もっと大変な人がいるから・・・ずっとモヤモヤしてたけど、書いてみた。
私は、練馬区で「ぼっとう&よはく」というコワーキングスペースを
やっている。
不登校の親子に来て貰えるようにと思って始めた。
そう思って始めたけれど、自分の娘は、不登校ではない。
当事者の親でもない私が始めてもなかなか届かないかもしれない。
でも本当は、それだけの思いで始めた訳ではない。
当事者じゃない自分だから感じる事がある。
もっと大変な目にあっている人たちがいる
先日、阪神大震災の時に被災者の方に寄り添って、奮闘していた
精神科医の先生がモデルとなったドラマの特番をたまたまテレビ
でみた。
その時に印象に残ったインタビューがまさに私の気持ちと同じだ
と思い、この文章を書こうと決めた。
テレビの中で被災された方が語っていた。
その方は、阪神大震災で被災した方だった。「でも家族の誰かを失くし
た訳でもないし、家が倒壊した訳でもなかった。確かに半壊くらいは、
したけれど自分よりもっと大変な目にあっている人たちは、たくさんいて、
だから自分が辛いと言っては、いけないんだと思っていて、当時は、辛い
とは言えなかった。でも今になって思うと本当は、あの時辛かった」
私は、その方が語っているのを見ていて、きっとこういう方は、
震災の事に限らず、色んな場面でたくさんいるんだろうなぁと
思った。
例えば、私自身、もっと大変な人がいるから、私なんて全然、大
した事は、ないって事が実は、今、たくさんある。
どれもこれももっと大変な人に比べたら、本当に大した事はない。
それでも、小さな事でもずっと溜め込んでいるのは、きっと良くない。
だから、思い切って書いてみる。
辛さは、誰かと比べる事じゃない
娘は、不登校じゃないし、発達検査もグレーだった。
でもやっぱり、学校公開での様子を見るとクラスで仲良しの
お友達がいる感じがしないし、たまにいじめ程ではない感じの
嫌な事をされたって話を聞く。親としてちょっと心が痛くなる。
私は、数年前に子宮頚がんの検診で陽性になり、精密検査を
した結果、子宮頸部異形成の初期とわかった。子宮頚がんでも
ないし、まだ手術をする程の段階ではない、要経過観察。
半年に一回に検査にいって酷くなったら、手術をしたらいい。
でもちょっとだけ、不安になる。
私の母は、ついこの間まで認知症の手前の軽度認知障害(MCI)
だった。認知症でもないし、まだ介護といっても大した事は、
していない。遠方に住んでいるので、ほとんど何もしてあげる
事も出来ず、近所に住んでいる姉にほとんどお願いしている。
これが微妙に辛い。もっと何かしてあげられればいいんだけれど、
何もしてないから、姉に対しても何も言えない。本当は、言い
たい事があっても、全部、聞くだけ。何にもしてないんだから。
そして、まだ認知症な訳でもなかったので、本格的に介護して
る方たちの大変さに比べたら、全然大した事ない。
実際、どれも当事者に比べたら大した事ないのは、重々承知。
でも辛さは、誰かと比べる事じゃない。
自分自身が辛かったら、「ちょっと辛いんだよね」と誰かに
話せるといいなぁと思う。
幸い、私は、小出しにして夫に話している。
そして、嫌がらずに聞いてくれる夫がいる。
それでもたまに辛くなる。そんな時は、こっそり一人で泣く。
泣くと少しスッキリする。
今もこれを書きながら、ちょっと泣いた。
きっと、こんな大した事ないけれど誰かに聞いて欲しいって
話をする為に無数にスナックやバーがあるんだと思う。
私自身が物凄い壮絶な体験をした訳ではないけれど、
壮絶な体験をしていなくても辛い事があったら、辛いって
言える場所があるといいなぁと思っている。
何気なく育児の話をしている時に仕事の話をしている時に、
将来の話をしている時にそこにいる人にさり気なく、ちょっと
辛かった事、今、辛い気持ちを話せると溜まっていた物が少し
吐き出せて、少しは、すっきりするかもしれない。
*
「ぼっとう&よはく」という店に来て頂いて、楽しい事や大事な事に
没頭して欲しい気持ちもある。
でもこういう思いもあって、毎日、店を開けている。
だから、不登校の当事者じゃなくても、壮絶な体験をした訳
じゃなくても、自分自身が辛かったら、誰かに話せる場だといいな
ぁと思う。
そういうゆるい繋がりの場であるのもいいなぁと思っている。
そして、不登校だったり、障害だったり、世間からマイノリティ
と言われている人たちの辛さもそんな自分たちのちょっと辛いを
感じる事が出来た先にしか理解するのは、むずかしいんじゃない
かなぁと思う。
当事者にしかわからない辛さをどうやったら、当事者じゃない人
たちが理解しようと思い、みんなが住みやすくなるんだろう?と
いう事を私は、よく考える。
先日みたクレヨンしんちゃんの映画のぷにぷに拳っていいよねっ
て事なんかと一緒に。
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