七夕
七夕の日をそんなに意識したことはこれまでなかった。
短冊を最後に書いたのはいつだったかすら思い出せない。
6/30
突如数多くの笹の葉とカラフルな短冊が駅前に現れた。
地元の幼稚園児が書いたもののようだった。
「プリンセスになれますように」
「サッカーせんしゅになれますように」
いつの時代もこどもの夢は変わらないようだった。
私もシンデレラになりたくて仕方がなかった身であるし、むしろ今でも白馬に乗った王子様が迎えに来てくれると信じてる。(?)
少子高齢化がうるさいほど謳われる時代だが、この地域はどうやら子どもの数が多いらしいというのは、引っ越してきた時からこの目で見て実感している。
というのも公園の数が有り得ないほど多い。
50m置きくらいに公園があるような気がする。しかもどの公園も休日は子どもたちやその親たちで満員である。
こどもが自分の顔よりも大きいスマホを耳に当てて、「A公園とB公園、○○ちゃんはどっちがいーい!!??」
と遊ぶ約束をしているのを聞いたことがある。遊ぶ公園に選択肢があるなんて驚きだった。
そんな子どもの多い街だからこそ、町内会もきっと活気があるのだろう。
週末はどうやら盛大な七夕祭りもやるらしい。冷静にすごい。
地元の祭りはコロナを機に消えつつあることもあって、全国そんな感じなんだろうと思っていたが、コロナが終わって復活させよう、まだまだ頑張ろうとする街は多い。
少子高齢化の現実的な問題は色々あるだろうが、難しいことは私には分からない。
しかし直感的に私が思う少子高齢化の最大の問題点は、子どもがいるからこそ生まれるこういう景色が失われることだと思う。
忙しない日々の中、常に時間に追われる大人たちが、ふと足を止めて飾りを見上げる。
子どもたちの無邪気な字とそこに綴られた夢につい口角が緩む。
自分が子どもだった頃を思い出す。
そうして冷たくなった心が少しでも動く。
元気をもらう。
パッとその日1日が明るくなるような、そんな感覚に救われた。
大人が子どもを救うのが当たり前のように、実は大人も子どもに救われている。
この景色を毎年見られるようにするために、こどものために、今わたしにできることは正直思いつかないけど、
でも精一杯子どもがたくさんいるこの街を愛して、子どもとこの街が見せてくれる景色を存分に味わい尽くしたいと今は思う。
七夕祭り、楽しみだな。
おやすみ。
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