息子の中学受験の振り返りと、役立つかも知れない知識
昨日、息子が第一志望の中学校受験に合格しました。
ゲームしたい、テレビ見たいのを我慢して、ずっと勉強していたのを見てきたので、親としてほんとうに嬉しかった。本人もそうだけど、奥さんも下の娘もがんばった。
小4から受験を見据えて塾に通い出した息子は、小6のはじめの時点で県内TOP校に合格する実力はありませんでした。なので、少しランクが下の学校に狙いを定めて、3月からの10ヶ月間、ひたすらに勉強をしていました。
今日はこの貴重な経験を、備忘録として振り返ってみます。
もしいま小4、小5のお子さんをお持ちなら、これから本番を迎える受験について、参考にしてもらえるかもしれません。また、まだ幼いお子さんをお持ちでも、受験を考えているなら事前知識として役立ててもらえるかも知れません。
よかったら最後までお付き合いください。
始まりは公立小学校への疑問
まず僕らは、どうして受験をしようと思ったのか。
それは、息子が小3のときに通っていた学習塾(※小4からは違う塾に行きました)の講師の方に言われたことがきっかけでした。
曰く、
公立中学校は、先生に恵まれるかどうかは運。意識の高い先生もいれば、そうでない先生もいる。
といった内容でした。
もう大人になって随分経つから忘れていたけど、その通りだなと思ったんですね。私立だから絶対にそうではないとは思いませんが、市場原理ってものはあるよなと。
僕は小中、そして高校の途中まで公立校に通っていたのですが、指導中に突然豹変してものすごい暴力(後退りする先輩を追い詰めて、腰の入ったビンタ10発以上)を振るう先生がいたり、小学生でも疑問に思うような言動を繰り出す先生がいたりと、言われれば思い当たるフシがありました。
また、当たり前のことながら小学校に通う各家庭の方針や生活にも大きくバラつきがあり、多様な人々に触れる機会としてはメリットを感じるものの、それは小学校の6年間でじゅうぶん学べることなのではないか、バラついた学力を考慮した教育には無駄があるのではないかと考えていたのでした。
そういったことを家族で話した結果、長男は小4から中学受験を見据えて動くことにしました。
教育ビジネスはサンクコストの塊
ここまでほぼ3年間、受験を目的とした進学塾に通ってきて思うのは、教育ビジネスはサンクコストの塊だということです。
息子が頑張りたいと言っているという前提ですが、「ここまで頑張ったんだから最後まで走りきろう」という意識は、小5の半ば頃の時点で感じていました。
まだこの頃は、小6の「本当のしんどさ」を味わう前でしたが、親としては色々と葛藤があるのも確か。もっとスポーツをやらせたほうがいいのではないか、本当に受験をしたいんだろうか、やりたいって言ってるけど言わせてしまっていないか、など。
でも、もう走り出しているわけだし、どんなことがあっても無駄なことなんて無いだろう、とにかく息子がやめると言うまではサポートしていこう、と思うしかありませんでした。
小5までは助走、小6の1年が80%を決める
ちなみに中学受験は、あとになって思い返せば小5までは大したことありません。その時々でしんどいなあ、とは思うんですけど、小6のそれに比べればほんとに楽なもんです。息子も、英語やテニスを継続できていましたし。
それが小6になったら、他のすべての習い事をやめざるを得ないほどのスケジュールとなってきます。毎週土曜日にテストがあり、月に一度は日曜日に偏差値の出る模試があります。そもそも土日もずっと塾で勉強。朝からテストを受け、午後から解説。唯一の塾の休みは月曜日ですが、息子は算数の成績が思うように伸びなかったので、家庭教師をオンしました(結果的にはこれが正解だった)。
思い返せば夏以降で勉強をしなかった日は、たぶんありません。ストレス解消にと思って11月に連れて行った近場へのお出かけの日も、朝に少し学習をしてから家を出たはずです。
ちなみにウチの子は、小5の時点では頑張れば県内TOP校にも手が届くかも?という学力でしたが、小6になって急に落ちたんですね。たぶん他の子が小6になって本格的に勉強をし始めたからだと思いました。頑張っても全然偏差値が上がらない時期が続いたんです。受験って多分に相対的なもので、ここにも難しさがあります。
学校では得られない経験
僕らの感覚からすると、小学校からそんなに?と思うほどの勉強量で、先程も書きましたが、親としてかなり葛藤がありました。
でも、学校の外に同じ目的に向かって走る友達ができたことは大きな財産ですし、何だか女の子に告白されたりもしたみたいです。青春。
家族が一致団結して取り組んだ経験も大きいし、息子にとっても本当はサボりたいところをたくさん努力して(結果的に)実った、という成功体験が得られたのもよかった。
それは、スポーツを頑張る子を応援する親とまったく変わらないと思うんです。
野球やサッカーを頑張る子と変わらない
受験って、ほんとうに大変です。
