音楽。始まりのきっかけ。 その3

前回まではこちら。
その1  https://note.com/s9f/n/n5848c4266d54
その2 https://note.com/s9f/n/n65cbbe8d6dca

前回の最後で書いたちょっとした勘違い。
それは何か。

それはアレンジだった。
ライブで曲を繋げるために、コード進行を変えたり構成を組み替えたりする事がある。このコピーバンドでも自分が(音楽経験が一番浅いのに)アレンジをしていた。
しばらく、そのアレンジで続けていたある日。

Mr.Childrenの最新のライブ映像を見ていたら、自分が考えたアレンジと全く同じものが行われていたのだった…

「どこかで耳にしたのを自分が考えように錯覚したんだろう」と思われるかもしれないが、今では考えられないほど、本当に驚異的なまでに音楽を聞かない生活をしていた人間がライブ音源を耳にするはずがない。

そういう時の勘違いというのは強いもので、自分が考えたのは間違えではなかったんだという安心感が強くあった。それと同時に、自分が考えたものを世の中に出すという事の面白さを知ったのだった。

そういったアレンジや自分の考えを形にするにはその役割というか立場にいる必要がある。当時、自分なりに調べて出した結論が「サウンドプロデューーサー」という職種。
そして、そこから僕が目指しべき道筋が見え始めてきた。

サウンドプロデューサーについて調べながら音楽活動を続けている最中、また新たな問題が起きる…

まぁ、高校生ぐらいの年頃ではありがちな話ではあるけどバンドメンバーの1人が音楽活動よりも恋愛に夢中になってしまい、活動がおろそかになっていってしまった。当然、それに不満を持つメンバーも現れライブ前に空中分解してしまうのではないかという状況になっていった。

僕をそのバンドに誘ったOさんはドラムだったけど、この時にはすでにドラムではなくギターに興味があり、ドラムを辞めたいという話もしていた。
しかし、僕としては関わった以上最後まで形にしたいという面もあったのでなぜか僕がOさんを説得(笑)

自分たちが通う高校で新しくバンドを作ろう。そこでOさんはギターをやれば良い。と持ちかけてなんとかMr.Childrenのコピーバンドはドラムとして続けていくことに。そして、文化祭当日を迎える…

最後まで波乱万丈なコピーバンドで、当日にVo&Gtが寝坊で遅刻という大惨事。なんとか本番には間に合ったものの、こちらは他校の生徒ということもありアウェー状態。まぁ、本番を迎えステージをこなし険悪なまま解散して終了というお粗末な結末。
僕にとって初めてのバンドは残念な終わりを遂げた。

気を取り直して自分たちで新たに組んだバンド。
メンバーもある程度集まり、ここでも僕はキーボードの予定だった。
課題曲も決まり練習を続けていく中で、さぁスタジオに入って初リハをしようといった数日前、ベース担当だった友達から「難しくて弾けない。ボーカルが良い」という告白。

メンバーが足りなくなるとい不測の事態が発生した。
ここで偶然の出来事が生まれる。

数日前に別の友達がベースを買うのに付き添いで出かけた際に、なんとなく興味があってベースを買っていたのだった…
単純に弦楽器をやってみたいというのもあったし、新しいことに挑戦したい気分だったんだろう。

そういうわけで、自分の手元にベースはある。
バンドにベーシストがいなくなった。課題としている曲もそうだけど、音楽のバランス的に見てキーボードがいない(なくても成立する)曲は多くあるけど、ベースがいないと成り立たない楽曲の方が多い気がする…
という事は、とりあえずキーボードではなくベースに転向した方が良いのではないかと考えた。

僕のベーシスト人生はこうやって始まった。
誰かヒーローがいるわけでもなく、やりたくて始めたわけでもない。
言うなれば、消去法というかバランスを見ての駆け引きで始めたようなもの。それが今でも続いている。

ここからベースとの格闘が始まっていく…


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