『余命10年』を見た夫婦の間で考察が分かれたシーンについて ※ネタバレあり
物語について
仕事がら、当映画の題材となった『肺動脈性肺高血圧症』に携わる機会が多い事もあり、本当に気づきの多い映画でした。自分が仕事において果たすべき使命を考えると、仕事で起こり得る不満などがあったとしたら、それはとてもちっぽけな事のように感じました。
映画について
個人的に印象的だった点が2点あります。
まずリリーフランキー演じる、居酒屋の店主げんさんがまぁ渋い!
和人の背中を押す時の言葉の並べ方や独立を祝うシーンの『お前カッコよくなったよ』が深みありすぎて震えました。リリーフランキー以外にこの役は誰ができるのかなと素人ながらに考えていました。
2点目はそのげんさんにカッコよくなったと声をかけられた坂口健太郎演じる和人の垢抜けていく様です。というより演出上の魅せ方にすごく興味が湧きました。特に独立初日に焼き鳥を焼いているシーンの和人の『二の腕』には、「坂口健太郎ってこんなに鍛えてはるんや・・・」というのが最初の感想だったのですが、同じ感想を持った妻との答え合わせの中で、あれは和人の成長の象徴として目立たせたんじゃないかという考察に行き着きました。
髪型の他、自分が気付いていない演出上のこだわりが沢山隠されているんだろうと感じ、そこにすごく興味が湧きました。
意見が分かれた宿泊旅行の夜について
タイトルのとおり、今回の映画で妻との見解が分かれ、見た人の意見をぜひ聞いて見たいポイントです。
スノボー旅行で起こったことを書くと、以下の通りです。
①ゲレンデで和人が茉莉にプロポーズ。
②その夜、和人と茉莉がベッドの上で抱擁し、キスをする。
③和人が眠っている間、茉莉はシャワーを浴びながら、うずくまり号泣。
④翌朝、眠る和人に何も言わずにコテージを離れ、帰途につく茉莉。
この流れの中の③の茉莉の涙について。
私はてっきり②のシーンで自分の抱える疾患によって、和人との行為に及べないことに涙していると考えていました。(根拠は後述します)
一方で妻は、そんな私に憐むような視線を送りながら「好きな人にプロポーズされたにも関わらず、次の日には別れを選ばなければないことに涙している」と主張しました。
これ、私が間違っていたら、ちょっと恥ずいです。
『男と女の不都合な真実』のような食い違いですが、私にも根拠があります。
それは②のシーンが結構長めに感じた事です。ここにそれ以上の行為に到れないもどかしさを表現しているような気がしました。
色んな考察を読みましたが、ここについて触れられているものはなく、真意はわかりません。観た方の意見をぜひ聞いてみたいと思い、noteに記しました。これから観る人もぜひ注目して見てください。
僕の主張、そんなに的外れではないと願っています。
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