中には「何もしなくても勉強ができちゃう」タイプの子もいると思いますが、そういう子にはそういう子なりのレベル感で努力が必要だろうし、苦しさもあるはず。まだまだ幼い、ちょうど思春期にさしかかる小学生が1日6〜8時間を勉強に充てる生活、それが本当に毎日途切れなく続くというのは、家族にとっても大きな負担を強います。
ただ、「お受験」って書くと親の押しつけで勉強をやらせて、ハチマキ巻いてちょっと洗脳っぽく「えいえいおー!」、みたいなイメージありますが、やってる本人や家族はそんなことなくて。
目標に向かって毎日々々コツコツと努力する子供を、できるだけ支え、時に励まし、叱咤し、いい点数が取れれば一緒に喜び、悪い点数だったら課題はどこだろうと探す、そんな毎日でした。
これって、暗くなるまで黙々と影で練習するサッカー少年や野球少年を、両親がサポートする姿と変わらないよなって思っていました。
結果的にレギュラーになれなかったり、試合に出られなかったとしても、その努力にこそ意味があるし、ウチも子供には言わなかったけど、ずっと「もし合格しなくても、この努力は絶対に実る」って思ってました。
間違いなく、お金はたくさん必要
こどもや家族のメンタル面の難しさに加えて、大きく立ちはだかるのがお金の問題です。
やはり、お金は相当かかります。
授業やテストが劇的に増える小6は、毎月80,000円くらい。これに成績次第では家庭教師を追加してそれも毎月80,000円ほど。夏期講習や冬期講習などもあるし、模試の費用もあります。
加えて1月には受験料が1校13,000円程度かかりますし、これらのお金を捻出できるかどうかは、受験にあたっての大きな要素になります。
そして我が家では、本番直前の1月に家庭教師の回数をさらに追加したので、さらにお金がかかっています。
ただしこれには成績向上の他に、もうひとつ目的がありました。
おそらく両親共稼ぎだと相当しんどい
僕の感覚では受験はおそらく、両親共稼ぎだとかなりしんどい気がします。
塾で食べるお弁当づくり、夜遅くなることからの送り迎え、幼い兄弟姉妹がいたらそのケアなどは、やはりある程度時間に余裕がないと厳しいと感じました。
我が家は幸いにも奥さんが専業主婦で、さらに僕が事業主ということもあり、かなり自由が効くと思います。正直この体制じゃなかったら無理かもしれなかった。
そしてここで、専業主婦である奥さんのメンタル問題が出てきます。まだまだ幼い息子は、やっぱりしばしばサボろうとするわけです。それを根気強く勉強に向かわせなければならない。しかもときには勉強を見なきゃいけないこともあるわけですから、ストレスは相当なもの。
我が家では結局のところ、学力向上に加えてこのストレスの対策として、家庭教師に来てもらうことを決めたのです。
週に1度、2時間程度ですが、塾が休みの日でも奥さんが少し開放される。しかも息子にとっても気分が変わるし、相談相手もできる。たぶん、家庭教師に来てもらわなかったら、相当しんどかったとでしょう。
ここでもやはり、お金を捻出する覚悟みたいなものは必要だと感じます。
英語は受験にも役立つ
最後にお伝えしたいこととして、英語のことをすこし。
うちの子は、2歳から英語ですべての授業を行う幼稚園に通っていました。今は受験のために止めていますが、小学校に入ってからも週に2〜3日は通いました。
この甲斐あってか、小5の時に英検準2級を取得できたんですね。(2級は一度チャレンジしたけど全然語彙が足りなくてダメだったらしいですが。)
英検、準2級まで取ると、学校によって別枠で受験ができたり、テストに加点されたりすることがあるんです。面接があったりちょっと特殊な動きが増えますが、結果的に正解だったと感じています。
英語も、英検を取得するまでは成果が見えづらく、少しもやもやしてたのは事実なんですけど、意図しないかたちで報われた感があります。
もし英語にも力を入れている家庭だったら、小5までに準2級を取れると、受験戦略がすこし変わってくると思います。
どうせ英語、できたほうがいいですからね。
しっかり勉強できていれば、中学の間の英語はたぶんほとんど勉強しなくていいと思うので、学校生活も楽になりますし。割とメリットあり。
まとめ
今日は「お受験」について、振り返りながら書いてみました。
とにかくしんどい。お金かかる。でも、終わってみれば(結果がよかったからだけど)充実感があります。
僕は昨日、合格通知をWebで見てからは、あんまり仕事になりませんでした。ちょっと気が抜けたというか。
でも息子は、もともと受ける予定だったもう一校も全力でやる、受かってから選ぶって言ってます。
我が息子ながらすごい。尊敬する。
でもここがゴールじゃないので、その先にある将来について、また家族で話していきたいと思います。
明日も何か書きます。
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