音楽。始まりのきっかけ。 その5
前回まではこちら。
その1 https://note.com/s9f/n/n5848c4266d54
その2 https://note.com/s9f/n/n65cbbe8d6dca
その3 https://note.com/s9f/n/n64182857b1cb
その4 https://note.com/s9f/n/nfa7411563864
思ったより長くなってしまった練習法の話。
演奏体力をつける
演奏をするにも体力が必要。体力の低下が演奏に影響する。
1時間のセットだとしても、単純に考えて4kg前後の楽器を持って立ち、両手を絶え間なく動かし、頭の中・耳では神経を研ぎ澄まして楽曲に集中する。
想像するだけでも体力が必要。
そのためにも前回書いた【練習時は必ず立って弾く】はここにも関係する。
他にも手首にウエイトをつけてピッキングをするという体育会系的なノリの練習もしていたし、湯船の中で手首を振るというトレーニングもしていた。
疲労しにくい状態を作ればそれだけ余裕を持った動きができる。
好きな曲を1曲弾くならその曲が入っているアルバム単位で練習する
最初のうちは好きな曲を練習することが多い。それを否定する気はないし、自分もそうだった。だけど、僕の場合はその曲が入っているアルバム全曲のコピーをするようにしていた。
理由としては、自分はベーシストなのでベーシストとしての思い込みだけど、音楽性の幅はベーシストがどれだけのリズムパターンを持っているかが大きく作用すると思う。
音楽のジャンルを定義するのは難しい。
「自分の音楽をジャンルでくくられるのは嫌だ」
というミュージシャンは多い。
しかし、僕の考えは少し違う。
音楽のジャンルは「聴く側にとっての目安」だと考えている。
世の中にある無数の音楽の中から、自分の好みに近しい音楽にたどり着くための目安。ある程度、分類されていないとたどり着いてはもらえない。
音楽は聞いてもらうものであって、聞かせるものだとは思わない。
だから、ジャンルは必要。
作り手が自分で定義する必要はなく、聞き手が自分の判断で定義するもの。
だから、作り手がそこにストレスを感じる必要もない。
脱線してしまった…
まぁ、その分類されたジャンルというのも何かの判断基準がある訳だけど、その一つがリズムだと思う。
4ビートでウォーキングするとジャズっぽくなるし、8ビートで刻むとロック調になる。レゲエにはレゲエのリズムがあるし、ボサノヴァにも。
その引き出しをどれだけ持っていて、曲を作る時に自分の中から出せるかがその音楽を生かす方法の一つだと考えていた。
自分が好きな曲って、ある程度方向性が似てくる。
好きではない曲調・リズムや興味のない曲調・リズムはどうしたって練習からも敬遠される。
それを防ぐ手段がアルバム単位での練習法だった。
アルバム1枚を通して聴くと、好きな曲もあればそうでもない曲もある。
中には苦手とするジャンルの曲もあったりする。
それを強制的に練習する方法として考えたのがこの手段。
好きな曲は自分へのご褒美。
苦手な曲は将来のための練習。
僕はこの方法で、ベースを始めてから高校卒業までのあいだ約1年半で500曲以上コピーした。
練習は極力スコアを見る
これも一般的にはあんまり良しとされていない方法かも知れない。
一般的には「耳コピ」を勧める人が多いのではないだろうか。
でも、僕は初心者の時にはスコアを見ることを断然オススメする。
自分自身、耳コピなんてほとんどしてこなかった。
カバーをしないといけない時にスコアがなくて仕方なくというのはあったけど、サポートでバンドに入る時などはコード譜でも良いから必ずスコアを用意してもらっていた。
自分が耳コピしなかった理由。
それもいくつかの理由がある。
★間違った技術を身に付けたくない
耳コピをするとテクニック的に難しい部分も想像で補う必要があり、間違った方法を身に付けてしまう可能性がある。
初心者のうちほど、正しいテクニックを身につける事がその先につながる。
これはスポーツでも同じだと思う。
はじめのうちに間違ったフォームを身につけると、それを直すのはなかなか難しい。
自分のスタイルを作ることを否定する訳ではない。
まずは、基本を知った上でそこから自分に合ったものに変えていくのが理想だと思う。いわゆる守破離の考え方。
★読譜力の向上
音楽業界に進むことを視野に入れた場合、読譜をするという事は様々な場面で出てくる。耳コピに頼りすぎていると、いざ譜面を読まなくてはいけない時に時間がかかってしまう。
僕は音楽を始めたのが遅いし、譜面を読むという事も音楽の授業程度のレベルしか出来なかったので練習しながら読譜力を上げるの合理的だと思った。
また、譜面で他のパートが何をやっているのかを見る事で自分の演奏と他パートとの関係性が見えるようにもなる。これはアレンジをしていく上では必要な知識であり、能力だと思った。
★単純に演奏する曲数を増やしたかった
初心者がやる耳コピの場合、1曲を弾けるようになるのに時間がかかる。
まずは絶対数を増やすために、1曲でも多く弾けるようになりたいと思ったのでアルバムのスコアブックを買って全曲練習というのを繰り返していた。
アルバム1枚が平均して10曲だと考えて、1日1曲を習得すれば10日間。
その後は、アルバム1枚流しっぱなしで続けて弾く練習を4日間。
これで2週間でアルバム1枚終了。
単純計算で1ヶ月で20曲ぐらいは弾けるようになる。
1年間で240曲。
僕の場合、それを上回るペースでやっていたけど普通にやってもこれぐらいはこなせる。
楽器を持っていない時間の意識
普通に学校生活を送っていれば、どう考えても楽器を触れる時間は触れない時間よりも少ない。
では、どうすれば上手くなるのかは触れない時間の使い方をどうするかだと考えた。
楽器を触れる時はその時に出来る事を。
触れない時はその時にできる練習を。
そうすることで、時間を有効に使えると思った。
具体的には、
・音楽を聴く時には常に裏拍を取りながら聴く。
・スコアをひたすら読む。
・スコアを読みながら、1パートずつ最後まで追っかける。
・クリックだけを鳴らしながら、頭の中でベースラインを再生する。
などなど。
楽器を持てる時には上記のような作業はせずに、ただひたすら弾く。
こんな事を繰り返し練習していたら、1日8時間(ちゃんと学校は行って)も練習してたし、楽器を始めてから1年半後にはレコーディングでベースを弾けるところまでにはなれた。
なんでもそうだけど、目の前のものに取り組むためにはその先を想像して、いま何をするのかを考えるのが重要だと思う。
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