見出し画像

CSP-SM受けてみることにした そのxに向かって「チームや組織の文化を変えた経験」

これまでのあらすじはここから

5.3 最低2個の具体的なチームや組織の文化を変えた経験を記載せよ

正直、こういうのは苦手です。
こういう問い。
私は「自分がチーム/組織を変えた!」なんて自信を持って言うタイプではないし、
そもそも自分がファーストペンギンにはなることはできても結局フォロワーだったりどう巻き込まれてくれたかの方が大事だと思うからです。

けどまぁ、今回も
そんな大それた事が知りたいのではなく

  • 変えるためにどんなアクションが取れると思うのか

  • 変えるためにどんなアクションを取ったのか

が知りたいんでしょう。

苦手な質問だ!!

経験の枠は2つ

  1. 毎日ふりかえる習慣がチームにできた

  2. 全員がアウトプットする権利と必要性がある認識を持った

日々ふりかえる

ふりかえりの良さをサクッと

ふりかえりの重要度について詳しくは説明を避けます。
スクラムは経験主義なので、より良く経験から学び知識から知恵へと昇華させる必要があります。
日々の経験を学びに変える、そして個人の成長につなげる、さらにチームの成長につなげるためにはふりかえりの場が有効活用できる。

経験

レトロスペクティブの時間だけではとにかく足りない!何か少しでも、意識・カイゼンをするためにふりかえる時間を作りたい。日々、イベントやプロセスを少しでもよくしていこうという取り組みをしました。

まず最初にしたこと。とにかく、毎日、1人でふりかえりを実施しました。
1週間の「ふりかえり」では「ふりかえり」自体の経験や習熟度が上がりません。自分自身のアウトプット力、分析力、探究力を上げるためにも、日々の訓練としてまずは自分から始めました。
やり方は簡単、ただただslackにその日あった事柄に対して自分の振る舞いがどうだったかの反省をしていくだけ。
思い向くまま、言葉が出るまま・・・。

ちなみに、各スクラムイベントのふりかえりも1人でやり続けました。
どのイベントでもイベントそのものに対するふりかえりをし続けました。

1〜2週間が経った頃、チームでの取り組みとして、チームメンバーの1人がふと自らslackでふりかえりをはじめました。
私の活動が、小さくチームに波及した日です。
最初の小さな小さな一歩。その日は、そのメンバーは2個だけ、その日の感想を書いていました。

そこからはチームにも波及することは簡単でした。その取り組みを見たメンバーが、同じスレッド内に相乗りしただけです。
メンバーが徐々に徐々に参加し、コメントが増えるようになりました。

同じ人がスレッドを立てなくても、自然と同じ時間になるとふりかえりが始まるようになりました。

ついにはslackの世界を飛び出て、ホワイトボードツールで自由度高くふりかえりをしています。
アウトプットの個数も、何倍にも増えました。

今ではふりかえり文化の定着だけでなく、アウトプット力にも大きな能力向上が見える重要なチーム文化です。

学び

  • ファーストペンギンとして物事を自ら始めることの重要性の再確認

  • フォロワーの重要さ。フォローされることで巻き込む力が大きくなる。

  • 自由度を高くして、成功体験を積み重ねる事が自己組織化へとつながる。

  • 単純作業の少しの品質向上の大切さを再確認。

参考図書


チームメンバー全員のアウトプット

アウトプットの良さをサクッと

アウトプットというと、資料やプログラムなど成果物的な何かを想像されるかもしれません。ここでのアウトプットとは、声に出すことはもちろんですが、頷きや表情すらもアウトプットと捉えています。

(たぶん)日本の文化的背景から、集団の中で自分の意見を言ったりすることは特に苦手な人が多いと思います。苦手としないにしても、気後れすることや、言わずにいることが多いのではないかと思います。

しかし、現代、VUCA時代です。多様性が発生しずらい日本においても、個々人の細かいレベルで見ればそれぞれで見る視点は必ず違います。
違う世界から見た景色を知り手数を増やすためにも、一人ひとりの意見を吸い上げる必要があります。

また、アウトプットをすることで、自分でも知り得なかった自分の認識を知ることができます「こういう言葉を使ったけど、自分はこう思っていたのか」という体験。さらに、言葉に整理することで、自分の中の思考を言語化して論理化する事が可能です。

経験

チームメンバーとの日々の関係性づくり、具体的には、許す・認める・受け入れる関係づくりをしていきました。(いわゆる心理的安全性の構築)
会議の冒頭では都度、反応表情言葉で表現する重要性について共有していきます。会の中での表情に出すことや、悩んでいるその間合いを表現することも重要だということを説明していきました。

経験や技術的な上下関係ではなく、その場で気づいたそれぞれの正解を共有してもらいたいのです。その気づきから、何の事柄が共通認識を取れていないのかがわかります。共通認識の取れていない箇所を説明することもまた大事なアウトプットです。それにより、お互いが学ぶ事ができます。

昨今はオンラインでのコミュニケーションが基本です。なので、そこに関しても、ツールの使い方の意思統一をしていきます。例えば、zoomではスタンプを使った自己表現や、チャット機能を使った文章での自己表現を推奨します。できればカメラもオンにしてもらい、アウトプットしてもらいます。

感情を表現することに慣れてきたチームは次の段階に進みます。
次の段階は脳内を表現することです。頭の中に入っているものを全てだして、出し尽くしたものから情報を整理します。
例えば、ホワイトボードツール上に、今ある脳内の全てのモヤモヤの情報を含めて出し尽くします。
次に、その情報を整理し論理としてまとめていきます。

アウトプットまでのリードタイムが長かったチームが、単純なアウトプットが容易にできるようになります。単純なアウトプットを重ね、体系化までのリードタイムを縮めていきます。そうすることで、複雑なアウトプットや集団でのアウトプットすることすらも、リードタイムが縮まります。

考えを出さない・出せないことから生まれる、リードタイムと成長速度の低下の文化がありました。しかし、単純にアウトプットすることを許容する文化に変えただけで、思考と作業のリードタイムが縮まりました。

学び

まさに、スクラムで言われているレトロスペクティブ上での「コミュニケーションやツールのカイゼン」を実施することのような気がします。

単純作業が心理的に安全に行える状態を作る。それと同時に、ツールとしても使いやすくより良い状態を作り上げる。

そうして、単純な作業の思考の速度が上がることで、複雑な作業のリードタイムも上げる事ができることを学びました。

まとめ

どちらの例も、重厚な資料と論理を説明する事でこの結果に繋がったわけではありません。
単純な重要性を積み重ね、発展させていった結果、チームにとってプロダクトにとって重要な文化的変化に到達しました。
日々の一歩を変える
日々の初速を変える
それを少しずつ積み重ねる環境を作ることだけでも、スクラムの実践者として大きなカイゼンにつなげて行けることがわかりました。