機械式駐車場の手放し時 ②
もし、駅に徒歩10分以内のマンションに住んでいて、子供たちも成人し、家族サービスの義務から解放されているとしたら、マイカーをいつまで所有するだろうか。
特に釣りやキャンプやサーフィンの趣味もなく、もちろん車の運転がストレス発散方法でもないとしたら。
そもそも、車の維持よりも優先順位の高い支出が目白押しだったら。
あなたが、70歳を超えていたら。
マイカーを手放す要因は無数にある。
同じように、マンションの駐車場、特に機械式駐車場を手放す要因も経年とともに増していくことは自然なことだ。
しかし、撤去に伴い、利用料収入減少による管理費値上げや、駐車できない居住者の不便、駐車区画の空きがないマンションのとなることよる市場価値低下等について懸念する声も上がるだろう。
では、管理組合として、機械式駐車場の存続をどのように検討するべきだろうか。
理事会および総会で4~5年かけて検討を積み重ねる方法を下記のように考えてみた。
・機械式駐車場の費用を洗い出し、「いつまで使用するか問題」を理事会の 課題とし、一定の期間検討することを総会で明確にする(決議は不要)
・5年程度の期間を設けて、駐車場稼働状況の推移をみる
・マンション周辺の駐車場の需要(空きがあるか、料金は低下しているか)を観察する
・撤去費用の見積もりを取得する
・向こう10~20年間のメンテ費用を試算する(メンテナンス会社から取得)
・毎年の総会で経過を報告し、撤去の可能性を共有する
・管理費に与える影響(赤字化、黒字化)を試算し、情報共有する
・5年程度議論を重ねて総会で結論(方向性)を出す
要するに、維持するにしろ撤去するにしろ、1期だけの理事会に任せずに、5年程度をかけてできるだけ多くの所有者を巻き込み、検討を重ねることが重要となる。
<別記事>マンションの不要な施設を廃止するためのステップ☆★
管理会社は積極的には撤去を提案しないだろうから、丸投げすることはお勧めしない。管理組合主導で進める力仕事となるだろう。
機械式駐車場は一定の経過を経て撤去されることが世の流れとなっており、先送りにすることなく早期に取り組むべき重要な課題の一つである。
また、これから都心部でマンション購入を検討している方には、機械式駐車場の有無を一つの判断材料とすることをお勧めする。
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