見出し画像

あめ

目が覚める。

無数の線が地面に落ちる音がする。

生活をしている途中で降る雨はあまり好きではない。

目が覚めたその瞬間から、雨が降っている。そこがいい。

雨が僕を待ち構えている。

さぁ、どうしようか。家に引きこもることもよし。思い切って外に出て濡れてやろうか。考えるだけで高揚だ。

屋内と屋外での雨は姿を変える。

聞こえる音、匂い、雰囲気、色。全てが様変わりする。

雨は僕を待っているのだろうか。

僕は雨を待っている。

雨に唄う人もいれば、雨を詠う人もいる。

数千年も前から人と雨は深いかかわりがある。

雨が時代を流していく。時代が雨で流れていく。

雨と晴は相対に見えるけれど、雨と晴は違う。

別々で楽しむものだ。

雨が好き。その日だけの音が聞こえてくる。

明日には聞けないその場しのぎの音が。

#雨の日をたのしく

この記事が参加している募集

雨の日をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?