使用料を徴収しており、管理組合の収入源にもなっている。

使用料は多くの場合、管理組合の一般会計に充当されるが、この金額が一般会計の40%以上を占める組合もあり、駐車場使用料が入らなければ、一般会計が大赤字になる組合が多いのが現状だ。

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昨今の車離れに加え、ここ10年以上、車の車体が総じて高くなっているのに、10~20年以上前に設置された機械式駐車場はハイルーフの車を駐車できる区画が少ないことも空き駐車区画増加の要因の一つだ。

また、居住者の高齢化も影響しているだろう。

機械式駐車場は収入もあるが、継続的にかなりの支出も発生するうえ、都市部では長期的に利用率低下が加速する可能性が高いのだ。

維持費を使用料で賄えなくなれば、当然、組合会計から補填することになり、管理組合は機械式駐車場の維持を見直す必要に迫られることになる。

実際、利用開始から20年程度で機械式駐車場を撤去する組合が都市部で増えている。

判断できずに問題を先延ばしにしている組合は、理事会で少なくとも4~5年かけて話し合い、毎年総会で撤去を話題にするぐらいの長期計画が必要だろう。

一般的に、都心(東京都内や大阪市内のような)で交通が発達している立地なら、撤去は早い傾向がある。費用対効果を早々に見極めて、判断することが妥当だろうと思う。

次回は、具体的な検討の進め方を提案する。

機械式駐車場の手放し時 2


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